▼『低温焙煎』を解説する!no,12
『保有熱の調整方法 その4 』
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『低温焙煎』を一言で表現すると『熱の布団で優しくコーヒー豆を包むようにして煎る焙煎方法』と言うイメージです。
『保有熱の調整』とは『その熱の布団が熱すぎず・冷たくもない丁度良い温度加減に調整する作業』ということです。
焙煎機に設置されている温度計は、釜内部の温度を測るようになっていますが、焙煎機全体に蓄熱された熱量をそれで知ることはできません。
焙煎機を手で直接に触ってみれば判りますが、同じ温度を示していても、焙煎直後と少し時間が経過した時とでは、釜の熱さが明らかに違います。
時間の経過と共に、焙煎機本体に蓄熱されていた熱が徐々に発散されていくからです。
焙煎のスタート時は、生豆を優しく温めるために必要な最低限度の熱量があれば十分なのです。
焙煎機が過熱しすぎている時は、余分な熱が生豆の表面を焼いて、中の水分の逃げ道を塞ぐことになりやすいので一番注意しなければならない状態です。
生豆が優しく温められ、生豆の繊維質が緩むことで、内部の水分が徐々に抜けていくことができるようにしていくのがベストです。
低温焙煎という焙煎方法の一番の肝は、この工程にあると言っても過言ではないのですが『生豆の繊維を解す』と言うことが実は一番理解しにくい工程なのです。
窯が過熱しすぎていても、逆に冷めすぎていても『生豆の繊維質』は適正に解れてくれないのです。
生豆の温度は季節によって変動しています。
温度計で計測してみれば判りますが、外気温に比例するように生豆自体の温度も季節で変動しています。
水道水の温度が季節で変動しているのと同じです。
冬の冷たい生豆も、真夏の温かい生豆も、一年同じように煎っていては結果に差が出てくるのは、至極当然のお話です。
『保有熱の調整』という工程は、その事実を素直に受け止めないと理解することは難しいと思います。
私の『低温焙煎』の場合は、焙煎機を一旦80度まで冷まします。
なぜ『80度』なのかと言うことは、それも何千・何万回もの焙煎経験から体験的に導き出して来た、今の焙煎機に適した『冷却温度』なのです。
焙煎機が変わると、冷却温度もまた違ってくるかも知れませんので、参考程度にお聞きください。
『保有熱の調整作業』はここからスタートするのですが、その方法は次に章で詳しくお話したいと思います。
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※ここで書かれている温度や時間は、あくまでも私が使っている焙煎機を基にして計測したデーターです。
焙煎機が違うと、また違う数字のデーターがでてくるかも知れないことを、ご理解のうえお読みください。
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