ぐれむりんの気ままなブログ

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勝手気ままな★備忘録★レビュー

ついに届きました。

タワレコ Portable CD Player Yellowです。

注文してから、約3ヵ月……

いや、注文後にタワレコCDプレーヤー特集(特典:タワレコ・ロゴ入りマルチクリーナークロスをプレゼント)が開催され、クリーナークロス欲しさに注文をキャンセルしてからの再注文……なんてことがありましたが、予定通りの9月中旬の商品到着です。※クリーナークロスも無事にゲットできました。

 

商品到着の2日後※このブログを書いている日ですが、ワクワクしながらCDをセットして聴いてみました。

 

何十年振りでしょうか?

 

はるか昔に愛用していたONKYOのミニコンポが壊れて以来、と言うか、iPodを使うようになって以来、何十年振りかのCDプレーヤーでの音楽視聴体験です。

 

今回、視聴したCDはこの2作品です。

ROSSO「Dirty Karat」

ノラ・ジョーンズ「ノラ・ジョーンズ」

 

 

ROSSOは、僕が敬愛するロック・ミュージシャン、チバユウスケさんのバンドです。もう何年も、何度も何度も繰り返しiPodで(Appleロスレス形式)で聴いてきた作品です。

試し聴きにはチバユウスケさん…と言うのは、僕の中でのド定番のお決まり事のようなものだったりします。

 

ノラ・ジョーンズは、アメリカのジャズ・シンガーです。彼女のデビュー・アルバム「ノラ・ジョーンズ」は、オーディオ愛好家が新機材の試し聴きをする際に使用する1枚って言われるくらい高音質で有名な作品です。

 

ってことで。

早速、視聴ファースト・インプレッションです。

 

視聴環境は、イヤホン・ジャックにオーディオテクニカ・プロフェッショナル・モニター・ヘッドホンATH-M50xを直挿しです。

 

ちなみに、今回僕が購入した

タワレコ Portable CD Player Yellowの製品スペックですが。

定価:6800円

電源:DC電源または乾電池のみ

出力:3.5mmイヤホン端子のみ

搭載されたDACの表記は無し。

イコライザー等の音質設定は無し。

……と、まあ、まるで平成時代の遺物のような、シンプル・イズ・ベストを地でいく、余計な機能が一切ない、一見すると子供の玩具のようにも見える、安価な部類のCDプレーヤーです。

 

今回は、それを理解した上での購入です。

 

と言うか、そもそも僕自身がそーゆーCDプレーヤーが欲しくて購入した商品です。ブルートゥース接続とかバッテリー搭載とか、そーゆー便利なモノを一切排除した……それこそ30年くらい前に売っていたようなCDプレーヤーで音楽が聴きたい、みたいな。

※イエロー・スケルトン・ボディーとタワレコ・ロゴの組み合わせの見た目だけで購入したような感じでした。

 

それを踏まえて……。

 

先ずは気になる音質ですが。

これはまあ、価格的なものなのか、技術的なものなのか、昔のCDプレーヤー自体がこういうものだったのか、無音部分にヒス・ノイズが入ります。ヒス・ノイズというのは、無音部分で「サーーー」という音が聴こえる現象です。安価なDACを採用しているのか音声回路的な部分にお金をかけていないせいか……。

まあ、どちらにしても安価な製品の宿命って感じでしょうか。

※DACはデジタル信号をアナログ音声に変換する装置ですね。

 

個人的にはホトンド気になりません。

音楽が流れ始めれば全くと言っていいくらい気になりません。

これがメイン音楽視聴機器だったら返品レベルの致命的欠陥だと思いますが、あくまで平成レトロな、感覚的にはアナログ・レコードのノイズを敢えて楽しむ……みたいな感覚で、ある意味、楽しんで聴いている部分があったりします。

 

さらにノイズで言うともうひとつ、再生時に音割れまではいかないチリチリとしたノイズが聴こえることがあります。

原因は……やはりDACが安価なものだから?

 

でもまあ、これも個人的にはあまり気になっていません。

 

そもそも高音質を求めるなら、2万円程度のCDプレーヤーじゃなきゃダメだって思っています。その半分以下の価格帯の製品なので、まあこんなものだなって感じでしょうか。

↑コチラはタワレコCDプレーヤーを購入前に迷っていた商品のひとつです。価格的には12800円とタワレコCDプレーヤーの倍の価格になりますが、音質を求めるなら最低でもこれくらいの価格なのかなって個人的には思っています。

 

ただ、それらのノイズを気にしなければ、音質的には予想以上の高音質……と言うか、オジサンの耳ではiPodタッチでロスレス(CD音質)を聴くのと同じくらいの高音質だと感じました。

聴き比べなどをすれば音の違いはあるでしょうが、パッと聴き、そー感じる程度の音に聴こえたので、そこそこ高音質な音が出ているのだと思います。

 

もちろん、オーディオ・マニアや音にコダワリのあるかたからすれば不満だらけの音質だと思いますが、そーゆーかたは、まずこんな安価なCDプレーヤーは買わないと思います。

 

素人の音楽好きオジサンがモニターヘッドホン※原音を忠実に再現するためのヘッドホンで聴いた感想としては、音がこもっている感じも無いし、高音がキンキンしたり低音が無駄に強調されている感じも無いし、普段、スマホやiPodタッチで聴いているのと遜色ない聴き心地です。流石にウォークマンと比べると音の繊細さや奥行きが無いようにも感じますが……。

 

問題なのは……

デフォルトの再生音量がムチャクチャ大きいということです。これは個人的には大問題だったりします。

 

イヤホン・ジャックにヘッドホンを挿し込んで再生ボタンを押すと、とんでもない大音量で再生が始まります

しかも、一度音量を下げても、別のCDを再生する時には元の音量に戻っている……という、平成レトロ仕様?です。

しかも再生が始まるまで音量を調整することができないので、音圧の高い(音量が大きい)CDを聴く際は、再生が始まった瞬間に急いで音量を下げる……これは正直、欠陥商品的な致命的な問題のように思います。

 

逆に言えば、デフォルト仕様でここまでの爆音が出るのは、流石はシンプル・イズ・ベストなCDプレーヤーって感じでしょうか?

これなら、インピーダンスの高いヘッドホンでもポタアン無しでそれなりの音量で聴けるのではないかと思います。

実際、デフォルト爆音の状態で、そこからさらに音量を上げることができるので、かなりの大音量出力だと思います。

※パワーがあるためか、スマホやiPodタッチよりも音に迫力があるように感じたりもしますね。

 

使用した感じでは、デフォルトの爆音が「真ん中」くらいの音量ではないかと思います。

 

もしかして、平成レトロ再現で「音圧が低いCD」を再生していた頃の名残まで再現されているとか?

 

試しに1990年代初めの、橘いずみさんのCD「どんなに打ちのめされても」を聴いてみました。最近の作品に比べると、かなり音圧が低い、いわゆる音量が小さい昔のCDです。

そのCDでも少し音量を下げないと音が大きいと感じるレベルの大音量でした……。

 

この仕様は何気にストレスだなって思います。

 

ちなみに、古いCDの流れで音圧競争時代ミッシェル・ガン・エレファント「カサノバ・スネイク」(2000年作品・旧盤)を聴いてみたところ、爆音再生もさることながら、音割れがスゴイことに……ある意味感動を憶えたりして。

この音割れは、旧盤CD自体が音割れしてるので……。今度はリマスター盤(音割れが改善された)の音も聴いてみようと計画してたりなんかして。

 

各種ボタンなどの仕様については、物理ボタンの扱いに慣れていない今の若いリスナーには、かなり使いにくい仕様になっているんじゃないかと感じました。

 

ホント、マジで、ボタンを押すってあの感覚です。

このCDプレーヤーのボタンを操作すると、ウォークマンなどの物理ボタンがいかに使いやすい現代仕様なのかを痛感します。

 

昔のラジカセの再生ボタンをガチャって押していたあの感覚……そこまではないですが、ボタンをかなり強めに押し込まないと反応しません。タッチパネルに触れる操作に慣れていると、不良品じゃないかと思うかもしれないのでご注意ください。

 

ちなみに、音楽再生の物理ボタンは「再生(一時停止)」「停止」「進む」「戻る」の4つのみ。

 

その他には音量の「大」「小」と、上部トレーの「OPEN」、あとは「プログラム」と「モード設定」の5つのみ。

 

プログラムは、曲の再生順番を最大20曲まで登録する機能です。

リアル・タイムでCDプレーヤーを使っていた方の中には「うわぁ~懐かし~!」と思う方がいるかもしれませんね。今の時代だと、あまりにも不便すぎて逆に新鮮かも?

 

モード設定は、通常再生、1曲リピート、全曲リピート、シャッフル再生、それとイントロ10秒のみ再生の5種類の再生方法を設定する機能です。

ちょっと分かり難いですが、本体側面に液晶画面があり、そこに曲数やトータルタイム、再生中の曲番号、再生時間などが表示されます。

 

ハッキリ言って、現代の便利な機器を使い慣れた方には、ただただ使い勝手の悪い、見難い、分かり難い、機能が少なすぎる、そー感じる不便なだけの液晶画面だと思います。

 

ちなみにですが、再生が終了して30秒たつと電源OFFになる余計な機能もしっかり搭載されています。

当然ですが、電源がOFFになると、音量の設定もクリアされ、ふたたび大音量デフォルト状態に戻ってしまいます。

 

いや~、ホント……

ここまで使い勝手の悪いCDプレーヤーがタワレコから発売されるとは。

 

でもそこがいいっ!

