>『皮肉屋は人の良い特性を決して見ないが、悪い特性は決して見落とさない。梟のような人間で暗闇の中では油断なく見張って害虫を密かに狙うが光には目を閉じて立派な獲物には見向きもしない。』
H・ピッチャー
余所様のコメント欄
でおイタが過ぎたと反省し、いつもの月刊誌感想ですが今月は特にこれは!?というものがあったこともあり、雑感を記すだけでなくきちんと内容も一部抜粋しておきます。以下、延々と抜粋している「諸君」の対談は私のツボにクリティカルヒット♪この1本だけでお手元に置くだけの価値ありです。
読む際にひとつ頭に思い浮かべておくと面白いかと思うのは、「治安」(ちなみにここには色々と当て嵌め可能ですが一例として)問題とパラレルに捉えてみるということ。ここでは「環境保護」が錦の御旗となっていることに批判を加えていますが、「子どもの安全」が錦の御旗となっていること、あるいは費用対効果の視点が欠如していること、ありもしない危機を煽っている奴輩がうじゃうじゃいること、結局、最後は教育で学力崩壊している上の世代に見切りをつけて下の世代に希望をということなど同種の構造問題がそこには見出せることでしょう。
以下、諸君2007年2月号
より、
『アスベストが「猛毒」だって!?』
環境危機の俗論を正す~池田清彦(早稲田大学教授)渡辺 正(東京大学教授)~「地球にやさしい」を錦の御旗に横行する「環境ビジネス」「環境原理主義」にご注意を!(+その他記事についてもメモ程度に)
渡辺
>環境リスク学の第一人者の中西準子さんが、『環境リスク学―不安の海の羅針盤』で示した計算によると、年に何十億円も使う全頭調査などしなくたって、感染する可能性のある日本国民は、百年間に一人以下。
(中略)
>天然のものに対して無防備なところは多々ありますね。植物にしたってキノコやトリカブトを食べて死ぬ人だっているのに、人はなぜか自然なものには甘くなる。天然物はよろしいが、合成物は危険という単細胞的発想は、依然として根強い。「遺伝子組み換え食品」への危惧とか…。
狂牛病に関してはもう10年ほど英米の推移を見てからでもと思います。福岡伸一教授が指摘しているようにリスクがどれほどのものかまだ具体的なところは分かっていないですし。
(中略)
>実際アメリカだと、トウモロコシやダイズは七、八割が組み換え食品で、もう三十年くらい食べてきています。いうなれば壮大な人体実験ですが、それでとてつもない事件が起こったという事実も無い。生態系に従来存在しない遺伝子が出ておかしなことが起こるのでは、とい心配する人もいますが、普通の田畑で近縁の種の花粉がいろいろと飛んできて、交配するのも同じことでしょう。
(中略)
>スーパー・ウィード(超雑草)と化す。ただ野生に出て、除草剤が撒かれない環境になったら、そんな余計な遺伝子を抱えている理由はないわけだから、彼らはその特殊な遺伝子を使わなかったり、遺伝子がいずれ消えていったり。
遺伝子組み換え作物に関しては、人類は植物を都合のいいように変えてきたという歴史を踏まえればそれほどの抵抗感を示すほうが不思議です。その意味で身の回りにある食物は総て遺伝子組み換え食物ですね。
池田
>むしろ「遺伝子組み換え」でできた特別いい種子をグローバル企業が囲い込んで、従来型の農業を営む途上国の農民の生活を圧迫するかたちで、国際間の競争力に差が出てくることが問題だと思いますね。アメリカの多国籍農業資本は儲かるけど、たとえばアフリカやインド、東南アジアの農民が、その種を買わないことにはどうにもならなくて、より貧困になっていくとか、そういう懸念はある。
(中略)
>ただそうなると、もはや環境の問題じゃなくて、政治・経済の問題だからなあ。
痛烈な皮肉ですね、科学的な部分と政治的な部分は切り離して評価しないとわけわからないことになりますがここをごっちゃにする人がいかに多いことか。科学的・論理的な部分で指摘を受けると風潮やら空気やらに正当化する後ろ盾を求めるとかね。
