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人工内耳体外器の修理が補装具費に追加

2018年11月に山形市の折原政信市議に同行して聴覚障害のお子さんがいらっしゃる母子家庭を訪ねる機会がありました。聴覚障害のお子さんは、小学生の男の子で人工内耳を装着していました。お母さんのお話では、元気いっぱいの男の子なので体外器を壊したことがあり、補装具として修理できないかとのご相談でした。

人工内耳は手術をともない術後の調整など医師の処方に基づいて装着するものなので医療保険が適用されています。利用者の負担軽減が図られる一方で、このご家庭のように体外器の交換が必要になった場合にも医師の処方が必要になります。

 

厚労省からは、新型への機種交換を望む声は多いが、破損した場合にどうするかは実態を踏まえる必要があるとの説明でした。その後、厚労省では障がい者団体や学術団体から意見を聴取し、補装具評価検討会で改定が検討されました。そして、本年(2020年)4月1日に補装具基準告示が改定され、修理基準に「人口内耳体外器」が追加されました。ただし、人工内耳用ヘッドセットとして医療保険で対応されるもの(マイクロホン、送信コイル等)は含まれません。

 

今回の改定で新たに追加されたものは、ほかにも「盲人安全つえを『視覚障害者安全につえ』に改称」、「眼鏡ー遮光用に『掛けめがね式』を追加」、「修理基準に『遮光用レンズ交換』を追加」があります。

 

実施主体は市町村であり、真っ先に折原市議から告示改定についての喜びの電話をもらいました。お母さんの希望がかなってよかったと思います。

中川町のサテライトスぺース

第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、3月末に2020年度地方創生推進交付金の第1回交付対象事業が決定しました。今年度からSociety5.0を推進するための全国的なモデルとなる取組の支援などが新たに加わっています。

 

全国で2,939件が採択されました。この中には私が注目してきた市町村も含まれています。その中の一つは北海道中川町の「中川町地域商社と東京都世田谷区サテライトスペース連携事業」です。

 

中川町はこれまでも日本大学文理学部と連携して化石によるまちおこしなどユニークな取り組みを行ってきました。私は2月に町を訪問し、まちおこしの一端を担っているエコミュージアムセンターを視察し、商工会や観光協会などと意見を交換してきました。興味深い取り組みに中川町をすっかり気に入ってしまいました。

中川町は2016年に世田谷区の下高井戸商店街に情報発信拠点(サテライトスペース)を設け特産品の販売と情報発信を行ってきました。このサテライトスペースには年間1万人も訪れるというから驚きです。ここのソフトクリームはとても人気があり、来場者の多くが購入しています。日本大学や下高井戸商店街の協力のもとサテライトスペースの運営事業により年間約150人が中川町を訪れるようになりました。

せっかく東京に拠点を持っているのだからソフトクリーム以外の中川町産品の販売強化、移住相談の充実、交流・関係人口の増加を図っていきたい。そこで、このたびの実施計画では、地域商社を創設してサテライトスペースを拠点として特産品の開発や雇用創出などに取り組んでいくことになっています。この事業によって5年間で移住定住者30人などの目標を掲げています。

 

首都圏のみなさん、移住に興味があってもなくてもソフトクリームを食べに下高井戸のサテライトスペースを訪れてみて下さい。小さなスペースですが魅力満載ですよ。

重積てんかん発作治療薬の優先審査

新型コロナウィルス感染症の拡大が続くなかでは、基礎疾患をお持ちの方やそのご家族は緊張の日々を送られていると思います。こうした皆さんの中で小児てんかんのご家族に朗報です。小児の重積てんかん発作の治療薬「ブコラム」(口腔内投与用ミダゾラム製剤)が2月末に承認申請されました。

公明党てんかん対策プロジェクトチーム(PT)では、2017年に菅官房長官に対して行ったてんかん対策の推進に向けた提言の中でブコラムの早期承認を求めていました。これ以後もてんかん対策の予算要望などのPT会合のたびに承認の推進を図ってきました。しかし、治験に思いのほか時間を要したために2018年12月には大口厚労副大臣(当時)にドラベ症候群患者家族会とともにブコラムの早期承認を求める要望を行っていました。

2020年1月末にブコラムは、希少疾病用医薬品として指定を受けたので、このたびの承認申請により優先的に審査が行われ年内には終了する予定です。

 

私の長男も幼児の時に重症ミオクロニーてんかんを発症し、何度か危険な重積になりました。幸いにも救われてきましたが、重積の恐ろしさを知る親の一人として、多少ではありますが重症の小児てんかんのお子さんを抱えるご家族のお力になれることをうれしく思います。