 

まさに、昭和&平成レトロの不便な時代のフィジカル再生機器って感じで、マジで愛しさがこみ上げてきちゃいますね。

 

CDをセットして、再生ボタンを押して、音量を調整したら、後は約1時間、ただただ音楽を聴くことに没頭する……。

30年前のあの頃の、不便だった音楽視聴を追体験です。

 

試し聴きついでに、iTunesから書き出しした音楽CD-Rも聴いてみましたが、普通に再生が可能でした。

 

ってことで、今度は、開放型のモニターヘッドホンや、安価な試し聴き用のヘッドホンなんかも使ってCDを聴いてみようと思います。

 

興味のある方は、是非、タワレコ Portable CD Player Yellowを使ってみてくださいね。

ただし、マジのガチで、使い勝手は悪いです。

 

 

 

 

 

アメリカのロックンロール裏番長

ジョン・スペンサーの新作

Songs Of Personal Loss And Protestをご紹介です。

 

 

2015年に日本映画「グラスホッパー」のために書き下ろされたシングル「Don’t Wanna Live Like the Dead」を最後に、ジュダ・バウアーの体調不良で突然の活動休止を余儀なくされたザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンです。

 

そんなジョンスぺのフロント・マンであり、オルタナティブ・エルビス・プレスリーの異名を持つ※と、僕が勝手に呼んでるだけですがジャンク・ガレージ・オルタナティブ・パンク・ブルース・ロックンロールの裏番長、ジョンス・ペンサーのソロ・アルバム第4弾!

 

それが、

Songs Of Personal Loss And Protestです。

かなり話を盛っているのはファンの妄言だとご了承ください。

 

ちなみに、ソロ第3弾の

「シック・オブ・ビーイング・シック」はアナログ盤のみの発売でCDの発売はされていません……と、思ったジョンスぺ・ファンの皆さん、安心してください! 履いて……じゃなくて、収録されてますよ!

 

日本盤「Songs Of Personal Loss And Protest」には、ボーナストラックとしてアルバム本編12曲に加え、前作「シック・オブ・ビーイング・シック」の全8曲&2025年の配信シングル「カム・オン!」の合わせて9曲が丸っと収録されています。

 

アルバムの発売は2026年の6月(日本盤CDは7月)でしたが、今年はミッシェル・ガン・エレファントにブランキー・ジェット・シティのリマスター再発が続いていたため、レビューを書くのがすっかり遅くなってしまいました。

 

と、言うことで。

 

今回の新作をひと言で表すと、

控えめに言って最高です!

トレンドも流行も完全無視した、唯一無二のジョンスぺ節ガレージ・ジャンク・ブルース・ロックが満載です。

 

前作まで顕著だった「進化系プッシー・ガロア」的なジャンク・ロック・サウンド※主にスティール・ドラムは影を潜め、個人的な感想としては、ジョンスぺの初期作品※特に「Mo' Width」時期のような、初期衝動ガレージ・ロック・パンクにブルースとロックンロールを融合させたような……つまり最高にカッコいい楽曲が目白押し。

 

往年のファンとしては、2015年時期の第二の全盛期を迎えたブルース・エクスプロージョン時代のサウンドで聴きたいところではありましたが※ジュダの病気でもはや叶わぬ願いですが、それでも、シングル「カム・オン!」を筆頭とする、往年のジョンスぺ・サウンド的な楽曲がよみがえっているのは嬉しい限りです。

 

↓こちらは、ソロ第1弾からの楽曲。

↓こちらは、ソロ第2弾からの楽曲。

↓こちらは、2015年のジョンスぺ楽曲。

↓こちらは、初期のジョンスぺ楽曲。

 

でもまあ、上のYoutube公式動画を聴いていただくとお分かりの通り、ジョン・スペンサーは昔も今もジョン・スペンサーのまま変わらず、最高のジャンク・ガレージ・オルタナティブ・パンク・ブルース・ロックンロールの裏番長で在り続けているのは嬉しい限りです。

 

興味のある方は、是非、聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

2026年は、ミッシェル・ガン・エレファントブランキー・ジェット・シティという、90年代邦楽の伝説的ロック・バンドのリマスター盤CD再発企画が行われているのですが……

 

90年代の邦楽ロックで忘れてはいけないのが、

なんと言ってもこのバンド、

NUMBER GIRLです。

ええと……ナンバーガールというバンド名と、上に貼ったMVの楽曲タイトル「透明少女」で脳がバグってしまいそうですが、彼らはガールズ・バンドではありません

それどころか、ボーカルが絶叫しながら歌うゴリッゴリと残響ノイズ系オルタナティブ・ロック・バンドです。

 

メンバーは、

向井秀徳(ギター&ボーカル)

田渕ひさ子(ギター)

中尾憲太郎(ベース)

アヒト・イナザワ(ドラムス)

 

ネルシャツに丸眼鏡という、一見するとロックとは無関係そうな容姿をしたボーカルの向井秀徳さん。ボーイッシュで可愛らしい見た目の女性ギタリスト田渕ひさ子さん。中尾さんもイナザワさんもパッと見はどこにでもいる普通の大学生のような格好です。

 

まさか、そんな見た目のバンドが……

こんなエグい爆音ロックを演奏するなんて、まさに予想外!

 

ちなみに僕がナンバーガールを聴き始めたのは、ギターの田渕ひさ子さんのカッコよさに一目惚れしたからというのは言うまでもありません……。

 

この時代、日本のロックはまさに黎明期に差し掛かっていた時代です。ブランキー・ジェット・シティの登場で日本語ロックの歌詞の概念が変わり、ミッシェル・ガン・エレファントの登場でロック・フェスの文化が誕生し、邦楽が洋楽のレベルに追いついたと言われていました。

そして、ブランキー、ミッシェルと共に、その後の日本語ロックの概念を変えたバンドのひとつと言われたのが、このナンバーガールです。

 

ナンバーガールの場合は、サウンド自体は80~90年代のUSオルタナティブ※特にピクシーズの影響が強いを発展させたものでしたが、彼らが独特だったのは、スタジオ・レコーディングのオリジナル・アルバムで、歌詞がほとんど聴きとれない籠ったミキシングを施したことでした。

 

カラオケ全盛の90年代に、歌詞がまったく聴きとれない楽曲を発売する……。

 

愛だ恋だの共感性を排除した物語的な歌詞を日本語ロックにのせて歌ったブランキー・ジェット・シティ。意味の分からない言葉を羅列して邦楽ロックの歌詞の概念を変えたミッシェル・ガン・エレファント。歌詞がほとんど聴きとれない楽曲を絶叫して歌うナンバーガール

 

Youtubeなどで、歌詞入りの動画や演奏姿が視聴できるようになった現代では特に革新性を感じることは無いかもしれませんが、CDやラジオで音楽を聴くのがメインだった時代に、サビに共感できる歌詞が無い曲や、そもそも歌詞が聴きとれない曲なんて……。

 

今、考えると……

よくこんなバンドたちの楽曲が若者を熱狂させてたなって、改めて不思議な気分になってしまいますね。

 

ただ、残念なのは。

ナンバーガールは、1997年にデビューした後、オリジナル・アルバム4枚を発表して2002年に突然の解散を発表しちゃったことですね。

 

 

 

 

活動期間は実質約5年程度です……。

ただし、オリジナル・アルバムは4枚しか無いにも関わらず、彼らが残した楽曲はかなりの数があったりします。

 

実際、僕のiTunesの中には、※公式発売された彼らのスタジオ・レコーディング楽曲が約90曲、ライブ音源まで合わせると300曲以上の楽曲が入っています。

 

特に、ナンバーガールは「スタジオ盤よりライブ盤のほうがカッコイイ」と言われたバンドで、解散後に膨大な数のライブ音源が公式発売されています。

 

↑こちらの2枚はバンド活動時に公式リリースされたライブ・アルバムです。特に「シブヤROCK TRANSFORMED状態」は度肝を抜かれるくらいの大迫力ライブですね。

 

 

 

 

その後、2005年に「記録シリーズ」として膨大なライブ音源や映像が発売……。

さらに、2019年の再結成に合わせて「感電の記憶」が発売。そして2022年の再結成解散ライブでの音源を収めた「無常の日」が発売と、スタジオ盤を超えるライブ盤が発売されるのですが。

う~ん、再結成は、演奏は当時のままの迫力ですが、さすがに40代後半(再結成ライブ当時)になった向井さんの絶叫ボーカルはキツそうですね……。

 

ってことで。

2026年のミッシェル、ブランキーのCD再発企画に合わせて思い出したように聴き直している伝説のロック・バンド、ナンバーガールのお話でした。

 

興味のある方は、是非、聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

オルタナティブ・ロックとは、80年代に巨大化した産業ロックを否定し、商業主義とは一線を画したアンダーグラウンドの精神を持つロック……と、紹介されることが多いのですが、実際のトコロはどうなのでしょう?

