贋作 | geezenstacの森

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 先日、親戚の曽孫が叔父に絵を描いて貰いたいと言い出したので、このコロナ騒動で無沙汰していることもあり、一度みんなで出かけようということでお邪魔しました。長男夫婦が同じ敷地内に住んでいるとはいえ、基本一人暮らしです。この叔父についてはこのブログでは何度も取り上げています。叔父は日展の会員でもあり、東海展では第1展示室の入り口付近にいつも掲出されています。

 

 

 ただ、もう歳で今年からは出展を取りやめると言っていました。曽孫の娘は富士山の絵が欲しいと言っていましたら、ちょうどアトリエでは色紙サイズの富士山の絵をたくさん描いていました。

 

 

 まだどれも最終の仕上げはされていません。

 

 

雪の白冨士

 

 

朝焼けの冨士

 

 

夕焼けの冨士

 

 小生も今年娘が結婚したのでその祝いに一枚絵を譲ってもらおうと頼んでいましたので、それにふさわしい作品を出してきて貰いました。それが下の絵です。ガラス額装してあるので正面からだと反射して綺麗に写らないのでやや左側から撮影しています。

 

 

 

 タイトルは「晨(とき)」というタイトルなんですが、この作品を見て、曽孫がなんかこれ見たことがあるというのです。ネットで検索してみると、なんとヤフーオークションに出品されているではありませんか。それが下の写真です。

 

 

 画面こそ、左右反転していますがまさにこの作品です。また、作品の大きさがわかるようにタバコのキャビンが置かれていますが、実際の作品はこんなに小さくありません。30号サイズです。出品サイズは8号です。さらに作品タイトルが「湖晨」となっています。

 

 

 

上は実際のサインと落款です。これも、形が違います。下は贋作の落款です。

 

 

止めと跳ねが違うと叔父は言っていました。実際の作品はサインと落款が平行になっていますが、贋作は上下になっています。

 

 自分の贋作がネットオークションに出品されているのは初めて見たと言っていました。この出品者は他にも冨士の絵を3枚オークションに出品していますが、どれも贋作だそうです。

 

 

 

 叔父は一時期、岐阜の方で大量に贋作が出回ったそうで、その一部がこうやって心無い画商の手元に流れたのではないのかなぁと言っていました。

 

 

 

 こちらは長野県の野尻湖を描いたものです。サイズ的には50号あり、今は額装を外してありました。

 

 

 曽孫は最終仕上げが終わったら引き取ると言うことで、雪化粧の冨士と赤富士の2枚を注文していました。小生はしまいこんである「御嶽山」を描いた絵を探してもらい、見つかったら連絡してもらうことでこの日は引き上げました。でも、ずっと眺めていたら、晨(とき)」もいい作品なので食指が動きますねぇ。