また前回に引き続き、東京女子プロレスについて未アップだった未完の文をアップする。

6/6の数日後にアップしようとしてた文。

 

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6/6、YouTubeの東京女子公式チャンネルに伊藤麻希の『みんな、聞いてくれ。』という動画がアップされた。

先日瑞希のプリプリ王座への挑戦を表明し7月のビッグマッチでタイトルマッチが決定したが、挑戦表明した理由をまだどこにも言ってなかった、と道端を歩きながら一人喋りの映像。タイトルマッチに向け1ヵ月アメリカに武者修行行ってくると言ってたんで、アメリカのどっかの道端らしい。

「伊藤と瑞希の間にある物語を終わらせようと思ったの。伊藤が瑞希からあのベルトを獲って、物語を終わらせたいなって」

俺は2021年から本格的に東京女子を観るようになったので、まぁそこから遡っていくつかの事は把握したんだけど、東京女子設立の経緯とか正式旗揚げ戦の前のプレ興行の頃とか、伊藤が入ってきた経緯とか。だから伊藤と瑞希の関係や展開というのはザックリは知ってるけどそれほど詳しくはなくて、で、ちょうどこの日か、YouTubeでGyroという外人ファンがアップしたらしい『ITOH THE ROCK - Maki Itoh vs Miyu Yamashita es una obra maestra – TJPW』という動画を見て、これがアイドルからプロレスラーに転向した伊藤ヒストリー及び伊藤と瑞希の関係について語ってる動画で、YouTube字幕ありだったんで字幕で見てて、YouTube字幕だからまぁヘンな訳ではあるんだけど、興味深い語りで、40分以上ある動画なのに一気に最後まで見た。たまたまその後にこの伊藤のコメント動画を見たんで、個人的にかなりタイムリーだった。

(2人の関係はざっくりコレコレで話した)

「なんか伊藤と瑞希との間にある関係って、エモいとかって言葉を使われて表現されること多いんだけど、(中略) 伊藤にとってそのエモいって言葉は、伊藤が瑞希に対してまだ成し遂げられてないものが残ってる感覚になるんだよね。2年前の夏のトーナメント、伊藤、瑞希から勝って、そのまま優勝したんだけど、それでもまだなおモヤモヤする気持ち、なんかこうまだ清算しきれてない何かがこう、あるんだよね。たぶんそれってベルトが絡んでないとたぶんもう消化出来ないんだろうなって思ったんだよ。(中略) 伊藤が瑞希からベルトを獲ってもなおやっぱりエモいとかって言葉を使われて表現されることは終わらないんだろうけど、伊藤にとって瑞希からベルトを獲ればその物語はもう終わったって自分の中で思えるから (中略) ま寂しく聞こえるかもしれないけど、これは伊藤が東京女子にいる間で必ず達成しないといけない事だと思うのよ。フィニッシュ ザ ストーリーですよ。わかりますか、フィニッシュ ザ ストーリー」

すると伊藤は笑みを浮かべるのだが泣きそうになりながら急に「伊藤さココに来てさぁビックリするぐらいさぁ英語まだ全然喋れない。ホントに友達も全然できてねェしマジで孤独」と全然違う話を始めて、この動画は終了する。

これを見て、あぁ伊藤ももう東京女子を出てく日が近いんだなと。

物語の終わり。「東京女子にいる間で必ず達成しないといけない事」

この発言からももう東京女子を離れることを示唆しているわけだが、それをなぜ挑戦表明した まだ都内にいた時でなくアメリカ発のメッセージビデオで言ったのか。伊藤も東京女子を卒業してアメリカに移るということだろう。

(にしても先述のファン動画、アップされたのが今年の2/17、今から3ヵ月前(伊藤が瑞希に挑戦表明する前どころか、瑞希がプリプリ王者になるよりもさらに1ヵ月以上前)にも関わらず、この日が来るのを予知してたかのような、万感に満ちた丁寧に振り返った動画である。