 

…と、言うのは、90年代当時、リアルタイムでグランジ/オルタナティブを体験したリスナー※つまり僕なのですがは、そんな難しいコトは考えずに「なんかカッケーから聴いている」って、それだけの理由でオルタナティブ・ロックを聴いていた記憶があるからです。

そもそも、インターネットもスマホもSNSもYoutubeも無かった時代のティーンエイジャー※つまり僕なのですがには、オルタナティブ・ロックが何なのかなんて調べる術すら無かったというのが現実だったと思います。

 

多分、当時の感覚としては、マイケル・ジャクソンやマドンナのような誰でも知っているビッグ・ネームとは違い、クラスの洋楽マニアの間だけで話題になるような音楽……、それがオルタナティブ・ロックなんだって感覚だったと思います。

 

まあ、グランジ/オルタナティブの隆盛自体は、1994年にニルヴァーナのカート・コバーンが自殺したことで一気に終息してしまうわけなのですが……、その影響というか余韻というか、90年代のロックにはいわゆる「ギター・ロック」と呼ばれるサウンドの色合いが強かったように感じています。

 

特にイギリスでは、1993年頃からブリット・ポップと呼ばれるグランジ/オルタナティブの影響を受けた独自の音楽ムーブメントが発生し、日本でも爆発的な人気を博していたわけですが、そんなブリット・ポップの中でも「異端児」扱いされていたバンドがマニック・ストリート・プリーチャーズでした。

※厳密には、マニックスはブリット・ポップのカテゴリーには含まれないバンドだそうです。

 

2001年発売 6thアルバム

KNOW YOUR ENEMY

 

 

前2作「エブリシング・マスト・ゴー」「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」で、思いっきり商業的な方向性へ舵を切ったマニックスが、原点回帰的にハードロック・パンクな音楽性に軌道修正してきた問題作が、この「ノウ・ユア・エネミー」です。

 

当時、マニックスの音楽性の変化に失望し、一時的にファンを辞めていた僕が再びマニックスを聴き始めることになったアルバムです。オープニングの3曲「Found That Soul」「Ocean Spray」「Intravenous Agnostic」で、初期からのファンはぐっと心を鷲掴みにされたのではないでしょうか? 僕の心は鷲掴みにされました。

 

もしもこのアルバムの発売が無ければ、多分、僕はこの後もずっとマニックスを聴き続けるなんてことは無かったと思います。

 

実際、当時夢中になっていたオアシスブラーレディオヘッドクーラ・シェイカースーパー・グラスも、この頃にはほぼ聴くことはなくなってしまっていました。

 

ただ……

商業的には失敗作と言われた作品です。

そのためか、メンバー自身はこのアルバムをあまり高く評価していなかったような気がします。

 

そりゃあそうだっ!

音楽作品というのは売れなきゃ駄作……と言うのは、マニックス自身がデビュー当時から掲げていた信条です。

デビュー当時にストーン・ローゼズ※イギリスで絶大な人気を誇ったマッド・チェスター・ブームのバンドのよう知名度だけ高くて売れていないバンド※当時の爆発的人気HRバンド、ガンズ・アンド・ローゼズと比較してを評価するのはおかしいとコキおろし、ジョン・レノンはただのクソと暴言を吐き、デビュー作を全世界でNo1にして解散すると大風呂敷を広げていた悪ガキバンドです。どこまで本気の発言だったかは知りませんが……。

 

とは言え、そこは流石のマニックスです。

 

ただの原点回帰ではなく、初期のハードロック・パンクを筆頭に、アリーナ・ロック、ジャングル・ポップ、ディスコ、ポスト・パンク、ビーチ・ボーイズ風などなど……、幅広い音楽性の楽曲が詰め込まれた作品になりました。

※ジャングル・ポップは初期のR.E.M.のような高速アルベジオが特徴のギター・サウンドを指すようですね。

 

それもそのはず、元々は音楽性の違う2枚のアルバムを同時に発売するという構想をもとに制作されたアルバムだったそうです。

結局、所属するレコード会社に反対され、仕方なく1枚のアルバムにした……なんて経緯があったそうです。

 

オリジナル・アルバムには全16曲、日本盤にはボートラ2曲を追加した全18曲が収録されています。※輸入盤は17曲目にシークレット・トラックが入っています。

 

僕はこれまでに3回このアルバムを購入しています。

 

最初は…

2001年発売のオリジナル盤

評価:★★★★

収録曲は全18曲

本当は、★5の満点でもよいくらい大好きなアルバムですが、2009年に再発された日本限定紙ジャケ2枚組の内容が凄すぎて、評価が★-1になってしまいました。

このアルバムは多様な音楽性もさることながら、ジェームスが初めて作詞に挑戦した楽曲「オーシャン・スプレー」や、ニッキーが初めてリード・ボーカルを担当した「Wattsville Blues」など、その後のマニックスの作品でも披露されることとなる新たな試みが詰め込まれたアルバムでした。

 

商業的には、前2作には及ばず「マニックス人気にも陰りが…」なんて思われた作品でしたが、旧来のファンには絶賛された作品だった記憶があります。もちろん僕も大絶賛でした。

 

2回目は……

2009年発売の日本限定紙ジャケ2枚組

評価:★★★★★

全18曲+ボートラ15曲入り。

オリジナル・アルバムに、当時のアルバム未収録曲7曲、リミックス4曲、ライブ4曲の全15曲入りのボーナスCDが付いた日本限定紙ジャケ・再発盤シリーズです。いや、もはや「神」ジャケ・シリーズと呼んでもよいレベルの再発企画盤です。

 

3回目は………

2022年発売のリマスター再発盤

評価:★★★★★

デジブック盤全33曲+デモ16曲

※スタンダード盤は全22曲収録です。

デジブック盤は、もはや文句のつけようがないほどの超絶豪華追加楽曲の宝庫です。敢えて文句をつけるなら、曲数が多すぎ…ってことと、スタンダード盤に「So Why So Sad」のオリジナル・ヴァージョンが収録されていないことでしょうか。

 

↓こちらがオリジナル・ヴァージョン。

↓こちらがAvalanches Sean Penn Mixです。

ちなみにデジブック盤にはオリジナルとAvalanches Sean Penn Mixの両方が収録されていますが、どう考えてもオリジナル・ヴァージョンはオマケのような扱いでした。なにゆえ?

もしかして、ビーチ・ボーイズ・パロディのようなサウンドがメンバー内で不評だったのでしょうか?

 

確かに、このタイプのアレンジ楽曲は後にも先にもこの1曲だけな気もしますが……。シングル発売した楽曲のオリジナル・リマスター・ヴァージョンを収録しないのは、どこまでヒネクレたバンドなんだって感じですね。

あるいは、オリジナル・ヴァージョンを聴きたい人はデジブック盤(3枚組)を購入してねって、商売的な理由があるのかも?

 

そう言えば、1stアルバム「ジェネレーション・テロリスト」の20周年記念盤にはアルバム未収録カップリング曲が収録されたコレクターズ・エディションなんてものが存在するようですが、僕はいまだに見たことすらありません。って言うか、Amazonにもタワレコにも無いので……実在しているのかも不明です。

※僕は日本盤のデラックス・エディションを購入。そちらはデモ音源が中心の2CD+DVD盤でした。

 

まあ、マニックスも配信限定で「カバーズ」なんて新作のカバー曲集を出しちゃうくらいなので、CDコレクターの僕には世知辛い世の中になってしまった気がします……。

って言うか、先日観たTVドラマ「大追跡・警視庁SSBC強行犯係」の中で、「この時代にこんな大量のCDを持っている人がいるのね……」なんてセリフがあったくらいなので、CD文化は完全にオワコンなのかもしれませんが……。

 

興味のある方は、是非、マニック・ストリート・プリーチャーズを聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

アリーナ・ロックとは、1970年代以降に発展した大会場を中心とした派手なライブや、商業的で強いコマーシャル性を持ったライブを言うそうですが……、1996年から2000年頃のマニック・ストリート・プリーチャーズの作品は、まさにこのアリーナ・ロックとパンクが融合した、当時の僕にとって暗黒の時代のような作品だったと思います。

 

1998年発売 5thアルバム

This Is  My Truth Tell Me Yours

 

前作が出た時から嫌な予感はしていたのです……。

でもまさか、ここまでガラリとイメージを変えてくるとはっ!

こんなのマニックスじゃないっ!

当時は心底ガッカリしたアルバムでした。

 

1990年代は、まさにオルタナティブ・ロックの時代です。

80年代に巨大化した産業ロックを否定し、商業主義とは一線を画したアンダーグラウンドの精神を持つロック、それがオルタナティブ・ロックです。

 

そんなオルタナティブの精神を持った英国バンドの代表※だと思っていたバンドが、リッチー・エドワーズを失っただけで、ここまで商業主義的な方向性に舵を切ってしまうとは……。

 

失望以外に言葉がない。

そんなふーに思い、一時的にファンを辞めてしまったくらい、当時の僕はマニックスが大嫌いになっていました。

 

だって、ほんの数年前までこんなに尖った音楽を鳴らしていた悪ガキ・バンドが……

ここまで落ち着いたサウンドを鳴らす大人のバンドに変貌しちゃうなんて……。

ええと、ちなみにですが……

今の耳で聴く「This is My Truth Tell Me Yours」は、マニックス史上で最も壮大で美しい名盤アルバムだと大絶賛している僕がいるのは言うまでもありません。

 

ただ、当時は本当に受け入れられなかった。

 

だって、オープニング曲の「The Everlasting」が、まさかまさかの打ち込みドラム(?)サウンドからスタートだものっ!

前作「エブリシング・マスト・ゴー」の成功に味をしめ(?)、完全に爽やか売れ線ポップ・ロックへ移行した……牙を抜かれた最悪のロック・バンドだって、心底ガッカリでした。

 

ただし、商業的には大成功を収めた作品です。

UKチャートで初登場1位、発売当時に300万枚のセールスを記録し、現在までに500万枚の売り上げ……だったかな?

