雨の日のバラたち ~小さな幸せと小さな平和と~
梅雨だから、
いつ雨が降ってもおかしくないが、
台風と一緒に
雨が来た時には
さすがに庭の花たちも
へこたれた。
お隣から来ていたアナベルの
茎が折れてしまったことは前に書いた。
被害はアジサイだけではなかった。
実はバラの花も幾らかやられ、
だから
これ以上やられるくらいなら、と
被害が出る前に
他のバラもみな切り花にした。
おかげで家の中が
あちこち一気に華やかになった。
まず玄関。
カクテルの一枝。
赤い花器は、
日展の審査員まで務められた
「赤の荒木」こと
荒木俊雄先生の作品。
隣の赤い玉は、
その荒木先生のある大物作品の部分。
左端では、
ミニ胡蝶蘭がまだ頑張っている。
お手洗いも華やぐ。
スーパースターとカクテルの蕾。
黙って座れば、
目の前にこの花。
小さな白い花器は、
これも陶芸作家で一世を風靡した
五十嵐和恵女史の作品。
卵型をしていてほんのり暖かい。
サイドボードの上にも、
さりげなくバラの花。
スーパースターと
ラブ&ピース。
何せ風で首の折れた花を活けてあるので、
花だけになってしまっているが、
それでも花器がそれをカバーしてくれている。
この
ほんのり白い花器も
同じく五十嵐和恵女史の作品。
写真右端では、
魔女の宅急便のクロネコ「ジジ」と
ディズニーの「マリー」がほほ笑む。
真ん中の白ネコは
名前は知らないが、
ヤマト宅急便の景品。
我が家では
こんなところでもバラが輝く。
我が家の宗派は、
活ける花にトゲがあるから駄目とか、
匂いが強いから駄目とか、
そんな狭い了見は持ち合わせておらず、
極楽浄土も
色とりどりのきれいな花であふれているので、
どのような花を活けられてもいいのですよ、と
実に心が広い。
人を救う仏様や神様は
そうでなくてはならない。
他の宗派を非難・排除したり、
こうした方が良いとか
ああすれば悪いとか、
そんな条件付きの行動を迫る宗教が、
世界中で紛争を巻き起こしているのは
今更言うまでもない。
全世界が
我が家の宗教になれば、
人同士で殺し合うなど
野蛮極まりないことは必ずなくなる。
雨の日の我が家の中は、
平和な輝きで溢れる。
こんな小さな幸せで、
人は事足りるのに、
人の欲にはキリがないことよと、
半ばあきれる。
アジサイの花の色について ~理論と現実の乖離~
アジサイの花の色は、
品種改良されて、
敢えて白を売り物にしているもの以外は、
普通、
赤色(ピンクも含む)と
青色に大別される。
そしてよく言われるのが、
植えてある土壌が
酸性であれば青色、
アルカリ性であれば赤色、
になる、ということである。
(ちなみにリトマス試験紙は酸性なら赤色、アルカリ性なら青色になる)
アジサイの花の色については、
しかし、
理論的にはそうであっても
現実的にはそう簡単な話ではない。
近所の家の石垣の上に植えられたアジサイ。
白色のアジサイもあれば、
ピンクのガクアジサイもある。
昨夜来の暴風雨にやられてはいるが、
暴風雨は
花色には影響を及ぼさない。
青色と赤色が混在したところも。
アジサイには、
アントシアニンという色素の1種で
デルフェ二ジンという
通常は紫赤色の色素が含まれ、
これに
補助色素とアルミニュームのイオンが加わると
青色になると証明されている。
化学的に証明されているので、
それに異論をはさむつもりはないが、
しかし
現実にはそう簡単な問題ではない。
極めつけはこれ。
株立ちで大きくなったアジサイだが、
ご覧の通り、
写真左側は奇麗な青色で、
右側は奇麗な赤色。
株の左右で
土が分けてあるわけではない。
前述の石垣のアジサイもそうだが、
土がその株ごとに分けてあるわけではない。
しかし現実的には
このように同じ土でも、
青い花も咲けば
赤い花も咲く。
理屈としては、
根から送られてくるアルミニウムの量に差があるためだとか、
品種によっては遺伝的な要素で花が青色にならないものもあるとか、
補助色素がもともと量が少ない品種や、
効果を阻害する成分を持つ品種はアルミニウムを吸収しても青色にはなりにくい、などと、
いろいろ言い訳じみたことを言っているが、
早い話、
そんなことには関係なく、
自然界では
花は自由気ままに
自分の出したい好きな色を出して咲く。
アジサイは
決してリトマス試験紙ではない。
自然の中にとけこんで、
自由に花を咲かせているのだから、
人は理屈で花色を決めつける必要はない。
人は静かに、
咲いた時の楽しみで、
花色を待てばよい。
今度産まれてくる子が
男か女か分かる時代になっても、
産まれた時の楽しみで待つくらいの余裕がなければ、
人として大きな罪を犯すことになる。
「もうこれ以上女の子は要らない」、
たったそれだけの理由で
抹殺されてしまう赤ちゃんが
一体いくらくらいいることか。
なまじ先が読めると言うことは、
必要もない悪を生む。
よくよく心すべし。
松葉ボタンの気構え ~明日は松になって見せよう~
