■ご質問内容

5日目と6日目の胚盤胞では妊娠率が違うと思いますが、5日目の胚盤胞を初めて移植した時は、胚移植をする日程について3日くらい候補日を言われて、たまたま自分の休みだった日に移植して妊娠に至りました。


次の移植は6日目の胚盤胞になると思いますが移植する日は、胚盤胞を凍結した日が5日目であったか6日目であったかで移植日を調整するのですか?       

 

■当院からの回答

胚盤胞の凍結日が、採卵から5日目であっても6日目であっても移植日は同じです。


ホルモン補充療法の融解移植では、月経開始3日目から卵胞ホルモン貼付薬(エストラーナ)を開始し、黄体ホルモン剤の開始から6日目(月経周期18日目から30日目までの期間内)に移植することを基本としています。

 

排卵周期の融解移植では、排卵日(LH検査から判断)を0日として5日目に移植します

 

かなり以前には、国内外で6日目胚盤胞は5日目胚盤胞より1日遅く(つまり黄体ホルモン開始から7日目)に移植していました。この方法では子宮内膜の成熟が進んでしまって胚の状態との間にズレが生じ、5日目と6日目の融解移植成績に開きがありました。採卵6日目に凍結した胚盤胞も、同じように黄体ホルモン開始から6日目に移植するようになってから、着床率の差は縮まっています。

 

 ホルモン補充周期の胚盤胞融解移植の当院成績は、月経周期18日目から32日目までの期間内で移植日による差は認められませでした。

 

 

月経周期 28-32日目の移植 ■ では、月経周期18-22日 ■・23-27日目 の移植と比較し、有意差は認めないものの成績はやや低めでした。この要因としては月経周期 28-32日目で移植された方の平均子宮内膜厚がやや菲かった」ことから、「内膜が厚くなるまで待たざるを得なかった」ことが考えられます。

 

以下に文献報告を紹介します。

Hum Reprod 2018; 33: 905、

Fertil Steril 2019; 111: 1177

他の条件を合わせて胚移植日だけを無作為化し、凍結融解胚移植における移植日までの日数による成績比較を検討したところ、胚移植までの卵胞ホルモン補充日数が28日以下(月経周期30日目まで)であれば成績に有意差はなかったことを報告しています

 

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