妊娠するためには射精間隔(夫婦生活)はどれくらいが良いのでしょうか?
①予想外に排卵が早くなったり、基礎体温が上昇していても未だ排卵していないこともあります。
このため、基礎体温表上の排卵日だけでなく、排卵日ころには夫婦生活があったほうがよいと考えられます。
毎日の連続射精は、肝心な排卵日に精子濃度の低下を招く可能性がありますので、1〜2日くらいの間隔が良いと思われます。
②禁欲期間が長くなると、精子のDNA損傷率が増加することが知られています。このため、排卵日以外にも、射精があるほうが精子改善に繋がる可能性があります。
③ 排卵後は受精には関係ないかもしれませんが、精液が女性体内に入ることにより免疫寛容となり着床が促進される可能性があるとの報告があります。このため、排卵後も夫婦生活があるほうが勧められます。 Science 1995; 270: 630 T cell awareness of paternal alloantigens during pregnancy.
調節性T細胞は、移植や妊娠などの際に、臓器や胎児が拒絶されないために(免疫寛容)働いている免疫細胞であり、着床期に子宮内膜で増加します。性交をきっかけに子宮内膜で調節性T細胞が増え、妊娠の準備をします。このスイッチとなるのが精液への暴露なのです。
ヒトでは排卵から着床まで1週間もあります。排卵期に限らず性交をもっているカップルのほうが妊娠率が高いという報告もあります。
人工授精や胚移植を行う周期にも
性交があるほうが良いと考えられます。
ただし、採卵周期では卵巣が腫大していると
卵巣捻転などのリスクがあることがありますので
注意が必要です。