中央アジアの草原にて
-ロシア民族音楽の集い-
曲目/
1.リムスキー・コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」*
2..ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」6:59
3.ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチーナ」より「導入部」「情景」「ペルシャの奴隷の踊り」
4.リムスキー・コルサコフ:組曲「金鶏」より「序奏と婚礼の踊り」
指揮/シャルル・ミュンシュ
演奏/フランス国立放送局管弦楽団
録音/1966*、1967
コンサートホール SMS-2511
昨年末に入手したコンサート穂減るのシャルル・ミュンシュです。しかも、ミュンシュのロシアものの作品を集めたレコードは多分これが唯一でしょう。それほど珍しいレパートリーです。大手が手を出さなかったことで、コンサートホールにこういう録音が残ったのでしょう。録音年代からするとミュンシュ最晩年の録音になります。ミュンシュはこのコンサートホールにLP5枚分の録音を残しています。その中では、以前にはミュンシュのヒゼーを取り上げたことがあります。面白いことにこのレコードレコード番号は同じなんですが、イギリス盤は下記のデザインになっています。画像の版権の問題でもあったのでしょうかねぇ。
このレコードはミュンシュがパリ管とベルリオーズの「幻想交響曲」を録音した年です。要するにパリ管とフランス国立放送局管弦楽団と両方のオケを振り分けていたんですなぁ。
ここでの序曲「ロシアの復活祭」はオケを煽るように猪突猛進型の演奏を繰り広げています。もともと原盤のムジディスクの録音は近接型のマイクセッティングで、かなりリアルに各楽器の音を拾っています。そんなこともあり、非常に馬力のある録音になっていますが、全体のバランスはやや独特といってもいいでしょう。言い換えればロシア音楽にはあっているサウンドだと言えます。
続くボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」はやや遅めのテンポでじっくりと音楽を作っていきます。ただアクセントは強めで旋律線との対比を明確にしています。もともとフランスのオケは木管や金管など管楽器のソロが優秀でしたからここでもその片鱗を聴くことができます。
レコードではB面になるムソルグスキーの歌劇「ホヴァンシチーナ」らは「導入部となる「モスクワ川の夜明け」と「情景」、そして、「ペルシャの奴隷の踊り」という最も有名な曲が収録されています。上記の音源はLPからのもので、スクラッチノイズがありますが、レコードで聴いている趣があります。
最後はボロディンの歌劇「金鶏」から「序奏と婚礼の行列」が選ばれています。何故かクラシックを聴き始めた初期からよく聴いた曲で、冒頭のトランペットの咆哮でこの曲のイメージが決まります。このフランス国立放送管弦楽団とはライブのような緊張感が感じられ、切れ味鋭い音をオーケストラから引き出しています。LP作りのための録音で抜粋なのがいかにも残念で、全曲録音を残してくれていたらなぁと思ってしまいます。