バック・トゥー・1971/02−1
レコード芸術1971年2月号

今回新しく友人から送られてきたもので、月日がやや遡ります。そして、これが話題となったベートーヴェンのトリプル協奏曲が表紙に使われていました。国内盤の初出は、ビクターの新世界レーベルでした。有名なジャケットですが、何か違和感は感じないでしょうか?その辺りのことをブログで取り上げています。よければ下記のリンクをクリックしてみてください。
前年の年末にはイッセルシュテットが単身来日し、年末恒例の第九と「ミサ・ソレムニス」を読売日本交響楽団と共演しています。読売日本交響楽団とは1964年の初来日の時も共演していましたが、イッセルシュテットはこの2年後に亡くなっていますから、最後の来日となってしまいました。そんなことでレコ芸が特集グラビアを掲載しています。

なんと第九のコンサートは武道館で開催されています。余談ですが、この武道館で最初にクラシックのコンサートを開いたのは怪物ストコフスキーでした。1965年7月13日に日本フィルハーモニー交響楽団を指揮しています。これは、ビートルズの公演の一年前です。

ヤマハの銀座店でのサイン会のスナップ
12月18日の11PMの「ベートーヴェン特集」にゲストとして出演しています。こういう番組に出演とはびっくりです。この日は水曜日で、司会は三木鮎郎でした。
ページをめくると思いがけないレコードの告知がなされています。オーマンディはRCAに移籍すると過去のレパートリーの再録に着手しています。これもその一枚です。CBSにモノラル時代の1954年に録音しています。ただし、この時は「ビリー・ザ・キッド」は作曲者がオリジナルの13管楽器のための作品を編曲した完全版が演奏されていますが、この新盤は組曲版で演奏されています。でも、そういう情報はレコードの解説にもレコ芸の月評を担当していた志鳥栄八郎氏も指摘していません。

メータにもこんな録音があったのですなぁ。シューベルトの「未完成」とアイネムの「フィラデルフィア交響曲」がカップリングされるという信じられないレコードです。全曲で15分余りのこんな曲です。

キングからはカラヤン・ウィーンフィルのこんなレコードがレギュラー盤で再発売されています。なんでも、初出は提携していたRCAからの発売であったということが批評に書いてありました。
でも、あまり売れなかったとみえて、この後1973年は「カラヤン・ベスト1000」として1000円盤で発売されています。もちろん小遣いを貯めて買いまくりました。(^_^;)

チェロのシュタルケルが来日してレコーディングを残しています。
チョン・キョン・ファはこの頃はキョン・ファ・チョンと表記されていました。

絶頂期のフィッシャー・ディースカウです。この時、シューベルトの歌曲大全集を完成させています。

珍妙な広告を見つけました。ポニーからの発売で、ソニー製のビデオデッキとビデオテープのセットでの発売です。1セット特価で38万円というべらぼうな価格です。ただし、テレビはついていませんよ。A-Dの4つのセットがあります。どれだけ売れたんでしょうかねぇ。

オルガニストのパワー・ビッグス

晩年のリリー・クラウス

こちらは塩川悠子がDGGに録音したプロコフィエフとシューベルトのソナタのスナップ。ピアノを弾いているのはジォアオ・ピリス=ノエート、つまり今のマリオ・ジョアオ・ピリスその人です。この時のピアノが素晴らしいと評判になり、3年後、コロムビアは彼女でモーツァルトのソナタ全集を録音したのがブレークの出発点でした。
追記
メータの不思議な組合せのレコードは、その後の調べでこれがオーストリア放送局の番組のための録音の音源ということでした。言ってしまえば、サントラとでもいう録音ということですね。納得の組合わせです。