(中略)
渡辺
>日本の環境問題をふり返ると、五〇~六〇年代の高度成長期には、光化学スモッグや水俣病をはじめとする公害など、本物の環境汚染と被害が発生していました。これは大変だとみんなが自覚し始めて、七一年に環境庁が生まれ、七四年に国立公害研究所(現・環境研究所)もでき、企業や自治体も環境対策の部署を作った。そうして必死に取り組んだ結果、輝かしい成果をあげ、バブルが始まる八五年ごろには、打つべき手はすべて打ち、空気も水もすっかりきれいになった。しかし、その頃には、‘環境’で食べている人たちの数が、お役所でも民間でも、ずいぶん増えていたんですね。そういう方々はやることがないと困るから、新しい仕事のタネを探さなきゃいけなくなった。
(中略)
池田
>さすがに「自分たちの給料を捻出するために、環境ビジネスを作り出します」とは言えませんよ(笑)。
渡辺
>そこに絶好のタイミングで出てきたのが、八八年にアメリカのハンセンが訴えた「地球温暖化」だったわけです。以降、温暖化は現在にいたるまで、環境問題の大テーマであり続けています。当時の公害研究所の幹部が定年になられた後、「温暖化はまさしく天の恵みだった」としみじみ言っていましたよ(笑)。経団連の出した数字では、いま五十万人以上が、環境に何らかの形で関係のある仕事をしているといいます。
このやりとりでもうハートを撃ち抜かれました、さらっと環境史の勉強をさせてもらった上に心配したくなるほどのぶっちゃけw
(中略)
池田
>「地球環境」と「健康」、日本はこの二つの物語で、ここ十五年くらいはずっと走ってきてますよね。「国民の健康を守るためにタバコは控えましょう」「地球を守るためにCO2を減らしましょう」と政府や象徴が音頭をとれば、環境問題は錦の御旗になりますよ。
(中略)
>国土交通省が河川なら、農林水産省は里山の保全、環境省は原生自然環境や国立公園の保全というように、結局は縦割りで、自分たちの予算分捕りのために、環境保護という正義の御旗をぶっ立ててるのが実情ですよ。
渡辺
>そのためにも「地球環境は悪化中」というキャンペーンを張り続けなきゃいけない。それに安易にのるマスコミが国民に与える悪影響も無視できません。温暖化対策に関していえば、平成十八年度の政府予算で一兆円、来年度の概算要求は二割増しの一兆二千二百億円です。しかし金を使って、CO2の排出量が減るわけはありませんよね。金は人間活動に回り、人間活動とは基本的にエネルギーを使うことだから、使ったぶんのCO2が必ず出る。小学生でもわかる理屈なのに、いったい何を考えておられるのか…。
目から鱗です!確かに対策と言う名のエネルギー消費がさらに環境を悪化させかねません>< しかし環境に対する悪影響については慎重な両者なのにマスゴミの悪影響は素直に認めています。
(中略)
>環境省がこの冬もCO2排出削減をうたって、オフィスの暖房を原則禁止して、八十四トン削減すると言ってますね。これを聞くと、うちの家族や学生たちは、「おーすごい」というんだけど、国民一人あたり一年に出すCO2が十トンだから、たったの八人分に過ぎない。しかも環境省が暖房をとめている間、東京電力の発電所がその分のパワーを落とすわけじゃないから、この八十四トンも、とらぬ狸のなんとやら…。
数字のマジックキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
渡辺
>ぼくは温暖化をあまり信じていないし、たとえ温暖化が事実だとしても、地球環境にとって果たしてマイナスなのか疑問をもっていますが、もし、CO2が増えると地球が温暖化して危ないというストーリーが成り立つのであれば、肝心な根元をいじるしかない。
(中略)