ヨーロッパやアジアでもバカ売れしたって何かで読んだ記憶が。

 

当時は「ブラー」「オアシス」の活躍で、ブリット・ポップが盛り上がっていた時代です。当然、イギリス出身のマニックスは世間一般的にはブリット・ポップ括りになっていたような気がします。

 

実際、マニックスを聴き始めた当時※1994年頃は、ブラーの人気が高まっていたし、オアシスがデビューした年でもあります。当然、僕はマニックスもブリット・ポップ・ムーブメントのバンドだと思っていました。

 

でも、雑誌を読んだり音楽仲間と話をしていると……どうやら、マニックスはブリット・ポップのカテゴリーには含まれていないって、そーゆー声が大多数でした。

まあ、その頃の僕はまだ洋楽初心者だったので、そもそもイギリスのバンドは全てブリット・ポップだと思っていたようなナイスガイだったわけですが……。

結局、ブリット・ポップのムーブメントは、1998年頃にブラーのデーモン・アルバーンが「ブリット・ポップは死んだ」と発言したことで一気に終息してしまいました……。

 

そんな年に発売された「ディス・イズ・マイ・トゥルース」でイギリスの国民的バンドの地位へと昇り詰めたマニックスは、本当の意味で流行に左右されない本物のロック・バンドだったのかもしれません。

 

ちなみに、前作「エブリシング・マスト・ゴー」がフェイド・アウトで終わる曲が1曲も無かったのに対し、今作「ディス・イズ・マイ・トゥルース」は2曲※「The Everlasting」はフェイド・アウトに入れていませんフェイド・アウトで終わっちゃうのが悔やまれます。まあ、完全に僕の好みの話なのですが。

 

僕はこの「This is My Truth Tell Me Yours」は、これまでに2回購入しています。

 

最初は……

1998年のオリジナル盤

評価:★★

収録曲は全15曲。

輸入盤は全13曲ですが、日本国内盤はボートラが2曲入って全15曲です。今の耳で聴くと「星評価は★★★★」ですが、当時はマジで受け付けなかったし、全15曲でトータル75分超えは、アルバム1枚を通して聴くのが拷問のように感じた作品でした。

 

2009年に発売された日本独自紙ジャケ2CDセットは購入をスルーしちゃいました。理由は、ボーナス・ディスク収録のアルバム未収録曲を全てシングル盤で購入していたし、なによりアルバム未収録曲が2曲のみという少なさだったからです。他は全てライブ音源でした。

 

2回目は、

2018年の20周年記念盤

評価:★★★★

全14曲収録。

2018年リマスター盤

こちらの20周年記念の評価が星★★★★(5段階評価)なのは、やはりアルバム未収録曲が少ないのと、オリジナル盤の曲が差し替えになっていることです。

 

オリジナル盤では12曲目に収録されていた「Nobody Loved You」が外され、12曲目に「Prologue To History」が収録されています。しかも、「Nobody Loved You」の表記がどこにも無い。

……と、思ったら、「Nobody Loved You」は隠しトラックとして14曲目に収録されていました。なにゆえ? って感じですね。

 

リマスターの音質は、かなり良いと思います。

 

僕は基本、90年代の作品にリマスターは不要と思っているロック好きオジサンなのですが、マニックスのリマスターに関しては常に脱帽……と言うか、ここまで音圧(音量)を統一した20周年企画リマスター企画盤は素晴らしいのひと言です。

 

発売される年が違うのに、各アルバムの音圧がここまで揃っている記念盤企画は、マニックスとR.E.M.くらいしか知りません。

 

マニックスの場合、基本的に〇周年記念盤は、10周年だろうと20周年だろうと、ほぼ音圧を揃えてリイシューしてくれています。

 

興味のある方は、是非、マニックスの※世間一般的な最高傑作と呼ばれる「This is My Truth Tell Me Yours」を聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

【ご注意下さい】

このブログは、あくまでマニックス・ファンによる思い出話し(記憶や思い出補正含む)が中心の「誰得?」な妄言ブログです。なので、実際のバンドの経歴等は公式サイトやウィキペディアで各自ご確認ください……スミマセン。

 

多分、自分史上で最も作品を購入しているバンドのトップ10に入るであろうグループ、それがイギリスのロック・バンド

マニック・ストリート・プリーチャーズです。

現在iTunesのプレイリストにはマニックス関連の楽曲が約500曲入っていて、重複曲なども合わせると、1000曲近い楽曲がリッピングされているという膨大な楽曲数です……。

 

まあ、それもそのはず、僕がマニックスを聴き始めたのは今から約30年前の1994年で、それ以降、作品が出るたび欠かさず購入して聴き続けているバンドだったりしますので。

 

現在までに、オリジナル・アルバムが15枚、メンバーのソロ作品が3枚※僕が所有……と、作品数としては決して膨大とは言えない数なのですが、まあ、彼らの作品は『〇周年記念』リイシューや『初回デラックス盤』が多いので……。

デビューから7作目までは、全作品、ほぼ3回は同じ作品を買い直ししているくらい……、マニックスを知らない人からすれば、『〇周年記念盤詐欺』みたいなバンドかもしれません。

 

ただ、ファンにとってはマニックスの『〇周年記念盤』は喉から手が出るくらい欲しくなる至極の逸品なのは言うまでもありません。確か、2022年に発売された「ノウ・ユア・エネミー・リイシュー盤」は、発売から22年経過しているにも関わらず、イギリスのチャートでトップ10※だったかな?に入るくらいの大人気ぶりだったとか?

 

だって、オリジナル盤では全16曲収録だった作品が、リイシュー通常盤2枚組で22曲、デラックス盤では29曲収録になって再登場なんだもの。※ボーナス曲まで合わせるとDX盤は53曲入りですね。

 

まあ、「ノウ・ユア・エネミー」は元々2枚組の構想で制作された作品だったのでアルバム未収録曲が膨大でしたが、他のリイシュー盤もアルバム未収録楽曲がほぼアルバム1枚分くらいの数になるので……そりゃあファンは買いの一択になっちゃいますね。

 

そんなマニックスが、

1996年に発売した4thアルバム

EVERYTHING MUST GO

前作「ホーリー・バイブル」発売後、バンド史上最大の危機とも言うべきリッチー・エドワーズ失踪事件を挟んで発売された大ヒット・アルバムです。

 

前作までのマニックスは、バンドの精神的支柱とも言うべきリッチーの影響もあってか、時代錯誤のお馬鹿パンクスを地でいくような問題児バンドでした。「デビュー作解散発言」やリッチーがカミソリで自分の腕を切り刻んだ「4REAL事件」※18針縫う大けがを起こしたりと、まさに当時のマニックスのお馬鹿っぷりは伝説になってますね。

 

そんな精神的支柱だったリッチーが失踪してしまい※元々、精神的な問題を抱えていたそうで残されたメンバーは解散も考えたそうですが、リッチーの家族からの強い要望でバンド活動を継続※メンバー4人は幼馴染で大親友でした、いつかリッチーが戻ってくることを信じて活動を続ける若者たちの姿がイギリス国民の心を掴み……皮肉なことに、これ以降のマニックスは瞬く間にイギリスの国民的ロック・バンドへと昇り詰めていってしまいます。

 

↓こちらがリッチー在籍時。

 

↓こちらがリッチー失踪後。

でも、実はこの「エブリシング・マスト・ゴー」が発売された当時、僕は一時的にマニックス・ファンを辞めてしまったくらい、音楽性の変化を受け入れられずにいました……。

 

今の耳で聴くと、これぞマニック・ストリート・プリーチャーズというべき王道マニックス・サウンドなのですが、ハッキリ言ってリッチー在籍時とはまるで別バンドのようになってしまっています。

 

もちろん、マニックスはデビュー当時から作曲をボーカル&ギターのジェームス・ディーン・ブラッドフィールドが担当しているし、作詞はリッチー以外にもベースのニッキー・ワイヤーが担当していたので、そこまで大きな変化が起きたわけではありません。リッチー在籍時にもポップな楽曲は大量にありました。

ただ、なんて言うんだろう?

リッチーがいた頃は、とにかくヒリヒリした空気感が漂うポップな楽曲が多かったような気がします。

上の2曲は、デビューアルバムと2ndアルバムに収録された楽曲です。公式サイトが和訳入りMVをYoutubeにUPするくらい、マニックスは歌詞の内容が壮絶なバンドです……。

 

こちらの2曲は、リッチー失踪後の初作品「エブリシング・マスト・ゴー」と、続く「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」からの和訳入りMVです。

 

こちらもスゴイ歌詞ですね……。

図書館で得た知識で権力を手に入れ、勤勉な労働で自由を得た、その薄っぺらい報酬はいくらだ?って、でも実際は俺たちは何も変われないことを宣告されている。それが「人生設計」だ……って。まさかこんなキャッチーな曲の歌詞がこんなに絶望的な歌詞だったなんて当時は思いもしませんでした。

続く「輝ける世代のために」なんて、歌われてる内容は日本語タイトルから受ける印象とは真逆ですから……。

 

そして上の4曲、和訳の歌詞があることで、作詞面で決定的な変化が起きていることが伝わってきます。

 

リッチー在籍時の、不穏で内省的で哲学的で自伝的だった……まるで自傷行為のような歌詞の方向性が、政治批判や歴史批判の色が強くなっているのが分かります。

サウンド面も、当時流行っていたブリット・ポップ的な方向性に舵を切っています。※実際にはフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドがコンセプトだったとか?

 

ただ……当時は、この変化が受け入れられなかった……。

特に、バンドの人気を決定づけた次作「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」なんて、リアル・タイムでは1~2回しか聴かずに放置した記憶が……。

 

ちなみに、リッチーは公式では「リズム・ギター」の担当となっていますが、実際にリッチーが弾いたギターは「エブリシング・マスト・ゴー」のラストに収録された「ノー・サーフェス・オール・フィーリング」と2ndアルバムの3曲目「悲しみは永遠に消え去らない」の2曲しかないそうです。

そもそもリッチーは楽器が弾けなかったし、ライブでのギターは無音だったそうで……それでもバンドのメンバーだったのは、幼馴染・親友グループで、リッチーがバンドの精神的支柱だったという証拠ですよね。※リッチー失踪後もバンドはギャラを4当分してリッチーの口座に振り込んでいるのだとか。法的には死亡宣告されましたが、生存説も囁かれているので……。

 

僕はこの「エブリシング・マスト・ゴー」は、今までに4種類を購入しています。

 

最初は、オリジナル日本国内盤。

日本盤には、ボートラ2曲収録でした。

 

次に2006年発売の10周年記念盤。

こちらは、ボーナス・ディスクにデモ音源やアルバム未収録曲が23曲収録されていました。

 

2009年に日本独自リイシュー販売された2CDエディションは、内容が10周年記念盤の縮小盤的内容だったのでパスしました。

 

そして2016年発売の20周年記念盤。

これは、20周年盤のリマスター音質を聴きたくて、でも、デラックス盤が高額だったため※内容はほぼ10周年記念と同じ、安価な2CD盤を購入しました。

でも、聴いた瞬間に後悔……。

10周年記念盤とは明らかに違うリマスター音質でした。

結局、追加でデラックス盤も購入することに……。

 

デラックス盤にはリミックスにカップリング曲、アナログ盤とDVDが収録されていましたが……アナログ盤は一度も封から出していないのは言うまでもありません。2CD盤はDISC2がライブ盤だったので完全なダブりではないのがせめてもの救いかな?

