ベネズエラ、危険だけど最高の自然遺産を持つ国(その2)
空港の到着ロビーはいつもドキドキだ。初めての国に足を踏み入れる時、いつも失敗したり、変なヤツに声をかけられたり、新しい空気に触れたり、いろんなことがいっぺんに起こる。初めてインドに行った時のデリーの到着ロビーは悲惨だった。両替したばかりの札束を抱えながら、インド人2,30人に囲まれてぎゃ~ぎゃ~言われて散々な目にあった。ベネズエラの到着ロビーはどうだろうか。到着ロビーはガラガラだった。これがまた僕らを不安にさせた。寄ってきたのはタクシーの運転手たち数人、ここで上手く彼らの中から良いヤツを見つけないと、今夜は空港に泊まることになってしまう。何人かと交渉したのだが、どうも初めての南米ということで、誰が正解か分からない。うろちょろしながら考えていると、タクシー運転手の親玉を発見した。親玉かどうかは雰囲気と周りとのやり取りを見て判断するしかないのだが、僕のバックパッカー経験から、親玉と仲良くなって、良いヤツを手配してもらおうと考えた。「Hey, Ciudad centro?(シティーセンターに行きたいのだが?)」と気安く声をかけた。舐められたらおしまいだ。彼は『ヘイアミーゴ、任しとけ』というようなことを言って、値段を言って来た。こういう時は下手に彼の機嫌を損ねないように、且つ、無駄金を持っている財布の緩いヤツに思われないように気をつけながら値段交渉をした。ほどほどのところで、OKを出すと、彼は一人のタクシードライバーに僕らの行き先を指示した。こういった国では白タクに乗らなければならないのだが、白タクの中でも組織だった運営の中で手配されたドライバーは完全なるフリーのヤツより信頼がおける。というのが僕の持論だ。確証は無い。彼は僕らをオンボロタクシーの乗せると、黙って走り出した。タクシーの中で妹にバックパッカーの心得を話した。1.タクシーはちゃんと指定した方向に向かっているか、地図はないから方位磁針で確認すること。周囲の看板にも注意。2.タクシーの中で無駄口をたたかない(ドライバーに警戒心の無い客と思われる)。眠るなんてのはもっての外。3.タクシーの運転手が無駄口をたたき出したら要注意。トラップをしかけてくる前触れなので警戒心を上げること。妹は黙ってうなずいて車窓から外を眺めていた。彼は無駄口を叩かなかったので悪いドライバーでなかったのだろう。予定通り僕らの指定した(予約していないけれど地球の歩き方に載っていた)ホテルに着いた。ところが、なんてことだろう、深夜(12時近く)に到着したそのホテルはやってなかったのだ。どうやらつぶれたようだ。これはピンチだ。だが、そんなこともあろうかと、ホテルが集まっているだろう地域のホテルを指定していたので、ドライバーに聞くと、向かいの方向を指差した。そこには似たようなホテルがあり、そこはどうやら(空きがあるかは別にして)やっていそうだったので、彼に「グラシアス!」とお礼を言ってリリースした。さて、今度のホテルはどうだろうか。部屋があるかどうか尋ねると、、、。『OK』の声。到着ロビーからの緊張がほぐれた瞬間だった。やっと見つけたホテル。妹の表情にも安堵の色が。到着したのは日本時間14時半だから深夜の1時半過ぎだったか。夜中パンパンと外で爆竹のような音が鳴ったのは気のせいだろうか。明日は今回の目的、ギアナ高地への入り口、シウダーボリーバルへ出発だ。翌朝、シウダーボリーバルに向けて空港へ舞い戻る。