>しかし現実は、石油はほとんど政治的な要因で採掘量をコントロールされているし、石炭と天然ガスも似たようなものでしょう。だから省エネ機器は、消費者にとっては電気代が助かる、家計が助かる、そこまででいいんです。その先はウソ。どこかのCMみたいに、省エネすると青空がパーッと出てくるなんてウソっぱちを垂れ流すのがよくない。「京都議定書」についても、あの約束に関係する国々のCO2排出量は世界全体の約三割。うち約五パーセントを減らそうという話ですが、すると全体の排出量の約一・五パーセントを減らす話でしかない。今のところ無理そうですが、かりに議定書どおりに運んでも、化石燃料を掘り続けるなら、百年後にやって来るはずの状況が、百一年後に必ず来るだけ。だから温暖化の‘防止’などありえず、ほんのわずかな‘先送り’だよね。『環境危機をあおってはいけない―地球環境のホントの実態』を書いたビュルン・ロンボルグさんは、「京都議定書でCO2の排出を何割か削減するために五兆ドル使うのなら、それを発展途上国の上下水道設備や教育のために使うほうが効果的だ」と指摘しました。衣食が足りてくれば、環境に関心を持つようになるからと。
・・・。京都議定書についての不明を恥じます、まさに地球規模の環境問題はすなわち貧困問題なんですね。
(中略)
>温暖化問題をサイエンスだと思ったら大間違いなのに、それをいかにもサイエンスの話らしく見せかけて、ありもしない危機を煽っている人たちが、お役所にも大学にもゴマンといますね。
治安悪化、いじめ、学力低下、脳内汚染…。
池田
>CO2の問題は、このまま掘り続けていって石炭・石油・天然ガスがなくなれば、一件落着するでしょう。その時点でCO2は増やそうと思っても増やせない。そうなるとあとは木を使うしかない。木はもともと生態系の一員で、燃やしてもCO2は炭酸同化(光合成)で元に戻るから、環境にさほどの問題はない。木を燃やしている限り、CO2のマイナスとプラスのバランスはとれる。
(中略)
渡辺
>植物の形で固定される太陽エネルギーは、われわれが現在使っているエネルギーの十倍近くあります。人間が今のまま化石資源を掘り続けると仮定して、石炭まで計算に入れればあと三、四百年はもつ。その間に、世界の人口もいまの六十五億から三十億人台で安定するんじゃないかと思います。そうなれば、光合成で固定される植物エネルギーだけで十分やっていける。
あまりの身も蓋もなさに爆笑。しかしこの人口逓減見通しは何に基づいているのかが分からない。ハルマゲドンのような第三次世界大戦を前提にするわけでもなく、減るという予測は目にしたことがないです。
池田
>有史以来の地球の人口の推移を見ると、エネルギー革命が起きたときに人口増加率にギアチェンジが起こっています。ゼロが延々とつづいていた人口の増加率がはじめて年に〇.〇七パーセントにはね上がったのが、いまから八千年くらい前のこと。
渡辺
>農耕と定住がきっかけですね。
池田
>そうです。それで紀元元年くらいに人口が三億になり、その状態がずっと続いてきて、十八世紀の第一次産業革命で石炭を使うようになってギアチェンジが起き、人口増加率は〇.八パーセントになった。もう一度それが起きたのが、二十世紀に石油を使うようになったときです。人口増加率は年一.八五パーセントに上がり、二十世紀初頭の人口は十六億ぐらいだったのが、いまや六十五億…。
お勉強になるので¢(・ ・*)メモメモ
(中略)
池田
>いまの農業のやり方がよくない。アメリカなんかは塩害のせいで、あと五十年か百年したら農業ができなくなるんじゃないか、ぼくが心配しているのはそこなんです。日本は昔から米を作ってきましたが、これは塩害が起こりにくい、持続可能な農業です。地表に水を流すのがいいんです。
(中略)
>これに対してアメリカの小麦みたいな大規模農業の場合は、乾燥した土地に一気に大量の水を撒く。灌漑にしても、地下水を吸い上げるにしても、ほんの少しの塩分が含まれているから、水を撒いたあと蒸発すると、塩分が土に溜まっていく。これは何百年という単位で見たときに必ず農業ができなくなります。メソポタミア文明が滅びたのも、基本的にはこの塩害のせいです。ですから、作物も将来的には塩に強い品種に改良していかなければ、人類が生き延びるのは無理かもしれません。そこで力を発揮するのが、遺伝子工学ですよ。そのとき「組み換え食品は食べたくない」ったって、食わなきゃ死ぬんだから…。