 

でもまあ、そもそも90年代の作品なので、オリジナル盤自体の音質が良いのでリマスターに興味が無い方には『〇周年記念』盤は不要かもしれません。

 

ただ、オリジナル盤の唯一の欠点(?)は、1曲目の「エルビス・インパーソネーター:ブラックプール・ピアー」のアウトロのSEが、続く2曲目「ア・デザイン・フォー・ライフ」のイントロに切れ目なくかぶっていることです。※ア・デザイン・フォー・ライフを再生すると、冒頭にコンマ数秒、前曲のSEが残った状態になってます。10周年・20周年記念盤では、この曲間は違和感なくキッチリと分けられてますね。すごく丁寧なリマスタリングが行われていますね。

 

うーん、なので買うなら2009年の日本独自2CDエディションがお勧めかな……って言いたいところですが、こちらは限定生産商品だったため、現在はマニア向けプレミア価格になってますね。

 

マニックスは、さすがイギリス労働階級出身バンドだけあって、勤勉で働きものなので、アルバム未収録楽曲の数とクオリティが半端ないくらい膨大で、オリジナル・アルバム収録曲に劣らない楽曲が目白押しです。

↓オリジナル日本国内盤にボーナス収録された※しかもアルバムの途中(8、12曲目)に普通に収録この2曲、個人的には日本盤のこの編集は秀逸だったと思います。

 

興味のある方は、是非、サブスクで探して聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

THE ROLLING STONESのような、いわゆるオールド・ロックを聴こうと思った時に困るのは、作品の多さもさることながら、リマスター盤の多さもそのひとつではないでしょうか?

 

正直、僕自身、オールド・ロックと呼ばれる古い音楽を聴く(CDを購入する)際に困るのが、このリマスター盤の音質の違いだったりするのです。

 

なんてことを言うと、

は?

CDなんて買わんし?

ウケるwww

……と思った女子高生&女子大生&中二男子&サブスク・ユーザーの方々も多いと思います。

 

実際、サブスクや配信が主流の現在では、この手の悩みはほぼ解消されていると言っても過言ではないかもしれません。

 

ただ、ザ・ローリング・ストーンズに関しては※熱心なファンのブログによるとそーも言っていられないノッピキナラナイ事情があるようなのです。

 

…まあ、それは置いといて。

 

1965年 UK3rd、US4thアルバム

Out Of Our  Heads

 

 

ザ・ローリング・ストーンズのディスコグラフィ上で、初めてイギリス盤とアメリカ盤のタイトルが共通になった作品です。

 

……が、

騙されちゃダメだっ!

 

このアルバム、イギリス盤とアメリカ盤で収録曲が半分違うという混迷を極めたアルバムだったりするのです。

 

その理由は、前回※確か第2回あたりで書いた気がしますが、英・米のレコード発売における通例の違い……だそうです。

 

シングル曲をアルバムに入れないイギリス盤。

シングル曲を必ずアルバムに入れるアメリカ盤。

 

その結果、アメリカ盤には当時のヒット・シングル「サティスファクション」「ラスト・タイム」の2曲が収録され、

結果、ビルボード・チャートで1位を記録する大ヒット・アルバムとなりました。

 

しかもこのアルバム……

当時のストーンズがレコーディングの拠点をアメリカへ移していたこともあってか、アメリカ盤が先行発売され、イギリス盤が二ヵ月後に発売されるという逆転現象を起こしたアルバムでもあります。こーなるともう、イギリス盤とアメリカ盤のどちらがオリジナル盤なのか判断がつきません……。

 

しかも、カバー曲が多く収録されたイギリス盤に対し、シングル曲が収録されたアメリカ盤は、収録曲の半分がオリジナル曲という違いがあったりもします。

 

ここまでくると、もーアメリカ盤がオリジナル盤でよくね? なんて思ってしまうのは僕だけでしょうか?

 

ただ、ここで問題なのは、アメリカ盤に未収録のイギリス盤収録曲はどうなるの? どこで聴けるの? ってことなのですが。

 

さすが(?)は商売上手なアメリカさん。

Out Of Our Heads発売の数ヵ月後に、アメリカ盤に未収録だった6曲と、最新シングル曲や過去曲の中からアメリカ盤未収録だった曲を集め、アメリカ盤5thアルバム「ディセンバーズ・チルドレン」を発売してくれちゃいます。

しかも、アルバム・ジャケットがイギリス盤「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」と同じというカオスっぷり……。

 

こうなるともう……ストーンズのディスコグラフィはいったい何が正解なのかサッパリ分からなくなっちゃいますね。

 

ちなみに、「アウト・オブ・アワ・ヘッズ(UK)」の内容ですが、初聴き時に思ったのは、ビートルズの1stアルバムを聴いてるみたい……そんな感想でした。

 

これは、R&Bのカバー曲が多いのも理由ですが、それ以上にストーンズのポップ・センスが成せる業だと思っています。ついでに、ミック・ジャガーの歌い方がどことなくジョン・レノンっぽく聴こえるのも理由かも……。

 

ミックがジョンの歌い方を真似してる……ということではなく、ジョンはビートルズの中ではR&Bやブルース系の楽曲を担当することが多かったので、ガナるような歌唱になると、どーしても歌い方の雰囲気が似てしまうのだと思います。

※ただし、ジョンは65年頃にはボブ・ディランの影響で、歌詞を舐めるようなネットリした歌唱法に変わってましたけど……。

 

…で、

リマスター盤のお話なのですが。

 

実はお恥ずかしい話、僕が本気でストーンズを聴き始めたのは、彼らがデビューして40年以上経ってからでした。

 

もちろん、これほど有名なバンドなので、それ以前にも何度か中古でCDを買って聴いていたりはしてましたが、正直、若い頃にはストーンズの良さはまったく理解することができませんでした。

 

ホント、不思議なくらい、ストーンズの良さだけは理解できないし、できそうにない……。ずっとそー思っていました。

でも、いつの間にか……気が付くと好きになっていた。

【注】恋バナではなくストーンズの話…ストバナです。

なにゆえ?

その謎が解けたのは、お笑い芸人ダイノジさんのYoutubeチャンネル「ダイノジ中学校」を観た時でした。

まさに、ここで説明されている通りでしたっ!

 

で、僕がストーンズを本気で聴き始めたのは、2010年に発売された70~80年代リマスターBOXを購入したのが切っ掛けだったのですが…。

 

この商品はストーンズが2008年にユニバーサル・ミュージックに移籍したことで※70年以降のストーンズ・レーベルの作品の権利も同時に移ったそうです新たにリマスター再発されたCDをスリップケースに入れただけのマトメ販売BOXだったりします。

なので、アマゾンで販売されている高額ボッタクリ商品に騙されないようにしてくださいね。普通に単品CDが売っています。

2009年リマスター盤と呼ばれるCDです。※メインストリートのならず者のみ2010年リマスターです。

 

ストーンズは過去にも、1993年に英ヴァージンに移籍した際に70~80年代のアルバムをリマスター再発していますね。こちらは、いわゆる1994年リマスター盤と呼ばれるCDです。

 

ついでにもう一種類。

2011年にDSDリマスター盤がSACDで発売されてますが……。

SACDは再生に専用機器が必要だったり、SACD/CDのハイブリット盤(通常のCDとしても再生可能)があったりと、何だかよく分からない仕様で未だに手を出していない分野でして……。

今回のリマスター盤のお話からは除外させていただきます。

 

ちなみに、60年代のアルバムは「デッカ/ロンドン」時代と呼ばれ、楽曲の権利は別のレーベルが所有しているそうです。

確か、1970年にバンド自身がローリング・ストーンズ・レコードを設立して独立したことで、それまで所属していたレコード会社との間で訴訟問題が起きて裁判になったとか?

 

まあ、そういう経緯もあり、

ストーンズの作品は、「60年代の作品」「70年代以降の作品」が別々のレーベルから発売される状態になってしまっています。

 

と言っても、それ自体は問題ではありません。

各レーベルから、しっかりとリマスターCDが再発されています。

※レコード盤はリマスター音源ではなく、オリジナルマスター音源の方が重要視されているそうで……レコードは僕の守備範囲外なので良く分かりません。ゴメンなさい。

 

60年代の作品は、2002年にアブコ・レコードからリマスター盤が発売されました。その後、2016年にはオリジナル・アルバムのモノラル・リマスター盤が発売されています。

 

リマスターを担当したのは、両方ともボブ・ラドウィック氏という有名なエンジニアで、2002年盤&2016年盤ともに、すごく丁寧で高音質なリマスターに仕上がっているとのこと。特に、2002年リマスターの際には、リマスター作業を行うためだけに家が一軒買えるくらいの私財をつぎ込み膨大なアーカイブを全て確認した……なんて記事を読んだことがあります。

 

現在、サブスクや配信では※その後の〇周年記念盤は除いて基本的には2002年リマスター音源が採用されているそうです。

 

…で、ここで問題なのは、70年代以降の作品です。

 

英ヴァージンが発売した1994年リマスター盤を担当したエンジニアは、60年代作品も担当するボブ・ラドウィック氏でした

 

ところが、2009年リマスター盤を担当したのは、スティーブン・マーカソン氏とスチュワート・ウィックマン氏というエンジニアでした。マーカソン氏も有名なエンジニアだそうです。

 

ただ、ラドウィック氏とマーカソン氏のふたりには根本的な経歴の違いがあるそうです。※と熱心なストーンズ・ファンの方が言っています。それはなにか?