あとこの動画に入った外人視聴者からのコメントの中に「マキはミズキからタイトルを獲得すれば「物語が終わる」と言っていますが、正直に言って、この物語を「完全に閉じる」ためにこの二人にはもう一つやるべきことがあると思います。TJPWであろうと他社であろうとタッグタイトルを獲らなければいけないし、一緒にタイトルを獲ろうと約束していた。彼女らはその約束を守る必要があると思います。たとえタイトル防衛に成功しなかったとしても、そのとき、そしてそのときにのみ、二人はそこから先に進むことができると私は信じています。」というのがあって、これも感じるものがあった。)

…思えば伊藤の2021年の感動のプリンセスカップ優勝、2022年にはSKE48のステージにも上がった、出身地の市長も激励に来たしね、日本でやり残したことはもうほぼ無いのかもしれない。数少ないやり残してることの大きな1つが瑞希との関係の決着・着地なのだろう。

 

伊藤が日本を後にする理由…

たぶん伊藤は日本人が嫌いなんだと思う。伊藤ヒストリーを読んでもらうとちょっとわかると思うけど、酷い目に遭ってきた人生だったわけで、それは日本人の悪い意味での特質に因る。きわめて村社会的というね。そんな日本社会の中で伊藤はもがいて生きてきた。その酷さは俺もよーくわかるよ。

伊藤はそいつらを見返してやりたいという心情があったろうが、それならもう果たしてる。伊藤が東京女子に入る前に出会ってきた連中すべてが最早追いつけないところに今の伊藤はいるんだから。

なのに東京女子すら離れようとしている。アメリカの道端で「ビックリするぐらいさぁ英語まだ全然喋れない。ホントに友達も全然できてねェしマジで孤独」とまで言いながら。

なぜか?

日本人が嫌いだからなんだろう。伊藤が突き抜けた存在になっても、日本人の大半は村社会的で陰湿な奴が多く、東京女子はサンクチュアリだけど、その外の連中は相変わらずだ。伊藤はそんな日本を離れたくて仕方ないのではないか? もう日本はウンザリ、という。

いや本人がそういうこと言ってるの聞いたことはないよ? でも俺はそう察するんだよね…。

であるなら、まぁ伊藤についてはもう止めようがない。仕方ねぇなそれは。それならまぁ気持ちはわかるよ。

だから伊藤が海外志向なのは、山下や坂崎とは根本的にちょっと異なる動機だと思うんだよ。

 

とは言いながら… 山下や坂崎の話のエントリで言ったように、伊藤も世界中見渡してもオンリーワンの場である東京女子を離れたなら、“東京女子の伊藤麻希”は永遠に失われる。もったいないよなぁ…

稀有なプロレスラーである伊藤麻希の魅力は、海外では半減する。

それは国内でも、東京女子以外なら同様。伊藤が活きれたのは、東京女子の選手は個性的過ぎるから、バランスが崩れることがない、伊藤だけが悪目立ちすることはない。

また東京女子の選手は優しいし。イレギュラーな伊藤の個性も受け入れてくれたし、付き合ってくれた。この点も伊藤の開花に重要なポイントだった。

…もしかして優しい世界にも背を向けたい!?

伊藤がここまでのし上がれたのは、反骨心によるところが大きいだろう。東京女子に辿り着く前からそうだったが、

優しい世界の東京女子でも、当初の伊藤は実力的に弱いことを反骨心に据えてた。でも実力が上がっていって東京女子内でトップレベルになった時、最早東京女子内で反骨心を据えられるものがなくなった。

伊藤にとって最早“前へ進む”という事は、“茨の道を行く”という事と同義になってないか? 反骨心こそが伊藤の燃料でありエンジン。

東京女子内でそれがなくなったから、…まぁなんというか伊藤の人生でやっと辿り着いた平穏な境地なはずなんだよ。

ところが伊藤は海外という新たな茨な道を行く。そうでないと伊藤は前に進めない。枷がないと反骨心を発動出来ない。安穏とした状況に満足したら、伊藤の特徴の1つである攻撃性が損なわれる。自分自身としても心のポテンシャルを上げるものがないと鬱になりかねない。最早伊藤は止まれない。止まったら死ぬ。サメみたいなさ(苦笑) というのも伊藤の海外志向の動機?

