指揮者変更、ソリスト変更の異常事態
緊急事態宣言が延長されて、飲食店の危機的状況は変わりませんが、あまり話題になってない中で音楽や芸術の世界も瀕死状態であることには変わりありません。
今年はコロナの状況を伺いながら、名曲シリーズならチケットを購入してもいいかなと考えて、シーズン券を購入しました。4月に第一回のコンサートが開催され、第2回はこのハガキのスケジュールの8月30日の予定です。オリンピックの騒々しい期間が外れているのでいいかなと思ったのですが、海外からの来日アーティストたちは世界中を飛び回っていることもあり、2週間の隔離というスケジュールは難しいものがあるのでしょうなぁ。
この名フィルの演奏会も指揮者とソリストの変更を余儀なくされたようです。本来はイタリアの女性指揮者のベアトリーチェ・ヴェネツィさんが指揮する予定でした。
ね美人でしょ。1990年に生まれ、2015年ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で指揮を学び首席で卒業しています。2017年よりイタリア/プッチーニ音楽祭首席客演指揮者、2016年よりエレバン/アルメニア国立交響楽団副指揮者及びナポリ/オーケストラ・スカルラッティ・ヤング首席指揮者を務めています。2018年9月に三枝成彰・大友直人が企画する、コンサートマスターや首席奏者を中心に編成の「ジャパン・ヴィルトゥオーソ・シンフォニー・オーケストラ」を指揮し日本デビューを飾っています。まあ、変更が下野竜也氏ですからよしとしたいところですか、残念ですなぁ。そして、さリストも変更になっています。こちらは弓新氏から変更になっています。この弓新氏は日本名あらたゆみ氏で、2020年より北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の第2コンサートマスターを務めています。こちらも期待の新鋭でした。それが髙木凜々子さんにかわっています。でも、こちらは女性になってよかったとも言えます。髙木凜々子さんはストラディバリウスの「Lord Borwick」を貸与されていて、現在はそれを使ってコンサートで披露しているようです。
彼女は2017年バルトーク国際コンクール第2位及び特別賞受賞、シュロモミンツ国際第3位、2018年東京音楽コンクール弦楽器部門第2位及び聴衆賞受賞。2020年日本音楽コンクール第3位及びE・ナカミチ賞受賞という経歴を持っています。すでにCDデビューもしています。
こちらも期待大です。
名フィル
ところで、今年の各オーケストラのコンサートは本当にコロナに振り回され、ちょっと調べただけでも下記の指揮者の変更が発生しています。
2021/01/30 新日本フィル ルネ・ベルグマン→広上淳一
2021/7/10 仙台フィル サッシャ・ゲッツェル→太田 弦
2021/04/24 札幌交響楽団 マティアス・バーメルト→秋山和慶
2021/0313 東京交響楽団 ジョナサン・ブロクスハム→カーチュン・ウォン 日本滞在中
2021/02/11 東京交響楽団 ジョナサン・ノット→コンマス 水谷晃
2021/04/17 大阪交響楽団 オーラ・ルードナー→大山 平一郎
2021/05/21 日本フィル ピエタリ・インキネン→田中祐子
2021/07/9,10 日本フィル アレクサンダー・リープライヒ→沖澤のどか
2021/05/30 広島交響楽団 準・メルクル→尾高忠明
2021/05/27 日本センチュリー交響楽団 ジョセフ・ウォルフ→カーチュン・ウォン
2021/05/25 読売日本交響楽団 ジョナサン・ヘイワード→下野竜也
2021/02/20 東京シティフィル 沖澤のどか→高関健
まあ、外国人指揮者はほぼ全滅といっていいでしょう。東京交響楽団を振ったカーチュン・ウォン氏は、2016年のマーラー国際指揮者コンクールで優勝して一躍世界の脚光を浴びた新鋭で現在日本滞在中ということです。
まだ、指揮者の交代やソリストの変更でもコンサートが開催されればいい方で、今年前半はかなりのコンサートが中止に追い込まれています。NHK交響楽団なんか最たるもので、母体が黒字のNHKだけあって、2020-2021シーズンのすべての定期が中止になっています。登場予定であった外国人指揮者は、このシーズンはパーヴォ・ヤルヴィ、ヘルベルト・ブロムシユテット、ダーヴィト・アフカム、マイケル・ティルソン・トーマス、ハンヌ・リントゥ、ウラディーミル・フェドセーエフ、ファンホ・メナ、ドゥガン・ソフィエフ、ファビオ・ルイージ、アレクサンドル・ヴェデルニコフ、マルク・アルブレヒトらが予定されていました。
まあ、世界でも事情は同じようで、ウィーンフィルも先月の5月29日にようやく再始動したところのようです。
上の記事ではその再始動のリハーサルを見ることができます。指揮はパイロットでもあるダニエル・ハーディング、曲はマーラーの交響曲第1番です。