Q.

人工授精後の生活は普段通りで良いとのことですが、

着床期に気をつけた方がいいこと、避けた方が良いことは特にないのでしょうか?

 

A.

人工授精後も通常通りの生活で構いません。


人工授精(子宮腔内精子注入)は、膣洗浄後に子宮腔内にチューブを挿入して0.2ml程度の精子液を注入します。


この操作に伴ない少量出血を認める場合があります。

膣からの出血がある場合や下腹痛(排卵痛かも知れませんが)がある場合は、夫婦生活は避けておいた方が良いと思われます。 


また、人工授精後5〜8日前後に受精卵(胚)が着床すると考えられます。この時期は、激しい運動や性交などの子宮収縮を助長すること、腹部を圧迫するようなことは避けることをお勧めします。

 

ただし性交があることは、着床期の子宮収縮、着床の妨害、胚の流出などのマイナス作用の一方で、男性側を受け容れる母体の免疫応答にプラス作用があると考えられています。

 

受精卵(胚)は精子のDNAを含んでいます。

臓器移植や妊娠などの際に臓器や胎児が拒絶されないために働く、調節性T細胞という免疫細胞がありますが、この調節性T細胞は着床期に子宮内膜で増加しています。


この免疫応答に性交は良い影響をもたらす可能性があると考えられています。


なので、着床期(排卵から5〜8日)を除いて、着床診断(排卵から14日目頃)まで性交はあるほうが望ましいと考えられます。

 

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