ある会社のアクションラーニングにて。


受講生が、会社の状況を描写した。


「我々は、一生懸命バケツで水をすくっているんです。でもそのバケツが穴だらけで、そこからどんどん水が流れ出てるんです。」


「いや、バケツですらないですね。ザルだ。ザル。」


「で、その水をすくうというビジネス・プロセスを改善した方がいい。少しでも穴をふさげば、もっと儲かるのにと、上に言っても、


上司は、『えっ、結構すくえてるじゃない。これでいいんだよ。』と応じてくれない。


『いやいや、他社はもっとすくえていますよ。』


『我が社は、これまでのこのすくい方で来たんだ。もっと一生懸命すくえばいいんだ!バケツのせいにするな!』


と精神論を振りかざす。


そうこう言っているうちにどんどん水が残り少なくなってきたんです。



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上司は、もっと部下の言うことを聞かなければならない。


「リーダーは、現状に問題があると認めるまでは何の改善も得られない。」~ノーマン・シュワルツコフ


上司が聞いてくれなくても、中間管理職は改善の必要性を言い続けなければならない。なぜなら、管理職は組織の中長期的な価値を高めることが義務だからだ。

新人研修の仕上げに記入してもらう『研修行動計画』がある。


研修で習ったことを整理し、自分自身の課題を見つめ、それをどう克服していかを書くものだ。


ある受講生の行動計画シートの欄外に


「絶対、成長する。」


と書かれていた。


行動計画シートを書きながらも、うまくいくのかどうかという不安を打ち消すかのように、自分に言い聞かせるようににじみ出て来たひと言。


その何気ないひと言が健気でもあり、かわいくもある。


彼女がきっと成長することを願う。


いや、言われもしないのにシートの片隅に「絶対、成長する。」などと思わず書いてしまう人間が成長しないということがあるだろうか。


その明確な意思がすべてを創る。

昨日のブログで紹介したメンタルモデルの話をしたクラスのご担当者から後日、嬉しい報告をいただいた。



受講生のひとりから、研修で習ったことを活かして、うまくいきましたという声が届いていたとのことだ。



その受講生は、怖い先輩がいて、どうしても一緒にいると委縮してしまったり、思ったことが言えなかったりしていたそうだ。


しかし、なんと研修を受けた次の日にその先輩と二人っきりで業務を担当することになってしまったそうだ。



最初はイヤだな~と思ったけれど、「そうだ、昨日研修で習ったことをやってみよう」と思い立ったそうだ。


彼女が思い出したのメンタルモデル克服のためのリフレーミングというスキルだ。



リフレーミングとは、物事の解釈のフレーム(枠組み)を変えることで、私はレクチャーで、イヤなことがあっても「ラッキー!」って言ってごらんと強くおススメしていた。


渋々でも、滑稽でも、何でもいいからとにかく「ラッキー!」と言えば、ちょっとずつ変わるから、やってろと言い含めていた。


もちろん私自身のリフレーミングの事例もお話しした。



そして、「よし、怖い先輩だけど『ラッキー!』って言ってみよう。」と決心したそうだ。



最初は恐る恐る心の中で呟いてみる。



「ラッキー・・・。」



そして、何度も何度も自分の中で「ラッキー!」と言っているうちに、自分自身の気持ちががどんどん盛り上がってくるのがわかったそうだ。



そのままのノリで先輩にあれこれ話しかけたり、質問をしていると、きちんと答えてくれて、楽しくなってきたそうだ。



そして、「先輩ってちゃんと話してみるととってもいい人だということがわかった」というのだ。



その日の終業時に先輩からお茶でもしにいかないと誘われて、お茶しに行って仲良くなれました。



本当に嬉しかったです。三宅先生にもお礼を言いたいとのことだった。



研修の担当者も、私も、研修をコーディネイトしたくれたSさんも、涙が出そうなくらいに心温まったねと感想を述べあった。


私も含めて、研修とか学習に関わる人が一番報われる瞬間だ。



研修を受けた後の現場での実践を何よりも大事にしてきた私としても、本当に嬉しいし、成果の証明でもある。


しかし、こんな受講生がフツーに出てこないと私のパフォーマンス型研修も完成したとはいえないだろう。


もっと多くの人に伝えていきたいなと決意を新たにする今日この頃なのであった。