数年前から続く原因不明の背中痛の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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数年前から続く原因不明の背中痛の整体治療
患者Yさん=64才-男性の症例

 

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、、数年前から背中(☚肩甲骨の間くらい)が持続的に痛むそうです。マッサージや鍼灸、あるいは内科などを受診されましたが効果が出ず、大学病院での心臓や肺の検査でも異常は無く、原因は不明だそうです。何をしても背中痛が改善しない事に不安を感じているそうです。

 



②    Yさんの診察
・顔色は普通で浮腫みは無く、怒張三兆もありませんでした。また、呼吸困難感もありませんでした。
・肺炎、気管支炎や喘息などの既往は無く、喫煙歴も無いそうです。
・大学病院での胸部画像検査で特段の異常は指摘されていないそうです。
・血圧は110/80mmHgで、血液検査ではコレステロールとアミラーゼが高めである以外、特段の異常は指摘されていないそうです。
・胸頸部聴診上、血管雑音は確認できませんでした。また心音や呼吸音にも特段の所見はありませんでした。
・胸部触診上、胸郭全般に非常に硬直している感触がありました。また胸骨の右縁と左縁(R2~5付近)に著明な緊張と圧痛がありました。脊椎に軽度のS字型側弯がありました。
・胸椎の打診上、特段の所見はありませんでした。
・腹部X線検査で、ガスの多さが指摘されているそうです。エコー検査で、膵臓等の異常は無いそうです。
・2年前に胆嚢ポリープの腹腔鏡手術をされています。
・排便は毎日あるそうですが、ガスが溜まりやすく、オナラが一日に30~50回は出るそうです。
・中耳炎、虫歯/歯周病、鼻炎/副鼻腔炎などの既往は、あまり無かったそうです。
・腹部聴診上、グル音はやや強めに聴取できました。血管雑音はありませんでしたが、血管のやや強い拍動が左季肋部(十二指腸空腸曲付近)から右側腹部にかけて連続して聴取され、右季肋部にも3か所聴取出来ました。
・腹部打診上、腹部全般的に鼓音が聴取出来ました。
・腹部触診上、腹部の上部2/3は膨満傾向でしたが、下部1/3は陥凹していました。十二指腸空腸曲から回盲部にかけて著明な緊張と圧痛がありました。腫瘤感はありませんでした。剣状突起下部に著明な緊張と圧痛がありました。

 



➂ 治療目標と整体治療
     ⑴    胸郭の緊張を解放する
     ⑵    消化管のガス吸収を促進し、腹部の膨満を緩和する

・胸郭解放テクニック
・胸膜/心膜解放テクニック
・腸間膜根解放テクニック
・消化管平滑筋テクニック

 





④    経過と結果・・・
・初診治療後、「背中痛が少しマシな気がします」と仰っていました。また、膨満していた腹部が半分くらいまで平坦になっていました。また少しだけ、胸郭の緊張も軽減していました。


・2診目来院時、背中痛は元に戻っていたそうです。施術後、「背中痛は半分くらいです」と仰っていました。


・3診目来院時、背中痛は半分くらいだったそうですが、施術後には1~2/10程度にまで改善していたそうです。


・4診目来院時、背中痛は2/10程度だったそうですが、施術後には背中痛は1/10以下にまで解消し、また胸郭の緊張も大幅に解消していましたので、今回の集中治療を終了し、様子をみて頂くことにしました。

 



⑤     今回の症例の概説、、、
・60代の初老期の男性で、持続性の背中痛がある場合、やはり心疾患や動脈疾患などの生命に関わるケースを念頭に置く必要があります。また最近では減っていますが、脊椎カリエスや骨粗鬆症的な骨病変も同様です。ところがYさんは、喫煙歴や呼吸器/心臓疾患の既往も無く、血圧も安定し、血管雑音も無く、上記の様な心配はかなり低いタイプが推測されました。

 

・ただ一点、一つだけ気になる所見がありました。それは胸郭の硬さ(緊張)でした。胸郭は加齢と共に少しずつ可動性(柔軟性)が減じ、硬直性が増していくものですが、Yさんのそれは著明に緊張性(硬直性)が感じられました。カイロプラクティック的には脊椎の側彎(サブラクセーション)を注目すべきところかもしれませんが、経験的に脊椎の側彎が持続的な背中痛の原因になる事は極めて珍しい、という事が私の認識なので(☚脊椎のアジャストで改善する事はあまり無い)、側弯よりも胸郭の緊張性(硬直性)が背中痛の原因ではないか、という疑いを持ちました。

 


 

 

・ただ残念ながら、なぜYさんの胸郭がここまで緊張したのか、その理由は今もって不明です。Yさんにも根掘り葉掘り、その原因となるべきエピソードをお聞きしましたが、結局それに相当する所見はみつかりませんでした。とは言え、手をこまねいている事はできませんので、その原因は不明のまま、緊張している胸郭の解放を目的として上記整体テクニックを施術する事にしたわけです。
 

・結果的に胸郭の緊張が解放するに従って、長年続いていたYさんの背中痛も軽減していき、4診目には1/10以下に解消していたので、概ね上記仮説で妥当であったのでは、と思います。ただ返す返すも、Yさんの胸郭緊張がなぜここまで進んだのか、それが分からないままなので、少し禍根を残す症例となりました。なぜなら、その真の原因が不明なので、再発の可能性が少なくないと思われるからです。
 

・Yさんにもその点をご注意申し上げて、何かあればまたご相談下さるか、あるいは専門医へ相談をする様に、お話して、今回の治療を終わることにしました。

 

 

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