アンドレ・プレヴィンの「LIKE YOUNG」とガーシュイン | geezenstacの森

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LIKE YOUNG

Secret Songs For Young Lovers

 

曲目/

1.Blame It on My Youth    2:27

2.A Young Man's Lament    3:27

3.You Make Me Feel So Young    2:53

4.Young & Tender    3:15

5.While We're Young    2:49

6.Too Young To Be True    3:14

7.Last Night When We Were Young    3:10

8.Like Young    3:13

9.Younger Than Springtime    2:31

10.A Year Of Youth    3:06

11.Too Young To Go Steady    3:13

12.Love Is For The Very Young    2:37

Gershwin: Piano Concerto In F *

I. Allegro    12:54

II. Andante Con Moto    12:41

III. Allegro Agitato    6:30

 

ピアノ/アンドレ・プレヴィン

トランペット/ウァン・レイジイ*

演奏/デヴィッド・ローズ・オーケストラ、ラッシュ・ストリングス

  アンドラ・コステラネッツ・オーケストラ*

録音/1958/10

   1960/03/25 リージョンホール、ハリウッド

P:テオ・マセロ*

DICCUMENT 600337/I

 

 

 アンドレ・プレヴィンの「JAZZ MILESTONES OF A LEGEND」というボックスセットに含まれているもので、なんとメインはジャズ・イージーリスニング・アルバムなんですが、ボーナスとして、ガーシュインのへ長調のピアノ協奏曲が収録されています。そんな「へぇ?!」のあるアルバムです。

 

 まずはメインの「LIKE YOUNG」です。これは若い人たちをメインターゲットにしたプレヴィンにしては珍しいイージー・リスニング系のアルバムでした。オリジナルは下のデザインで発売されていました。

 

 

 代表的オリジナル曲「ライク・ヤング」を筆頭に、フランク・シナトラの歌で有名な「ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング」、ナット・キング・コールの持ち歌「トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ」、ミュージカル「南太平洋」からの「ヤンガー・ザン・スプリングタイム」など“ヤング”にちなんだ曲を粒立ちのよいピアノ・タッチで聴かせる。ゴージャスなストリングス主体のオーケストラをバックにプレヴィンは気持ちよさそうにピアノを奏でています。ビルボード誌の総合アルバム・チャートで最高16位まで上昇したということでは結構ヒットしました。

 

 

 さて、ボーナス分のガーシュインです。元々はらぷそでぃ・イン・ブルーとのカップリングで発売されていました。そりゃそうでしょ、こちらはCBSが原盤でした。上はMGMからの発売ですから、本来ならこんなカップリングはありません。このボックスセットだけのカップリングです。で、持ってジャズ・アルバム集として発売されています。

 

 第一楽章はティンパニの大音から始まります。なかなかかっこいい入りです。ガーシュインの作品はジャズのイディオムで作曲はされていますが、メロディはラフマニノフの流れを感じます。

 

 

 プレヴィンは後にロンドン交響楽団、そしてピッツバーグ交響楽団とも録音しています。そのどちらも指揮しながらピアノも演奏しています。この2作はほとんどテンポ設定も一緒ですが、このコステラネッツの指揮のもとでの演奏はややテンポが早くなっています。それは冒頭の入りからしてコステラネッツのテンポになっているからでしょう。でも、これを聴いた後でプレヴィンの自作自演を聴くとちょっとかったるく感じてしまいます。ステレオ初期の録音ですが、この演奏は覇気があります。

 

 

 その第二楽章ではトランペットが活躍します。CBSの録音はきちんとトランペット・ソロのクレジットが記載されています。それだけ、ジャズ感を大切にした録音といえるでしょう。なんと、プロデューサーにはテオ・マセロがクレジットされていますから間違いありません。マイルス・デイビスのビッチェズ・ブリューとデイブ・ブルーベックのタイムアウトなどCBSのプロデューサーとしてジャズ・アルバムを2000枚ほどプロデュースしています。

 

 

 この第三楽章の高揚感、個人的にはラプソディ・イン・ブルーより、好きな曲です。親しみやすい曲ですからもっと広く演奏されてもいい気がします。

 

 

 

 

 下はイギリス盤で発売されたレコードです。