【小説】オーバーロード 王国の漢たち | ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

丸山くがねさんの作品

オーバーロード再読です。

今回は、書籍版の第5~6巻の

王国の漢たちです。

漢と書いて「おとこ」と読みますね。

 

 

第1章 少年の思い

第2章 蒼の薔薇

第3章 拾う者、拾われる者

第4章 集う男たち

第5章 鎮火、舞い上がる火の粉

第6章 王都動乱序章

第7章 襲撃前準備

第8章 六腕

第9章 ヤルダバオト

第10章 最強最高の切り札

第11章 動乱最終決戦

 

外出自粛のGWに一気読み中です。

なんてことを書いてますが、実際にはそれよりも前から、第1巻から読み返していました。

以前、「不死者の王」(第1巻)についてはこのブログで書いています。

本当は第2巻以降も再読感想を書こうと思い、わざわざブログ内のカテゴリーに「オーバーロード」って項目まで作ったのですが、仕事が忙しくて頓挫してた現状です。※再読はしてますよ。

第2~4巻までの紹介をすっ飛ばして、第5~6巻の再読感想を書くのは、単に最近、漫画版の第13巻を読んだのが理由です。

漫画版の第13巻で「王国の漢たち」編が完結したので、それに合わせて書籍版を一気読みしちゃったわけですね。

 

ちなみに、今回のBGMも……

メシュガー一択でお願いします。

オーバーロードにはデスメタルが良く似合うっ!

とか、そんな理由ではなく、単に収録曲の「デミウルゴス」って曲がキャラクター名そのまんまだからって、そんな安直な理由です。

 

今回の「王国の漢たち」は各エピソード毎に時間軸が表記されてます。

例えば、ブレインとガゼフが再会するプロローグは、「下火月(9月)1日、14:15」って感じです。

これにより、各エピソードの時間軸が確認しやすくなっていますね。

と、言うのは、今回のストーリーは「群像劇」風に様々な登場人物にスポットが当たり次々と場面が切り替わっていくからなんですね。

各エピソードで時間軸が前後します。

 

王国の漢たちのストーリーについては、漫画版13巻の紹介で書いた

https://ameblo.jp/funkygremlin71/entry-12593280068.html

をご参照ください。

 

さて、再読です。

すでに読み終えた第1~3巻。

※第4巻に関しては、ごめんなさい、再読する気にはなってません。

第4巻の「蜥蜴人の勇者たち」は、イマイチ楽しめない…って言うか、面白いには面白いんだけど、今後の展開には関係無いエピソードな気がして、再読は……スルーしちゃいました。

今回は、第2~4巻飛ばしの「第5~6巻」です。

※第2、3巻は機会があれば書こうと思っています。

僕的に、オーバーロードで群を抜いて面白い話は、第2巻「漆黒の戦士」と第5・6巻「王国の漢たち」だって思っています。

ストーリー自体、大きく繋がった展開だもの。

 

ただね、今回の「王国」編、前・後半で約700ページのボリュームです。

初読み時は、あまりのボリュームに、飛ばし読みする部分が多かった気がします。

まあ、理由は多々ある気がします。

ひとつは、僕が普段、あまり読書をしないこと。

ひとつは、オーバーロードって作品の文章が分かりにくいってこと。

だってラノベだもの。なんて言うと、ファンの皆様に怒られそうな気がしますが……。

再読は、飛ばし読み無しで、丁寧に読んでいます。

 

僕が「王国」編が面白いと感じるのは、ストーリーやキャラが魅力的なこともありますが、第1~4巻までに登場してた伏線が回収され始めたことですね。まあ、新たな伏線も登場してますが。

 

「ぷれーやー」の血を引く神人だとか、国堕としと呼ばれた吸血鬼だとか、それぞれの強さの基準(差)だとか、初読み時でも面白かった内容ですが、飛ばし読みをせずに読んだことで、今まで以上に楽しむことができました。

 

そして、飛ばし読みをしなかったことで、漫画版の間違い(?)や誤解を生む表現(?)、分かりにくい点などにも気づくことができましたね。

アニメ版は観てないので何とも言えませんが、漫画版で表現できてない部分はアニメでも表現できてないのではと思います。

 

先ず、ツアレに関してですが。

これは、まあ、書籍版だから……という内容ですが、セバスが保護しソリュシャンが介護する際に、どうやらツアレが「妊娠」していたっぽい表現が登場してますね。初読み時は気がつきませんでした。

いや、もしかすると……ラノベが対象にしてる世代の皆さんは読んでも「???」な表現かもしれません。

 