 

ズバリ、活動してきた※担当してきた作品の時代の違いです。

 

ラドウィック氏は、60~70年代のアナログ・レコード時代から活躍するエンジニアで、マーカソン氏は90年代から活躍するエンジニアなのだとか。※ちなみにマーカソン氏は、1994年発売の「ヴードゥー・ラウンジ」以降の作品を手掛けたマスタリング・エンジニアだそうで、普通にストーンズのアルバム制作にも携わっている方のようです。

 

でも、このふたりの経歴の違いが、1994年リマスターと2009年リマスターの音に如実に現れているそうなのです。

 

ええ~?

そんなこと言って、

実際は、ほんの些細な違いなんでしょ?

 

…なんて思って、僕が所有していた1994年リマスター盤と2009年リマスター盤の音質を聴き比べてみました。

 

驚きましたっ!

ガチで違うじゃんっ!

 

聴き比べた瞬間、音量に差があるにも関わらず、明確に音の方向性が違うのが分かりました。

 

ここまで音質が違うリマスターは珍しいかも?

 

1994年リマスターは、各楽器のバランスを重視した聴きやすいリマスター音質なのに対し、2009年リマスターは、ギターとドラムの音がガツンと前に出てきた迫力のあるリマスター音質になっています。

 

どちらが高音質に聴こえるかは、

人ぞれぞれだと思います……。

 

個人的な感想だと、70年代~80年代前半は1994年リマスターの方が、80年代後半※アンダーカバーから以降は2009年リマスターの方が音質が良く感じます。

 

ここら辺の違いが、エンジニアの違いなのかもしれません。

 

アナログ録音が主流だった時代の作品は、アナログ時代に活躍していたラドウィック氏のほうが音創りが上手く、デジタル録音が主流になった時代の作品は、デジタル時代から活躍しているマーカソン氏の方が音創りが上手い……みたいな?

 

以前、山下達郎さんのコラムだったかな?

マスタリングやリマスターのお話が書かれていたのですが、アナログ録音からデジタル録音に時代が変化した際に、どうにもマスタリングが上手くいかない時期があったそうです……。

 

そこで書かれていたのは、そもそもアナログとデジタルではマスタリングの考え方が違っていたのだとか?

 

アナログ・マスター(磁気テープ)というのは、録音したその時点から音質の劣化が始まるため、マスタリングの際には「音が劣化している」のを踏まえた強めのマスタリングを行い、しかも、当時の再生機器もそれを前提とした音響になっていたらしい…。

 

一方のデジタル・マスターは、一度録音すれば音質の劣化が起きないため、劣化を踏まえたマスタリングの必要が無い……のだけど、昔気質のエンジニアはアナログ時代の手法がカラダに染みついているため、本来は必要のない強めのマスタリング(職人技)の癖が出てしまい、出来上がったサウンドが思った通りのサウンドになっていないことが多い……みたいな、そんなお話です。

 

もしかすると、ストーンズの1994年リマスターと2009年リマスターにはそんなエンジニアの癖が出ているのかもしれません。

 

で、問題なのが、70年代以降のストーンズ作品のサブスクや配信は、基本的には2009年リマスターが採用されているということです。

 

なんてことを言っても、

…それで?

って感じの方も多いと思いますが、要するに、サブスクや配信は選択肢がないってことです。

特に、2009年リマスターは「音圧競争時代」の作品のため、アナログ音質好きの方からはあまり好かれていない傾向があります。

 

僕自身、最近のアナログ・レコード再燃と、それに伴うレコード音質を目指す現在のCDサウンドに慣れてきたせいか、2009年リマスターの音質は「高音が耳に刺さる」メリハリが強すぎるリマスターに感じてしまい、最近はもっぱら、1994年リマスターのCDばかりを聴くようになってしまっているくらいです。

 

まあ、気にしない方にとっては、「???」なお話ではあるのですが……こーゆーのも、もしかすると音楽好きオジサンによるロクハラの一種なのかもしれませんね。

 

ってことで。

興味のある方は、是非、リマスター盤の音質の違いなども気にしながら、ザ・ローリング・ストーンズを聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

確か、2010年前後からだったと記憶しているのですが……

ロックは不良が聴く音楽ではなく、

ロックはオジサンが聴く音楽だと言われるようになってきたように感じているのですが……気のせいでしょうか?

ご注意ください!

最近は、ロック好きオジサンが自身の経験を熱く語ったり、若者に対して「ロックが好きなら〇〇は聴かないと~」なんて否定的なアドバイスを行うことをロクハラ(ロック・ハラスメント)なんて呼んでるみたいですよ。

 

う~ん、確かに……。

ロック好きオジサンって、※僕も含め自分の好きな音楽を語り出したら止まらなくなっちゃいますもんね。特にストーンズの場合、ファンや識者が勧める「名盤」が同調圧力的に決まってしまっていて、それ以外は認めない、みたいな風潮が強い気が……。

 

……まあ、それは置いといて。

 

60年以上の活動歴を誇るロック・バンド、ザ・ローリング・ストーンズですが、実は彼らが「名盤」と呼ばれる作品をを生み出した「黄金期」は意外と短く、1968年~1972年の約5年間だと言われています。

誰が言ったのかは知りませんが、僕がストーンズを聴きだした頃にはそれが常識のように言われていたような気がします。

 

これだけを聞くと「え? ストーンズってダメダメじゃね?」なんて思う方がいるかもしれませんが、同時期に活動していたビートルズでも、音楽的な創作ピークは約5年くらいしかありません。って言うか、そもそもデビューから解散までの活動歴が7~8年という短さです。

 

そんなザ・ローリング・ストーンズが1965年に発売した

イギリス盤2ndアルバム

THE ROLLING STONES No.2

アルバム・ジャケットがUS盤2ndアルバム「12×5」と同じため、混同されがちですが……内容的にはUS盤3rdアルバムの「THE ROLLING STONES NOW!」に準じたアルバムとなっています。

いや、実際にはUK盤の「No.2」が先で、US盤は、UK盤「No.2」の内容から「12×5」の重複曲を外し、シングル曲やこれまでUS盤アルバムに未収録だった楽曲を追加して発売したのがUS盤の「NOW!」だったりするのですが……。

 

うーん、なんともヤヤコシイ仕様ですよね。

 

個人的には、この頃のストーンズ作品に「名盤」と呼ばれる作品が無いのは、カバー曲が中心の内容だったことと、UK盤・US盤のどちらがオリジナル盤なのかイマイチ明確になっていないことが原因のように感じてしまいます。

 

ビートルズは1965年頃には既に全曲オリジナル曲のアルバム「ラバーソウル」を発表し、ロックンロール・バンドから次のステップへの進化を始めた時期でした。

 

ストーンズの場合は、続く3rd(US盤は4th)アルバム「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」も基本的にはカバー曲中心のアルバムだし、その後はUS盤のみの5thアルバム「ディッセンバーズ・チルドレン」なども発売されますが、完全オリジナル楽曲のみの作品は1966年の「アフターマス」が初アルバムとなります。

 

 

アフターマスは、ファンに人気の高い「準名盤」的なアルバムだと言われています。

 

…が、問題はやはり、UK盤とUS盤で収録内容が4曲も違う上に、独自編集※と言ってよいのか?のUS盤の方が人気が高いこと…ではないでしょうか。何と言っても、US盤には人気曲「黒く塗れ」が収録されてますので。

※ちなみに以前書いた「THE ROLLING STONES in mono」ですが、US盤1st以外にもう1枚、ビトウィーン・ザ・バトンズ(US盤)も未収録でした。すみません。

ちなみに、ストーンズのアルバムでUK盤とUS盤の収録曲が違うのは、次作「ビトウィーン・ザ・バトンズ」までで、1967年発売の迷盤「サタニック・マジェスティーズ」からはUK盤・US盤の収録楽曲が全て統一されることになります。

 

これについては、何と言ってもザ・ビートルズが1967年に発表したロック界では世界初のコンセプト・アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の影響が大きいと思います。

 

それまでの、「アルバムはヒット曲の寄せ集め」という音楽業界の概念を覆し「ジャケット写真やアートワークも含め、アルバムはひとつの芸術作品」という新たな価値観を生み出したビートルズの凄さが分かる「名盤」の誕生です。

 

ちょっと面白いなと思うのは……。

「サージェント・ペパーズ~」を生み出したビートルズが、この後、空中分解するように解散へと突き進んで行くのに対し、サージェント・ペパーズの二番煎じと言われる世紀の駄作「サタニック・マジェスティーズ」を生み出したストーンズが、この後に「黄金期」を迎え4作の「名盤」を立て続けに生み出していくことではないでしょうか。

※……なんて偉そうに紹介している僕ですが、この時代の出来事は、僕が生まれる前のお話なのは言うまでもありません。

 

さて、そんなストーンズの名盤ですが。

一般的には……

ベガーズ・バンケット(68年)

レット・イット・ブリード(69年)

スティッキー・フィンガーズ(71年)

メインストリートのならず者(72年)

上記の4作が「名盤」だと言われています。

 

ただ、この4作……

初めて聴いた時はまるで良さが分からない作品ばかりでした。

 

特に…、熱心なファンのみならず、評論家や洋楽マニアや洋楽に目覚めたばかりの中二男子までもがこぞって絶賛する「メインストリートのならず者」に関しては、最初の数曲以外はただただ退屈な曲ばかりが並ぶ駄作とさえ思っていました。

 

う~ん……

もしかして、僕には名盤を理解するセンスが無いのか?