あとは動物性たんぱく質として虫を食べれるようにならないといけないのでしょうかorz(たんぱく質の生産効率として牛は作るのに必要とする穀物量を考えると論外ですからね)
渡辺
>水のことをあれこれ心配して浄水器をつけたり、ミネラルウォーターしか飲まないという人もいますが、東京の水はたぶん世界の都市の中で一番いい水だと思うんですね。自動販売機のドリンクなんて、百万キロワットというじつに原発一基分の電気を使っているのも大問題だけど、実質、水道水の千倍、二千倍の値段なのに、あんな高い水をみんなよく飲むなあ。
(中略)
池田
>浄水器もフィルターをこまめに取り替えないと、よけい汚くなる(笑)。だから直接、水道の水を飲んでるほうが、安全といえば安全ですよ。
飲料メーカーへの営業妨害キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !ミネラルウォーター買うような奴は環境に厳しくさらに金銭感覚がおかしいと…これからは水道水飲みますw
(中略)
池田
>渡辺さんもそうだろうけど、ぼくがこんなに好き放題しゃべれるのも、大学以外、どこからも金をもらってないからですよ。以前は環境省に頼まれて、生物多様性の調査で大英博物館やオーストラリアに行ったりしてたんですが、外来種問題について、「特に心配する必要はない、ブラックバスの駆除になんか税金を無駄遣いするな」と政府のやり方に文句を書いたとたん、声がかからなくなりました(笑)。
・・・坂元教授。・゚・(つД`)・゚・ 。
(中略)
>生きた外来種を輸入制限すりやり方には、ホワイトリスト方式といって、入れてもいい生物種を最初にリストアップしてあとは原則禁止にやるやり方と、逆に禁止する生物種をリストアップし、残りを輸入可とするブラックリスト方式があります。ブラックリスト方式だとリストにない種が入ってきて、あとで問題になる恐れがあるけれど、ホワイトリストだとそれもないし、規制としてはより強い方法なんですね。外来種から日本の在来種を守るというのが目的ならば、明らかにこちらのほうが簡単なはずです。
(中略)
>でも、環境省が採用したのは、なぜかブラックリストの方なんです。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
渡辺
>それで今になって、ブラックバスを駆除するとか言ってるじゃないですか。
池田
>すでに日本の野に定着した外来種を駆除するのには、ぼくは反対なんです。現実に駆除の対象になっているブラックバスやアライグマに滅ぼされた在来種はないんだし、日本全国の湖沼や河川に広がったブラックバスを駆除しようたって絶対にできないですよ。
ここは池田氏の主張についてあらぬ語弊をもたれないように何度も指摘、強調しておきたいところ。入れる前は厳格にホワイトリスト方式でやるべきだが、一度入れて根付いてしまったならばあとの祭りに過ぎないのだから、そのままの現実を環境として受け容れろと仰っているだけです。
渡辺
>水を干さない限り無理ですよね。
池田
>琵琶湖の水を干すのに、どれだけ金がかかるか考えてみろといいたいですよ。それを省みずに、「今年は○万トン駆除して成果が上がりました」って環境省の役人は言うんだよね、きっと。だけど、来年になればまた元にもどる(笑)。
環境省の役人だけではなく、確実に善意の自然保護団体をも含めて嘲笑しています…さすがにクレームきそうです。
(中略)
>結局は駆除費用という名目の利権のためにやってるだけなんだから、無駄だと言っているんです。
アッヒャッヒャ!ヽ(゚∀゚)ノ ㌧㌦! ㌧㌦!
