部屋を整理していたら、昔の手紙類が出て来ました。その中で、イギリスから届いたものがありました。1977年当時のもので、イギリスからレコードを個人輸入していたときのものです。まあ、学生の身分で、金が無いもんですから、ちびちびと注文していました。こういう注文でも、イギリスのショップは丁寧に対応してくれました。「Maildisc & Co.」はメールオーダー専門の業者で、「Grammophon」で、欲しいレコードを見つけてはオーダーするという注文に、きちんと対応してくれました。まあ、こちらはかなりマニアックな注文をするので、オーダーしてから商品が揃うまでにかなり時間はかかりました。配送は一番安い船便を使っていましたから、それこそ注文してから商品が届くまで半年ぐらいのリードタイムがありました。
それでも、「ある晴れた日に」注文のレコードが届くとうれしいものでした。実際には、届いたという知らせが郵便局からくるので、それを持って近くの基幹郵便局まで取りに行く訳です。こんなことをずっとしていましたからて元にはかなり珍しいイギリス盤がかなりありました。当時は情報が乏しかったのですが、やり取りの中で、「ターンナバウト」盤はイギリスではデッカがプレスをしていて、本家のアメリカ盤より盤質は優れていました。ただ、すべてのアイテムがデッカから発売されていた訳ではなく、イギリスの好みのアイテムだけがデッカでプレスされていました。
さてさて、今回はレコードの話ではなく切手の話です。ご覧のようにイギリスの切手は普通切手はすべてエリザベス女王の横向きのデザインで、統一されています。バックの色が違うだけです。このデザインいたってシンプルですが、今も変わっていません。
ところで、他の国の切手と少々違いがあるのですが、どこが違うか分るでしょうか?
そう、イギリスの切手は国名表示がありません。これにはイギリスのプライドがあるのです。そもそも、英国は世界で最初に郵便制度を導入し、1840年に世界ではじめて切手を発行しました。日本はまだ江戸時代ですな。この切手にはビクトリア女王の横顔を印刷し識別としましたが当時、他国に切手はなかったので、国名表記は必要なかったわけです。その後、他国でも郵便切手が発行され、国際郵便も発達してくると、国際的にルールが必要となりました。
そこで、郵便ルールの統括国際組織である万国郵便連合(UPU)では、1964年に 「1966年以降発行の切手には国、地域名をローマ字で表記すること」という ルールを採択ました。その結果、まじめな日本は採択にしたがって、1966年以降発行の全ての切手に 「NIPPON」というローマ字表記を加えました。下がその切手で右が1965年発行の国際文通週間のもの、右が1966年の国立劇場会場記念のものです。でも、他国の人が「NIPPON」を見て、「Japan」であることを識別できるのか 疑問ですがねぇ。
ところで、英国はこの採択に従わず、今でも昔と同様に女王(現エリザベス?鵺)の 横顔を識別とするだけで、国名は表記していないんです。理由は「第一発行国の誇りを保ちたいから」と言われています。さすが、Great Britain !!
前の切手が1977年、後ろは1985年のものです。1Pがまったく同じですね。そして、この封書にはクリスマスカードが入っていました。こんなデザインでした。
文面は、
Wishing You A MERRY CHRISTMAS And A Very HAPPY NEW YEAR
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