或いは、オープンGチューニングがなんちゃらかんちゃらみたいな、音楽知識を持っている評論家界隈にしか「名盤の良さ」は分からないのか?

 

そこで、ふと思い出したのが、

ロックはオジサンが聴く音楽だということです。

ええと……誤解の無いように言っておきますが、これは決してロック好きオジサンをディスってるとかそーゆーことではありません。要は、この作品が発売されたのが1972年だと言う意味です。

 

「メインストリートのならず者」は、ストーンズ初の2枚組のスタジオ・アルバムになった…と、ウィキペディアにも書いてあります。

 

そーなのです。

元々「メインストリートのならず者」は、アナログ・レコードの時代に発売された作品なのです。

 

そこで、ウィキペディアに書いてある通りに、Side1~Side4に分けて聴いてみました。

 

使用したのは、iOS版の「Vinyl Tetish」アプリです。こちらはiTunesライブラリの楽曲を読み込んで再生するアナログ・レコード・シミュレーター・アプリです。配信やサブスク対応かは分かりませんが、CDから取り込んだ音源は普通に再生できます。

※レコードのノイズなど、一部有料機能(定額制?)もありますが、A面・B面に分けて再生するなどの基本機能は無料で使用可能です。

 

Side1

ロックス・オフ

リップ・ジス・ジョイント

シェイク・ユア・ヒップス

カジノ・ブギー

ダイスを転がせ

 

Side2

スウィート・ヴァージニア

トーン・アンド・フレイド

黒いエンジェル

ラヴィング・カップ

 

Side3

ハッピー

ターン・オン・ザ・ラン

ヴェンチレイター・ブルース

彼に会いたい

レット・イット・ルース

 

Side4

オール・ダウン・ザ・ライト

ストップ・ブレーキング・ダウン

ライトを照らせ

ソウル・サヴァイヴァー

 

これ…いわゆる、アナログ・レコードのA~D面ってことです。

各Sideとも、約17分で収録されていました。

 

CDで聴いた時には全18曲のアルバムだったのが、アナログ・レコードの並びを意識して聴いてみると……

 

ロックンロール・ブルースなSide1

カントリー・フォークなSide2

ブルース・R&BなSide3

ブルース・ゴスペルなSide4

 

そんな感じでキッチリ分けられていて、しかもその5曲&4曲の繰り返しの中で、きちんと緩急や盛り上がりなどの流れもある。

そんなアルバム構成になっていることに気が付かされました。

 

しかも、飽きることなく聴ける!

 

なるほどっ!

オジサンが聴く音楽は、当時のオジサンが聴いていたスタイルで聴くのが正しい聴き方なのかっ!

※もう一度言いますが、決して音楽好きオジサンをディスっているわけではありません。

 

ってことで、他のアルバムもアナログ・レコードのA面&B面を意識しながら聴いてみると、片面約20分という時間制限の中に込められたミュージシャンのコダワリ……みたいなモノが見えてくる気がした、と言うのは僕の気のせいでしょうか?

 

そして、そーゆー聴き方をしてみると、シングル曲が詰め込まれたアメリカ盤よりも、本来のバンドの意向が詰め込まれたイギリス盤のほうが聴き応えがあるように感じる……というのはある種のプラシーボ効果なのかもしれません。

 

興味のあるかたは、是非、アナログ盤に沿ったプレイリストでローリング・ストーンズを聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

昭和の時代……

ロックは不良が聴く音楽だと言われていましたが、実はこの価値観は、ザ・ローリング・ストーンズの影響が大きいのではないか……と、言われているそうです。

1960年代初めに登場したイギリスの2つのバンド。

礼儀正しい優等生バンド「ザ・ビートルズ」に対し、ぶっちょう面の不良バンド「ザ・ローリング・ストーンズ」です。

 

まるで正反対なイメージの2つのバンド。

でもこれは、デビュー当時のマネージャーによる戦略でした。

 

実は、ザ・ビートルズのメンバーはイギリス労働階級の出身で、デビュー前の彼らは、革ジャンにリーゼントで酒を飲んでステージに上がり観客と乱闘騒ぎを起こすような…まさに不良バンドの見本のようなグループだったそうです。

 

そんなビートルズの不良スタイルを一変させ、スーツ姿にマッシュルーム・カットで礼儀正しい優等生バンドを演じさせたのは、当時のマネージャーであるブライアン・エプスタインでした。

※それでもデビュー当時はビートルズも「子供に聴かせたくない音楽」と思われていたそうですが……。

 

逆に、ローリング・ストーンズのメンバーは、いわゆる裕福な中流階級の出身で、大学にも通う普通の若者だったそうです。

 

そして、ビートルズから遅れること1年。デッカ・レコード※ビートルズをオーディションで落選させて逃したレコード会社からデビューしたストーンズは、ビートルズをライバル視するレコード会社&マネージャーの戦略で、ビートルズとは真逆の「不良グループ」として世に売り出されることになったそうです。

※ストーンズの不良スタイルのおかげで、ビートルズは「良い子」と世間に認識されるようになったそうですね……。

 

そんな経緯があるためか?

60年代のストーンズは、ことあるごとにビートルズと比較され、ライバル・バンドとして活動していくことになるのですが……。

 

……まあ、それは置いといて。

 

1964年発売

US盤2ndアルバム

12×5

2002年盤はステレオ音源※一部モノラル

2016年盤はモノラル音源。

実はこのアルバム、本国イギリスでの発売はなく、アメリカのみで発売された2ndアルバムだったりします。

 

正直、最初は意味が不明でした。

何でアメリカだけでアルバムを発売してんの?

ちょっとストーンズの皆さん、カオスが過ぎません?

 

まあ、そこには色々と理由があるそうで……。

 

当時、すでにアメリカ進出を果たしていたビートルズの後を追い、ストーンズもアメリカ・ツアーへと出発するのですが……

 

ストーンズのマネージャーであるアンドリュー・オールダムが米国の音楽を愛し、フィル・スペクター※米国の音楽プロデューサーを崇拝していたこともあり、※アメリカ・ツアー自体は失敗したもののシカゴ・ブルースの聖地であるチェス・スタジオで新曲のレコーディングを行うことになったそうです。

 

当時は、アメリカのレコーディング技術はイギリスよりも質が高く、録音の素晴らしさも群を抜いていたのだとか。

 

ツアー後にイギリスに戻ったストーンズは、さっそく、チェス・スタジオで録音した楽曲をシングルとして発表。

さらに、チェス・スタジオ録音の楽曲でEP盤「5×5」を発売。

 

…で、その頃、アメリカでもストーンズのシングル曲がチャートのトップ10に入る人気を獲得し始めます。

その好調を受けて、アメリカのレコード会社「ロンドン」は、バンドに対して2作目のアルバム・リリースを要求してきます。

そこでストーンズは、イギリスのEP盤「5×5」の楽曲に、シングル曲を組み入れたアルバム「12×5」をアメリカでリリースすることになったようです。

 

そして「12×5」の発売以降、フィル・スペクターを敬愛するマネージャーと、ブルースやR&Bに傾倒するストーンズの面々は、レコーディングの拠点をイギリスからアメリカへ移し、作品もアメリカが先行する形でリリースされるようになっていきます。

 

どうやらこの背景には、ストーンズと契約した英デッカ・レコードが、ストーンズ側に自由に作品を作る権利とレコーディング・スタジオを限定しないこと、レコード会社の立ち合い無しでレコーディングする権利などを与えたから…と言うのもあるようですね。※これもビートルズとは真逆だったとか?

 

ちなみに……その後に発売されるイギリス盤2ndアルバム「THE ROLLING STONES No.2」は、収録曲がホトンド違うにも関わらずアルバム・ジャケ写が「12×5」と同じものが使われる……なんてさらなるカオスっぷりでした……。

 

すでにこの時点で、イギリス盤とアメリカ盤でアルバムの枚数が違う…という難解な状況が生まれてしまっていたのですね。

※イギリス盤の2ndアルバムについては次回で取り上げようと思います。

 

そーゆー理由もあってか?

2016年に「THE ROLLING STONES in mono」で復刻されるまで、イギリス盤の1st、2ndアルバムCDは長らく廃盤の状態が続いていたそうです。

 

そして、ちょっと面白い※分かり難いのがウィキペディアに掲載されたストーンズのディスコグラフィなのですが……。

 

メインサイトに掲載されているディスコグラフィは、基本的にイギリス盤を基準に掲載されているにも関わらず、この「12×5」が、まるで共通の2ndアルバム的な位置に掲載されているということです。※同様にアメリカ盤5thアルバム「ディッセンバーズ・チルドレン」も共通のように掲載されています。

そのため、ウィキペディア上ではストーンズのオリジナル・アルバムは27枚という扱いになってしまっています。

 

なんてことを書くと、

それの何が問題なの?