池田
>東京都もカラスの駆除を一生懸命やっていますが、あれはごみの量、つまり食べ物を制御すれば減りますよ。ただそのごみをどうやって処理するかが、より重要な環境問題なんだから、有機物が東京湾にそのまま出て、富栄養化になって赤潮が発生するとか、ややこしいことが起こるより、カラスに食ってもらって、山や森に帰って糞をしてもらうほうが、環境が汚れないという面もある。でも、カラスが家の近くをうろつくのは嫌だ、カラスが糞をするのは嫌だって、それは人間の勝手な理屈なんでね。頭を切り替えれば、カラスがいっぱいいるほうが、環境にやさしい都会ともいえますよ。北京もロンドンもカラスいないもん。
・・・これまた指摘されてみれば仰るとおり!としか言いようが無い。石原なんてそれで環境保護と観光の両立とかほざいてガラパゴス諸島に大名旅行するぐらい環境について一家言もっているくせに何しているんだら、いや本当に4月の都知事選が楽しみですヽ(`Д´)ノウワァァン!!
渡辺
>いま日本の大学に、環境と名前がついた学部や学科が八百ぐらいあるそうですが、果たしてこれ以上、環境を仕事にする人間が食っていく余地があるのかどうか、難しいところです、また、子どもたちが科学的とはおよそ言いがたい環境教育を受けている。たとえば、酸性雨については〇四年の六月、二十年間にわたる調査の結果、雨の酸性度はいっさい変わっていないし、被害もなかったという環境省の最終報告が出たにも拘わらず、依然として教室で語られたり、地球温暖化のような真偽もあやしい話が入試に出されたりしていて、これはまさしく洗脳ですよ。
この酸性雨のくだりは本当に驚きでした!まるで少年犯罪の推移みたいに一般に公開されているにかかわらず、ほとんど認知されていない重要な情報です!
(中略)
池田
>ドイツでは、オオモンシロチョウとモンシロチョウ以外の蝶やそれ以外にも珍しい昆虫は採集禁止なんですよ。
渡辺
>じゃあ、ドイツには昆虫採集というジャンルはないんですか。
池田
>昔はあったんだけど、緑の党が強くなってからそうなった。そこまでいくと、もはや環境原理主義ですよ。いま、一番腹を立てているのが、高尾山に圏央道を通す計画です。ぼくはトンネルを作らせない訴訟の原告になっているんです。まあ、裁判は負けるんだろうけど、かたや東京都は、「高尾山の自然は大事なので、昆虫採集は禁止にしたいんですがどうしましょう」って言ってくるんだよ。ふざけるなですよ。
(中略)
渡辺
>しかし、虫捕り禁止にはどいういう利権が絡んでるんでしょうね。
池田
>タバコを吸うなっていうのと似てるんじゃないですか。権力は何かの物語を作って、コントロールしたがるから。
渡辺
>虫捕り禁止係というポジションができるわけだ。
池田
>シジュウカラが一日で捕る虫の量さえ、ぼくらは一年かかっても捕れないと思うんだけどね。そういう瑣末なコントロールだけがきつい、本末転倒の世の中になっている気はしますね。
これまた凄まじいまでの皮肉です。これ以上のコメントが浮かびません><
(中略)
渡辺
>いまだに残留農薬の話題が、ときどき新聞に出ますね。基準値の何十倍オーバーで食中毒やがんの恐れがあると言うんですが、保険所経由で厚生労働省が公表している食中毒の統計を見ると、だいたい一年間に患者数は三万人。その原因は、農薬や食品添加物なんかじゃなく、ほぼ一〇〇パーセント天然物によるものです。〇四年の秋、北陸や東北でスギヒラタケを食べて、二十人程亡くなりましたね。あれを厚労省はいまだ統計に載せていないんです。
(中略)
>自然の食物には自然の毒素が必ず含まれていることを、現代人は忘れてしまっています。コーヒーにもジャガイモにも危険物質は含まれていて、リスクの度合いでいえば、ダイオキシンや環境ホルモンよりずっと危ないんです。
(中略)
>不思議なのは、タバコが肺がんの唯一の原因みたいに言われますが、統計を見ると、日本人の喫煙率がピークだったのは、四十年前なんです。その頃は男性の約八五パーセントが吸っていた。以降、喫煙人口は単調減少していて、男性の喫煙率が五割をきった現在も、肺がんの発生率は上がり続けている。タイムラグにしては長すぎますが、車の排ガスも効いてるんでしょうね?
