[探索年月]2010年7月
高層マンションが数多く立ち並ぶベッドタウンの一角。
そこだけ時間が止まってしまったように時代に置き去りにされた割烹旅館。
この地はかつて「東京の奥座敷」と呼ばれる大きな温泉街でした。

今回の物件はこんな立地条件のところにあります。

正面の入り口。何やら太陽のようなかたちの装飾が施されています。

昔の船舶に使われていた木製の歯車がモチーフだと思われます。

中に入ってみましょう。草木が元気に生い茂っていますね。

割烹旅館らしい石灯籠。敷地はかなり広く、何棟かの離れがあるようです。

とりあえず目に付いた建物に入ってみますか。

おぉ、ノスタルジックな広間。戸から差し込む光がいい雰囲気です。

広間からほど近くに狭い浴場。レンガタイルがいい味を出しています。

客間でしょうか。見慣れた4本足のブラウン管テレビもあります。日本人形もw

いったん外に出ます。館内の造りが案外複雑で迷いそうです。

木戸に這う蔦。人工物と植物、いいですね(*´∀`*)

植物に覆われてしまった建物。これは行き過ぎw

狭く圧迫感のある家族風呂。とても足を伸ばせそうにありません。

旅館内の従業員スペースへ歩を進めてみましょう。

いい色に褪せた什器の数々。年月の経過を感じさせます。

埃の積もった机。案外きれいに片付いています。

書類やらソロバンやらが見えます。奥には重厚な金庫もあります。中は空。

素朴な表情のコケシと、味のある顔つきのダルマ。蜘蛛の糸がまたなんとも。

雄々しい顔をしたダルマも。迫力がありますね。

隣の部屋へ移動します。木戸の細工が素晴らしいです。

廃墟で引っ掻き回されていない室内を久々に見ました。

日本家屋の良さを感じられる丸窓。大きく入ったクラックが怖いですね。

簡素な造りの調理場。往時は大忙しだったことでしょう。

ズラッと並んだ徳利。東日本の大震災で倒れちゃったかもなぁ・・・。

手回し式ローラータイプの脱水機を備えた洗濯機。なんか哀しげですね。

ちょっと雰囲気の異なる部屋も。壁にかかったカレンダーは1999年のもの。

住居スペースだったのでしょうか。写真や本など色々なものがあります。

八角形を半分に切ったようなかたちの部屋。おもちゃが残されていました。

トロフィー。文字はかすれて読めません。

天井のデザインもモダンです。蛍光灯なのが玉に瑕。

飴色になったコンセントの差込口。なんかおいしそうじゃないですか?w

一番損傷が激しい建物。そういえば人為的な破壊は一切ないですね。

風化した障子紙。岐阜のS診療所の入り口を思い出しました。

木製のなにか。箪笥ですかね?手前に見えるのは臼ですね。

ふぅ、敷地外に脱出。ここが街のど真ん中だと忘れていました。

敷地外をぐるり。室内機と室外機が一体になった、かなり旧式のエアコン。

高層マンション、南米系の親子、そして廃旅館。それではまた。
ここは割烹料理を提供する旅館でしたが昭和55年頃廃業。
周辺は昭和30から40年代には70軒もの温泉旅館が犇めいていましたが、
現在は数軒の温泉銭湯が残りその名残を止めている程度となっています。
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【アルバム】割烹旅館I by (C)ふゅーりー
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