機能性胃腸症(?)…
二つの原因が関わる(?)急性の胃の激痛と整体治療
患者Tさん=40才-女性-主婦の症例
① Tさんの病歴・・・
患者Tさんは、元来胃腸が丈夫で胃痛・腹痛や下痢などの消化器系の愁訴に見舞われたことはほとんど無かったそうです。ところが十日前に急に胃痛が生じ、それが一日中続いているそうです。当然近くの消化器内科を受診され胃薬等の処方を受けたそうです。ところが全く効果が無かったので大きな総合病院を紹介されて検査をされましたが、結局何ら異常も無く、担当医から「機能性胃腸症(ディスペプシア)ではないか・・・」と言われ、お薬を処方されましたが効果が無かったので来院されました。
② Tさんの診察
・胃カメラやレントゲン、あるいはCTや血液検査など、専門的な検査は全部異常なしだったそうです。
・胃薬や鎮痛剤も胃痛には効果が無く、胃痛が常時続いているそうです。
・発熱その他の全身所見は特に無いそうです。
・胃痛の部位は心窩部(みぞおち)で、範囲は握りこぶし大の広さだそうです。
・胃痛の性状は持続的でジリジリと焼ける様な激痛で、それが2~3時間激痛が続くと1時間前後胃痛が少し減弱し、また次の2時間激痛になる、、、の繰り返しが一日中あるそうです。
・特に食事をとると胃痛が激しくなるそうです。
・下痢便などは無く、通常の排便だそうです。
・胸やけや呑酸または背中痛は特に無いそうですが、むかつきはあるそうです。
・楽になる姿勢はあまり無いそうですが、左側臥位と仰臥位幾分ましだそうです。
・月経周期は28日で、月経期間は5日のタイプだそうです。今まで、生理痛などの婦人科的愁訴はほとんど無いそうです。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取できませんでした。グル音はやや減弱気味でした。
・腹部触診上、心窩部に著明な緊張と圧痛があり、特に剣状突起下部が緊張していました。また心窩部から右季肋部に腫脹感があり、左季肋部(十二指腸空腸曲)にも緊張と圧痛がありました。腫瘤感や抵抗感はありませんでした。
・改めて問診すると、激痛が生じる前日に家族でバーベキューをし、その時にローストビーフを食べたそうですが、そのローストビーフを食べた家族に軽度の胃痛が生じていたそうです(ローストビーフを食べていない家族は胃痛が生じていない)。胃痛が生じた家族はその後2~3日で改善していますが、Tさんだけが胃痛が続いているそうです。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 胃腸の消化管平滑筋の緊張を緩和し、疲労を改善する
⑵ 上腸間膜動脈(?)の絞扼を解消する
・消化管平滑筋テクニック
・上腸間膜動脈解放テクニック
④ 経過と結果・・・
・2診目来院時、
「(初診治療後)少しマシになった感じがありましたが、二日前からまた(上腹部の)痛みが強くになりした」と仰っていました。処方された胃薬の服薬を中止しても症状に変化が無いので、今は服薬を止めている、とのことだそうです。再診すると臍の5cmほど上部から臍付近にかけて動脈の拍動が触診されました。聴診上、血管雑音はありませんでした。また臍の下部に著明に緊張が広がっていましたので、同部の整体治療(上間膜動脈解放テクニック)を追加したところ、同部の痛みは解消し、動脈拍動も消失しました。
・3診目来院時、
「(2診目治療翌日より)痛みが少しマシになってきて、食欲も出てきました。排便もスムーズに出るようになりました」と仰っていました。施術後、「お腹がスッキリ軽くなっています」と仰っていましたので、これで様子をみてもらう事にして、治療を終了することにしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
・病歴から、Tさんの当初の胃の激痛の原因は軽度の食あたりだったと思われます。Tさん以外の家族は2~3日で改善している事から、Tさんは食あたり時の消化管平滑筋の強縮状態が緩和されず、そのまま持続している為に激痛が続いているのでは、と推測されます。
・Tさんは元来胃腸が丈夫で、今までどんなに暴飲暴食をしてもお腹をこわす事はほぼ無かったそうです。しかしやはり40才を迎えて、それなりに今までの胃腸の負担が累積され、自力での自然回復力が減退していたのでは、そして今回の食あたり時の消化管平滑筋の強縮によってその限界を超え、強縮状態が持続していたのでは、と推測されました。
・Tさんが自発的に胃薬の服薬を止めた際、その前と後で症状に変化が無かったことも、胃腸の内部の異常ではない事を示唆する所見かもわかりません。この事や上記診察所見から、今回のTさんの胃痛は機能性胃腸症というよりは、食あたりの後遺障害(消化管平滑筋の強縮)と推定し、消化管の平滑筋テクニックを施術することで、結局これが奏効したものと思われます。
・ところが2診目来院時に胃痛が再燃した件については、少し事情が異なると思われました。2診目については、おそらく残留便による上腸間膜動脈の絞扼による血管痛が主因では、と推測されます。
・動脈瘤性の腹痛も検討しなければなりませんが、初診時に腹部動脈の血管雑音は確認されておらず、2診目も拍動は強かったですが雑音は聴取されず、上腸間膜動脈の下方腹部に残留便と推測される緊張があった事から、動脈瘤の可能性はほぼ無いのでは、と判断されました。従って臍の下方の残留便を解消する施術で瞬時に胃痛が解消したのでは、と思われます。
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