池田
>車ですよ。養老(孟司)さんがよく言及していましたが、五十年近く前のロンドンと中国の肺がんの発生率を調べたら、ロンドンの方が何十倍も高かった。タバコを吸う人間の数は同じようなものだったに拘わらずです、要は、当時のモータリゼーションがまるで違っていて、ロンドンは車社会が進んでスモッグだらけだったけど、中国ではまだ車が多くはなかった。
車規制マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン交通事故死は減少したとはいえ年間6000人だし、肺がんとかもう危険すぎるんですが!
(中略)
渡辺
>ある程度は毒が混ざっても問題ない、という感覚が大事だと思うんです。われわれの体内には非常に優秀な解毒装置があって、摂取量や体内量のあるレベルまではリスクはゼロなんです。そのレベルを超せば中毒になったり死に至ったりするけれども、それまではずっと横ばいでゼロなんです。摂取量に比例して、右肩上がりにリスクが上がるわけじゃない。ところがどんなに量が少なくても危ないだろうと考える人がけっこう多いんですね。それがダイオキシンや環境ホルモンの空騒ぎを生んでいる。たとえば、ぼくらがいま吸っている空気は、一回の吸入で約五百㏄です。この空気の中に鉛の原子が五十億個以上、水銀の原子は三千億個以上。縄文時代もたぶんそんなものだから、身体にリスクがあると考える必要はない。日本で危険レベルに一番近いのは、カドミでしょう。日本の地層にはカドミが多いので、米一粒に五兆個くらいのカドミ原子が入っていて、その二十倍がイタイイタイ病の発病レベルですが、カドミ以外の物質に関しては一切ゼロレベルです。
不安よりもこの種の安心をもたらす言説の方が昨今の風潮では遥かに発言者としてリスクをとっています、そのことを正当に評価すべきです。もっとこのような安心言説が伝播して欲しいと切に思います。
(中略)
渡辺
>環境問題をめぐるテーマはこれからも次々に出てくるでしょうが、ダイオキシンがいい例で、危ない危ないと言われて国民がそれを鵜呑みにして特別措置法なんかが一度成立してしまうと、その法律の下で土や空気や水質のムダな調査に、年間数十億円の税金を使い続けることになる。それを阻止するためにも、いたずらに環境危機の不安を煽る諸々の声に容易に惑わされない科学的知識をもつ。それこそが、真の環境保護への大きな一歩となるでしょう。
これが結論です、特に目から鱗、あまりにも素敵過ぎる言い回し部分を抜粋しただけですので是非是非一度は読んでもらいたい対談です。ここで示されている立脚点から環境問題に接していけばいいのではないでしょうか?
参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/348485/
(「ダーウィンの悪夢」の感想で書いた程度のことは甘すぎてカヌレお替りしちゃいますw)