小さな庭で、
この季節になると
松葉ボタンの成長が早い。
ジュエルを筆頭に、
色とりどりの松葉ボタンが咲き始めているが、
この松葉ボタンは、
ちょっと周りと違うので、
敢えて取り上げてみた。
私の好きな
ジュエルなのかどうかは分からない。
見ただけでは、
どのような色が咲くのかも分からない。
でも
松葉ボタンであることは間違いない。
普通、
松葉ボタンの仲間は、
スベリヒユなどと同じで、
横に滑って大きくなるものだが、
この松葉ボタンは違う。
ご覧ください。
木のように、すっくと立っている。
松葉ボタンではなく、
「松になってやろうではないか」、というような「気構え」。
否、
「木構え」と言った方がいいかもしれない。
それにしても、
この姿は一体どうしたというのだろう。
どの方向から見ても木のような形で立っている。
何十年もジュエルを咲かせ続け、
同じ仲間の松葉ボタンを
たくさん見て来ているが、
こんな形のものは初めて見た。
「俺はそのうち、松葉ボタンではなく、松になるんだ。」
まさかそんなことは考えてはいないだろうが、
ちょっと面白い。
上から見ても
実にバランス良く全方向に繁っている。
このままの形で花が咲いたら、
いかにも盆栽のような感じで、
ちょっと驚きである。
窒素肥料が効きすぎて、
這うはずの茎が立ちあがってしまったのかもしれないが、
花を楽しみに待つとしよう。
アナベル救出作戦 ~自然と人工物との混在に思う~
昨夜の台風襲来で、
お隣から来ている白いアジサイ
アナベルが、
無惨なことになったので、
救出作戦を実施した。
無惨な姿のアナベル。
救出と言っても、
目立たないように、
緑色の紐を使って
一花一花フェンスと結び、
立ち上がらせただけなのだが、
茎の折れた個所を
ちゃんと養分が通ってくれるのを願うばかり。
一応見た目には観賞に耐えるようになった。
花は自然体が美しいだけに、
無惨な姿を
曝し物にしづらい。
しばらくの間頑張ってほしいのだが、
またこの後
台風5号が来るらしいので、
その時には
今の応急処置では
耐えられないだろうな。
アナベルの
この無残な姿を修復しながら考えた。
その姿になったのには
ただ風のせいではなく、
はっきりとした人工的な原因があった。
写真をご覧になったらお分かりの通り、
アナベルは
人工的フェンスの間をくぐりぬけて来てくれていた。
そこに今回の強風である。
本来は
風を受けても植物は
柔らかくしなって風を受け流し、
なかなか茎の途中で折れることはないのだが、
ここのアナベルは
地面に付くほどしなって風を受け流そうとしただろうが、
いかんせん
フェンスの横の被覆線に邪魔されて、
しなることができない。
だから強い風を受けて、
アナベルは
その被覆線との接触部分で折れたのである。
予想はしたことであったが、
お隣の花でもあるし、
一花一花に防御措置を施さなかったのがいけなかった。
自然と人工物との混在では、
人工物が頑丈だから、
どうしてもその影響を受け、
自然体の方が被害を受けてしまう。
自然と人工物を共存させたいなら、
基本的には人工物も、
周りの自然と同じくらいの強度で作るべきなのかもしれない。
さて
白いアジサイの話題ついでに
この花もご覧ください。
「カシワバアジサイ」
この花数の多さからすると、
「スノーフレーク」 という種類だと思われる。
これはアナベルと違い
木立ちのアジサイ。
みんな花が下を向き
ごめんなさいをしているけれど、
何しろこちらは本質が木だから、
茎に芯が通っている。
だから、
おなじようにフェンスに絡みながらも
折れなかったものと思われる。
いずれも白が美しい花である。
台風一過 ~アナベル無惨~
隣から
我が家の庭に顔を出している
白いアジサイ
「アナベル」
花も大きくなって
さて今からが見ごろと言う時の
台風襲来。
昨日深夜に
関東地方を高速で駆け抜けた台風は、
各地にいろいろな爪痕を残した。
我が家は
万全の態勢をとっていたので、
原発みたいに
およそ想定外の被害などは出なかったが、
お隣から来ていた
アナベルが無惨。
ドラゴンロードの突き当たりが
白いアジサイ 「アナベル」
花が見ごろになって、
大きく膨らんできていたからたまらない。
昨夜の強風で
とても花を支えきれずに
ダウン。
お隣から来ていた花だったので、
余りこちらで構うのもどうかと、
気にはなっていたのだが
そのままにしていた。
朝起きてみると
ご覧の通り。
アナベルは
花が重たく膨らむ割には、
それを支える茎が細いのが特徴で、
アジサイなのに雨に弱い。
昨夜のような風が吹けば
ひとたまりもない。
自分の家の花ではないので、
勝手に切り花にするわけにもいかず、
今のところ
そのままにしてあるが、
このあと、
一輪ずつ
紐か何かで引き起こしてやろうと思う。
でないと、
このままでは本当に
「アナベル・リー」になってしまう。


