ちなみに、第2巻「漆黒の戦士」に登場する冒険者ニニャとツアレが姉妹だってことが「王国の漢たち」で判明します。

僕は第2巻を再読した際、「漆黒の剣」は男ばかりのチームって台詞があるので、ニニャは男だったのかって誤解しましたが、やっぱりニニャは女性だったのですね……。

 

面白いなと思ったのは、セバスが「裏切りの容疑」をかけられ館で尋問される際……最初に登場したアインズが実はパンドラズ・アクターの変装だったってことです。

初読み時は「???」でした。

「意味ありげで意味の解らない文章だな」って思って、別の解釈をしてた部分もありましたね。

先ず、アインズが「自分はセバスの支配者だ」とツアレに自己紹介した際、セバスはその言葉にあまり歓喜できないって疑問に感じる場面、そしてアインズが「お前は至高のお…四十一人に従う犬か?」と言い直す台詞ですね。

実はこの時のアインズがパンドラズ・アクターの変装だって知ると意味が分かります。

パンドラズ・アクター、「至高の御方」って言いそうになったのね。

セバスがアインズの言葉に歓喜できなかったのは、ツアレの命が掛かっていたからじゃなく、相手が偽物だったからなのね。

 

偽アインズが立ち去る際、アインズはローブを舞台役者(アクター)のようにひるがえし、妙に演出染みた退出のしかたでセバスを呆気にとらせたって書いてますね……初読み時は完全に飛ばし読みしてました。※変装だとは明記されてませんので。

このパンドラズ・アクターの変装、後の巻にも登場しますね。

これでアインズが館に再登場した際の不可解な台詞や行動の意味も納得がいきます。

 

この「王国の漢たち」、タイトルに反して……と言いますか、第6巻に関しては「漢」ではなく「女」が主役と思わせる展開……いやまあ、とにかくキャラクターが大活躍ですね。

実際には「漢」たちが頑張ってるストーリーなのですが、冒険者チーム蒼の薔薇のメンバー、国堕としイビルアイの登場で、全部持って行かれた感じです。

正直、僕の心もイビルアイに持って行かれました……。

仮面の魔法詠唱者イビルアイです。

この作品を知らない方は「???」だと思います。

なぜこんな仮面をかぶったキャラに心を持っていかれるのか?

ラノベですもの、想像できますね。

あれですよあれ。

地味なメガネ娘がメガネを外すと美人だったって……。

 

いや、実際には、作中でイビルアイが仮面を取るシーンは登場しません。アニメでは仮面を取るのでしょうか?

イビルアイの素顔が登場するのは、書籍版おまけグラビアと巻末のキャラクター紹介のページのみです。

webでイビルアイの画像を検索すると……

こんな感じで、仮面の下のセクシー美女の顔ばかりが描かれてます。

ちなみにこれはイビルアイのフィギュアですね。

※念のために言っておきますが、書籍版ではイビルアイの仮面が割れたりストッキングが破れてセクシーイビルアイになったり、そんなシーンは一切登場しません。そもそも書籍版のイビルアイはセクシーの欠片も無い描かれ方をしていますね。

フィギュアに興味の無い僕は、価格を見て仰天しました……。

フィギュアって、3000円くらいで買えるって思ってたよ……。

 

ちなみに、こんなこと言うと「偏見だあっ!」ってアニメ好き同僚に怒られそうですが、こういう作中に登場しない場面のセクシーフィギュアが売ってるから、以前はアニメ好きが(キモイ)ヲタク的に思われる風潮が強かったんじゃないでしょうか?

 

このイビルアイ、既に第3巻辺りから名前だけは登場しています。

※web版とこんがらがってるかもしれませんが。

200年前に「国堕とし」と呼ばれ、たったひとりで国を滅ぼした最強の吸血鬼が居た……って。

確か、シャルティアとブレインが戦った絡みだったと思います。

シャルティアは「国堕とし」に関係あるのか? みたいな感じで冒険者組合がザワついてた気がします。

 

「国堕とし」イビルアイが蒼の薔薇のメンバーになり行動している理由についての明記は無いですが、会話の中で少しだけ登場してますね。

ブレインに「だからあのババァに負けるんだ」みたいな皮肉を言った際、チームの仲間から「お前も負けただろ」ってツッコまれてましたね。イビルアイは強がって言い訳してましたけど。

どうやら、イビルアイは「蒼の薔薇に居たババァに負けて仲間になった」ようです。※今後の伏線ですかね?

