麺道! -4ページ目

麺屋  うえだ




「特濃魚介豚骨らーめん・ハード」。スープは豚骨系に魚介をプラスし、醤油ダレがしっかりとした味付け。具を盛ってから香味油をジュッとかけるので温度は熱い。白茶色に濁った色から、濃厚そうな感じが漂う。麺を持ち上げるとスープの粘度が高いことがわかる。このスープは、骨を取り除いた手羽先と豚足の皮と肉をフードプロセッサーでペースト状にし、そのネットリしたものを注文ごとに小鍋に入れて、スープで溶いていく。トロミというよりはゲル状に近い。口の中にまとわりつくほどドロっとしていて、史上最高の濃度と形容してもいいかもしれない。都内では、同様にトロミのあるものも見かけるようになってきたが、その比ではない。但し、脂っこくもなく、しょっぱさも然程感じず、食べやすくはなっている。背脂は使用していないとのこと。ゼラチン質と旨みがギュッと詰まった感じだが、レンゲでスープを味わうと言うよりは、麺と一体となった味を楽しむと言う方が適切な表現か。ラーメンなのにスープ割りが可能というのも不思議ではあるが、妙に納得できてしてしまうところがその特性によるもの。麺は中太の緩やかなウェーブのあるストレート麺。低めの加水率でスープを吸い上げて美味しい麺。茹で加減はやや硬めでちょうど良い。箸で麺を持ちあげると心持ち重たく感じるのはスープが絡んでいるため。バラ肉のチャーシューは2cm位の厚手のものが2枚。ワインに漬け込んだ後に、煮込んで焼いたもの。焦げ目の色は強いが、苦くはなく香ばしい。肉の味はタレの味が滲み込んでいる。硬さは肉質を感じさせる。メンマは極太。部位によるものだろうが、繊維が残っていて、噛み切るのに苦労をした。青ネギともやし、その上に振りかけられた七味唐辛子は全体のバランスで考えると効果的。他の具は焼き海苔2枚。具の量は良心的。
 個性とパワーが強いため、決して、万人向けのラーメンとはいえない。過去の限定メニューを見ると、芸術作品とも言うべきラーメンの数々。その着想の面白さと遊び心が伝わってくる。正統派とは違う型破りなところが最大の魅力。

「チャーシューメン+半熟煮玉子」




「チャーシューメン+半熟煮玉子」。驚きのコストパフォーマンス。このボリュームでこの料金は嬉しい。大山地鶏のモミジと比内地鶏の皮、ニンニク等を使用したスープ。タレには丸大豆醤油に羅臼昆布、鰹、鯖、宗田の本枯れ節、粟国の塩が使用されている。表面には鶏脂が浮き、かなりコッテリしているが後味はスッキリ。まろやかな甘味が口に広がり、鶏ダシの旨味がジワジワと伝わる。切り刃14番の極太ストレート麺はスープとよく絡み滑らかな舌ざわりだ。コシもあり美味しい。モモ肉のチャーシューは下味が濃い目でしっかりとした食感。煮玉子は味が染み込んだゼリー状。ほうれん草はダシで煮ているので柔らかい。
 店名「上弦の月」とはどこかロマンチックなイメージを抱かせるが、実は「ラーメンの上限を目指す」という意味合いで名付けたそうだ。大衆的で力強いラーメンは更なる無限の飛躍を予感させる。

うまい!

「特製梅塩汁そば(平打ち麺)」



地鶏を使って白濁させたダシと焼きサンマを使ったタレを使用。スープ表面には、香味油が浮かび、揚げネギと揚げニンニクスライス、白ゴマ、細切りのシソの葉が浮いている。
 焼き魚の風味は突出することなく、香味油の香ばしさと、穏やかで優しい味わいのスープが合わさって滋味深い。コラーゲンが豊富に含まれ、飲んだ後には、唇がネットリとする感じ。南高梅の酸味が、サッパリ感を与えてくれる。
 麺は太平打ちストレート麺。緩やかなウェーブがついている。その日の朝に打っているので、熟成感は浅い。ツルツルとした表面の滑らかさ、噛むとネチッとした歯ざわり。しっかりとしたコシがあって美味しい。
 チャーシューは、バラ肉を使ったものが3枚。箸でつかむと砕ける柔らかさ。口の中で、トロトロと溶ける感じが良い。メンマは、拍子木のような四角い形状。歯応えが漬物のようにコリコリとしている。色は濃いが、塩辛くはなく、甘めの味付け。味玉は、味がしっかり滲みこみ、黄身はトロリとしている。南高梅は大粒で、減塩タイプのもの。酸味よりも、甘味を感じさせる。海苔は大判のものが2枚。黒々とした良質のもの。他の具は、貝割れダイコンと白髪ねぎ。