ビートルズの新しい映画
「ゲット・バック」
このブログでは以前に、未だに国内では未発売のビートルズの最後の映画の「レット・イット・ビー」を取り上げていますが、その新編集版が今年はいよいよ公開されるようです。つまりは、既存の「レット・イット・ビー」はリマスターされて、そのままの形で発売され、一方で残された素材を使って新たに新編集版の映像が、タイトルも「ゲット・バック」という形で公開されるということなのです。
この映画は当初は2020年9月公開を予定していたものが、新型コロナウイルスの流行などの影響で、2021年8月21日公開予定に延期されたものです。今回は世界同時公開ということで期待が持てます。その先行映像が昨年年末公開されています。下がその映像です。
特別映像の冒頭では、リンゴ・スターがスタジオでたばこを吹かしながら、カメラに向かって「おはよう、みんな。新しい1日だね」とあいさつ。ジョージ・ハリスンのスキャンダルを報じる新聞記事をジョン・レノンが読み上げるシーンや、ジョンとポール・マッカートニーのデュエット曲「Two Of Us」の歌唱シーンに続いて、キーボードのビリー・プレストンも交えて「Get Back」の演奏が始まると、スタッフの声に「何だって?」と演奏を中断したり、歌い始めたポールが「少し早めに」と歌い直すなど、現場の生の空気が伝わってくるような貴重なシーンが次々と登場します。
ポールの歌唱に乗せ、4人がふざけ合ってボクシングのまねをしたり、ダンスを踊ったり、リンゴがドラムのスティックでジャグリングをしたりする様子や、スタジオ内には笑顔で談笑するオノ・ヨーコの姿も。不仲だったとされる解散直前のビートルズのイメージを打ち消すかのように、仲よさげで楽しそうな4人の姿が切り取られています。
これらは従来のドキュメント映画「レット・イット・ビー」のイメージとは全く違うビートルズが描かれています。しかし、素材は残された60時間の未発表映像、150時間の未発表音源です。素材の使い方一つでこういうものができるのです。従来のビートルズのイメージが変わるのでは無いでしょうか。