平穏な境地に辿り着いたら、ハッピーエンドに至ったんだからそれでいいじゃんと思うけどね… でも伊藤はどうもそれをヨシとしないようだ。たぶんそこで満足すると自分が駆動出来なくなるから。

だから海外に移る。海外でやりきったら、あるいは潰れたら、もしくはオバさんになったら、その時やっと伊藤は止まるのだろう。

俺としては東京女子と海外とを両立してやっていってほしいんだけどね… でも伊藤のことを考えれば考えるほどに、これは本人の好きにさせてやるしかないんだろうなぁ、とも思う。

 

 

不思議に思ってることがある。不可解ともいうが。

山下は東京女子を離脱して海外に拠点を移すことが極めて濃厚、坂崎はすでに卒業&アメリカに移ることを発表した。そして伊藤も東京女子卒業とアメリカに拠点移すだろうことをこの動画で濃厚に示した。

坂崎の会見時の甲田の新陳代謝発言。

それなら山下・坂崎同様初期メンである中島・リカ、あと現在36歳で最年長の角田などはどうなるのか? 彼女らについては去就についての話は現時点では一切出ていない。

でも東京女子を名実ともに代表する選手である山下・坂崎・伊藤については排するような状況になっている。

甲田の言う新陳代謝とは単純に年齢やキャリアのことでなく存在感のことなのか!? 絶対的な存在というかもう完成された選手というか、には出ていっていただきたいという感じ? そういうことなのか?

甲田の新陳代謝発言の後に俺が思ったのは、だったら東京女子をもう1つ作るしかないのではないか?と。東京女子をAKBとか坂道とかみたいなアイドルグループ的に特化したような路線に1本化したいのなら、そこからあぶれるこれまでのなんでもアリの東京女子な選手でもう1つの東京女子を作る。高木が言ってたのとは異なる展開だけど、結果的には似たような事になる。

するとアブガ(プロレス)や若手・新人と、それ以外と、分裂することになる。当然中島・リカ・角田らは後者だ。

しかし現状はなんかそういう区分けでもなさそうな感じもする。一体甲田の真意はなんなのだろう?

 

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…というわけだけど、今回も、書いてからずいぶん経過してるので今現在との乖離がある。

坂崎の現状については前回エントリで触れたけど、

山下の現状もよくわからなくなっている。山下はもうほぼほぼ海外に移ること確定みたいな感じで、3ヶ月の長期遠征の後 一旦凱旋興行とかビッグマッチ出場で帰国するが、その後はイケればもう海外でやってくみたいな話だったのが、現状、以前のように日本と海外を行き来する日本←→海外平行スタイルをやってて海外に完全移行はしていない。これはどういうことなのだろう? 坂崎が長期欠場になったから急遽山下に打診して海外完全移行は先延ばし?

というか山下、先日プリプリ王座獲ったし!(ブラボーッ!)

どういうことなんだろう? 会社はもう山下・坂崎・伊藤がいないも同然の体制を展開し始めてたわけだから、坂崎欠場だから山下呼び戻したって話はないし。

それに同じく初期メンの中島やリカ、東京女子で一番年上の角田なんかについてはいまだ不穏な話はなく(中島に至っては8/17山下との10周年記念試合後に引退する気はさらさらないぐらいの勢いのこと言ってたし)、三十路は出ていってねということなのかというと一概にそうでもない?

要はもう“出来上がっちゃった”“一流になった”選手は外したい、未完成のコや絶対的なモノを確立してない選手、強過ぎない選手だったら居ても別にいいということなのだろうか???

 

ちなみに伊藤は2021年のプリンセスカップで感動の優勝を果たしてから、22年も23年もプリンセスカップに出場していない。

もう2度と出ないと思う。

あそこで、最高の思い出で終わりにしときたいんだろうね。また出たら今度は優勝できるかわからないし、というか伊藤的にはプリンセスカップはあそこでフィニッシュ、もう続きをやる気がないのだろう。映画で言うなら最高のラストシーンを迎えたのだから続編をやる気はないみたいなね。

そしてプリンセスカップにもう出ないというのは、日本マットから離れる意向も示唆してるはず。

 

あと次ね、10.9東京たま未来メッセ大会についても話したいんだよな。