 

ちなみに、吸血鬼で不死者のイビルアイは特殊な指輪をすることで正体を隠してるって表記も登場してますね。これは書籍版のみ※web版・漫画版には登場しない設定だったと思います。

※そもそもイビルアイが不死の吸血鬼だって説明も作中には(あえて)ほとんど登場しません。第6巻の後半辺りから登場しますが……。

 

そして「体も精神年齢も成長しない」って表現。

これは蒼の薔薇の仲間が、すぐにムキになるイビルアイの性格を皮肉って言う言葉なのですが、実際に作中で一度だけ、イビルアイの肉体が12歳だって表記があります。

確か、モモンの気を引くため「女の武器」としてベタベタとカラダをすり寄せた際に、流石に12歳のカラダでは気を引くのは無理か……って、イビルアイがガックリしてたシーンがありますね。

約250年以上生きている、12歳の不死の吸血鬼イビルアイです。

※男に頼らずとも強くなればいいと、いわゆる「男を堕とす知識」を学ばずに過ごしたことをひたすら後悔してるイビルアイでした……。

「国は堕とせても男は堕とせない……」みたいな?

 

僕がイビルアイに心奪われたのは、いわゆるギャップ萌えってやつ?

 

初登場時、無口で横柄で冷徹な最強の魔法詠唱者として登場したイビルアイが、デミウルゴス扮するヤルダバオトと戦い絶体絶命のピンチに陥った時……

目の前に現れた漆黒の英雄モモンの強さに一目惚れし、200年ぶりに乙女のような気持になり、なんとかモモンの気を引こうと空回りしながら奮闘する姿……

それに対するモモン(アインズ)は、「イビルアイのアタマを真っ二つにして殺そうと思った」ってくらい正反対の感情……

だってイビルアイが戦う相手は全員モモン(アインズ)の仲間だもの。

まあ、そんな理由で、イビルアイがモモンに向ける恋する乙女の熱い眼差しは全てモモンを怪しむ監視の目って思われてたしね。

 

ただ、この心情は漫画版では上手く描き切れてなかったですね。

※web版には漆黒のモモン自体が登場しないの恋するイビルアイも登場しません。

って言うか、漫画版は書籍版のように「なぜこういう行動をとった」、「なぜこんな台詞を言った」という説明が無い為、意味の分からないシーンや台詞が多くなってしまったり、別の意味に解釈される部分がチラホラあった気がします。

書籍版を再読し、漫画版では違う解釈をしてた部分に色々と気がつかされました。

 

ちなみに、今回、登場キャラの強さがある程度明記されました。

 

先ず、アダマンタイト級冒険者(蒼の薔薇)の強さが約90レベル。

※ガゼフやブレインも同程度だと思います。

※Web版や書籍版の第1巻で、35レベルのデスナイトが伝説のアンデッド的に紹介されていたので、兵士や一般冒険者のレベルはかなり低いようですね。いや、アダマンタイトが特別ってことですね。

戦闘メイドの強さが約140レベル。

イビルアイ(最強の吸血鬼)が約140レベル。

※ナーベも戦闘メイドなのでイビルアイと同等の強さなんですね。

デミウルゴス(階層守護者のひとり)の強さが200超えレベル。

※同じ階層守護者でもシャルティアセバスはもっと強いですね。ただしスキルや魔法や特殊効果などなど、それぞれの戦い方があるので、実際に戦うとどちらが強いか……は分かりません。

アインズは、単純戦闘力はシャルティアと同じくらいの強さですが、底なしの魔力(MP)と使える魔法の数がハンパないようです。

 

実はこの強さも、何気に伏線になっている気がしますね。

200年前、13英雄と共に戦い魔神を倒したイビルアイ……。

つまり、魔神は戦闘メイドレベルってこと?

※第1巻でアインズが、魔神を倒したと言われる天使を一撃で瞬殺したってことは……、魔神の強さはその程度ってこと?

※魔神の正体は、かつてこの世界に来たプレイヤーのNPCが暴走したものってファンは推測してるようですね。

「ぷれいやー」の血を引く神人は、階層守護者レベルの強さってことでしょうか?

 

まあ、ここら辺の謎は、この先で明かされていくと思います。

 

ちなみに「強さの数値」に関して、140と200って、そんなに差が無いように感じるかもしれませんが、ドラクエなどのRPGゲームを遊んだ経験のある方は「ああ、そうか…」って分かると思います。

ゲームのレベルって、2~3違うだけでもそうとうな強さの違いがあるし、レベル140とレベル200が戦ったら……瞬殺で140が負けちゃうくらいの差になりますね……。後、身に着けてる武器や防具の差も大きいし……。オーバーロードの世界もそういう世界なんですね。

 

ただし、オーバーロード世界の基準は「ユグドラシル」とはちょっと違うみたいなので注意です。確か、ユグドラシルの最強レベルは100って書かれてましたもの。アインズもレベル100ですね。

……で、モモン(戦士化状態)はレベル30だったかな?

つまり、オーバーロード世界は、ユグドラシルの強さに6.5~7倍くらいした数値ってことになるのかな?