と、首を傾げる女子高生&女子大生&中二男子&アパレルショップ店員の方々がいるかもしれませんが……、ここで問題となるのが、イギリス盤とアメリカ盤で収録曲が違うという、60年代式のカオスな販売スタイルだったりするのです。

 

実際に、2016年に発売された「THE ROLLING STONES in mono」に収録されたオリジナル・アルバムを、iTunesのプレイリストで並べて編集してみると…。

※MONOボックスにはUS盤1st以外はUK盤・US盤全てのオリジナル・アルバムが収録されています。

 

イギリス盤は、アメリカ盤には収録されている楽曲27曲が未収録の状態になっていました。しかも未収録曲の中には、ストーンズ最大の有名曲と言われる「サティスファクション」「黒くぬれ」の2曲が含まれているという困惑っぷりです。

本国イギリス盤に、これほどの未収録楽曲があるなんて……。

ちなみに、UK盤オリジナル・アルバムに未収録の楽曲はシングル・ヴァージョンなども合わせて50曲以上にのぼります。それらは全てMONOボックスのUK盤オリジナル・アルバム、UK編集盤、ボーナス・ディスクに全て収録されています。

 

さらにもうひとつは……。

これはオリジナル盤ではなく、2002年リマスター盤での問題なのですが、2002年にSACDとのハイブリットCD盤として発売された60年代作品※〇周年記念やMONOボックスを除くとこれが最新リマスター盤のようです。では、60年代ストーンズ楽曲で多くのステレオ録音音源が発掘されたそうなのです。

 

特に、チェス・スタジオでのステレオ録音はかなり音質がよいものだったとか。当然、2002年盤「12×5」はステレオ音源でリマスター再発されています。

 

……が、問題は、収録曲中でステレオ音源なのはチェス・スタジオで録音された6曲のみ。残りの6曲は従来のモノラル音源のままになっています。つまり、EPやシングルを寄せ集めて作った現行のステレオ盤「12×5」は、1枚の作品中にステレオ音源とモノラル音源が混在する、今ではちょっとアリエナイ仕様のアルバムになってしまっているのです。

 

ここで悩ましいのが、ステレオ盤とモノラル盤はどちらが良いのか……ということではないでしょうか?

 

僕は、2002年リマスターBOXを購入した後に、2016年mono BOXも購入したのでどちらも聴いてはいるのですが、実際にどちらの音源も甲乙つけがたい出来だと思っています。

 

ステレオ盤を聴くと、各楽器の分離が良く、それぞれの演奏を細かく聴くことができる反面、60年代的ステレオ・バランスに違和感を感じてしまうのも事実です。

また、ステレオ盤の特徴なのか、ドラムスの音がやたら弱く迫力の無い演奏に感じてしまいます。

 

モノラル盤を聴くと、音が全てひとつになっているため、ツイン・ギターのサウンドなど細かな音が聴き難い反面、ドラムスの音がセンターにある分、自然でカッコいいバンド・サウンドに仕上がっている気がします。

 

 

まあ、今はサブスクでステレオ盤もモノラル盤もどちらも簡単に聴ける時代ではあるので、そんなに頭を悩ませる問題ではないのかもしれませんが。

 

興味のある方は、是非、ローリング・ストーンズの60年代作品を聴いてみてくださいね。

 

 

 

 

 

実はココだけの話……

僕がザ・ローリング・ストーンズを初めてリアル・タイムで聴いたのは、1994年発売の「ヴードゥー・ラウンジ」だったように思います。※それでも30年前ですが……。

 

The Rolling Stonesは、活動歴60年以上を誇るイギリス出身のロック・バンドです。

 

現在までに25枚の……いや27枚の?

オリジナル・アルバムを発表している老舗バンドなのですが、今の若い世代の方々の中には、彼らの作品をアルバム単位でまるっと聴いたことがある人はホトンドいないのではないでしょうか?

 

……なんて偉そうなことを言っている僕も、ストーンズの良さが理解できたのは、実はここ15年くらいの話だったりします。

 

とはいえ、これほど有名なバンドです。

一度や二度…、いや、三度や四度や五度くらいは「その良さを理解してみよう」と彼らのアルバムを義務教育的に聴いていた時期がありました。それこそ、中学・高校・大学・社会人と……何度もトライしてみては挫折の繰り返し。

 

…とまあ、それは置いといて。

 

今回から、少しずつですがアルバム紹介なんてものをしてみたいと思います。

 

とは言え、第1回でも書いた通り、僕は熱心なストーンズ・ファンではありません。ハッキリ言ってニワカ・リスナーです。

なので、かなり的外れなアルバム紹介になるのはご了承ください。熱心なファンの皆さまは、是非、ふふんと鼻で笑って読み流してやってください。

 

The Rolling Stones

ザ・ローリング・ストーンズは今から63年前の1963年にデビューしたイギリスのロック・バンドです。

 

…で、いきなりですが。

ストーンズを聴こうとした矢先に出鼻を挫かれるのが……

彼らのデビュー・アルバムが2種類存在するという、なんとも摩訶不思議な現象に遭遇してしまうことではないでしょうか。

1964年発売 デビュー・アルバム

①THE ROLLING STONES

②ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS

 

何で別タイトルで2種類あるの? と、思った皆さん。

これ、実はイギリス盤とアメリカ盤の違いだったりします。

そして、ここで厄介なのが……

イギリス盤とアメリカ盤で

収録曲が違うという謎現象です!

 

いや、どうやらコレ……謎現象でも何でもなく、60年代のレコードあるあるなのだとか。

 

当時の音楽業界はアーティストの権限が弱い時代で、レコードの収録曲はレコード会社が勝手に変更するのが当たり前の時代だったそうです。

 

その際に厄介だったのが、イギリスとアメリカというふたつの国で、微妙な音楽文化の違いがあったということです。

 

例えばイギリスでは「EP」※今でいうミニ・アルバムという販売形態が一般的だったのに対し、アメリカではEPを発売するという文化が無い。イギリスでは「EP」で発売した曲はアルバムに収録しないのが一般的だったのに対し、アメリカではアルバムには必ずヒット曲を入れ、しかも収録曲は12曲までという制限つきだったり……。

 

そんな違いがあったため、彼らの2枚のデビュー・アルバムは、収録曲が違う上に、オープニングの曲まで違うという変則仕様だった……と、そんな話でした。

 

でもまあ、そこはまだデビューしたての新人バンドです。

持ち曲(発売済の楽曲)自体も少なく、作中の曲が差し替えられたのは1曲のみ。

 

イギリス盤の「THE ROLLING STONES」は「ルート66」からスタートするところを、アメリカ盤の「ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS」は、アメリカでのデビュー・シングル「ノット・フェイド・アウェイ」から始まり、その分、「モナ」という楽曲が未収録となりました。※「ノット・フェイド・アウェイ」はイギリス盤には未収録です。

違いはその程度……

なのですが、この違いで、アルバムに対する印象がガラリと変わってしまいます。アルバムの顔とも言えるオープニング曲が違うのだから当然と言えば当然です。

 

勢いとノリのある「ルート66」で始まるイギリス盤はロックンロールな印象が強いのに対し、キャッチーな「ノット・フェイド・アウェイ」で始まるアメリカ盤はロックンロール味が薄い印象を受けました。

 

ちなみに、この2枚のデビュー・アルバム。なぜか長い間イギリス盤が廃盤となっていたため、アメリカ盤が正式なデビュー・アルバム的な扱いになっていたようです。

 

2002年に60年代の作品がリマスター再発された際も、発売されたのはアメリカ盤のみだったようです。僕自身、最初に聴いたのはアメリカ盤の「ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS」でした。

 

逆に(?)2016年に発売された「THE ROLLING STONES in mono」BOXにはアメリカ盤1stは収録されず、イギリス盤のみが収録されています。しかもなぜかこの1枚だけが……。

 

内容的には、当時のローリング・ストーンズはまだ自作曲を作る能力に乏しく、収録曲12曲中の9曲がカバー曲です。※というか、当時はそれが当たり前だったそうです。しかも、60年代のモノラル録音作品です。初聴き時は、やたら古臭くてショボい印象でした。今現在、一般的に認知されているローリング・ストーンズとは声も演奏もまるで別物です。

 

ギターの音色をエフェクターで歪ませる……なんて技術や発想が無い時代なので、ギターもテロテロしてて薄っぺらいです。

 

でもそこがいいっ!

 

それに気が付くまで2~3年くらいかかったかも?

 

いや、実際には、僕自身が古典ブルースに傾倒した時期がなければ、いまだに初期ストーンズの良さは理解できなかったかもしれません。古典ブルース※40~50年代の黒人ブルースを経由して聴いたローリング・ストーンズは、無茶苦茶カッコいいブルース・バンドでした。

 

ここら辺が、ブライアン・ジョーンズ(ギター)時代のストーンズがカッコいいと言われる理由なのかもしれません。

 

ちなみに、ブライアン・ジョーンズはストーンズ結成時のオリジナル・メンバーで初代リーダーです。

スライド・ギターの名手で、ブライアンのギター演奏に感銘を受けたミックとキースがブライアンを誘って結成したのがローリング・ストーンズなのだとか。

 

初期のストーンズが「R&Bバンド」を名乗っていたのもブライアンのコダワリだそうです。

 

だた、当時のストーンズはビートルズのライバル・バンド的な立ち位置にいたため、自作曲でヒットを連発するビートルズと同様のスタイルを求められ……※ジャガー&リチャーズのコンビが作詞・作曲の才能を開花させてきたこともあり、追いつめられていったブライアンはドラッグに溺れ、1969年にバンドを脱退し……同年に27歳の若さで急死してしまいます。

 

ロック界の都市伝説「27クラブ」※ロック・スターは27歳で死亡するの最初のひとり……的に言われているそうです。

 

「27クラブ」にはクロスロード伝説のロバート・ジョンソンを始め、ブライアン・ジョーンズ、ジミヘン、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウスなどなど、様々なロック・スターが名を連ねていますが……信じるか信じないかはアナタ次第です、って感じでしょうか。

※クロスロード伝説は、十字路で悪魔と出会ったロバジョンが、自分の魂と引き換えにギターのテクニックと名声を手に入れ、27歳の若さで死亡した……という有名な逸話ですね。

 

興味のある方は、是非、ブルース・R&B全開な初期のローリング・ストーンズを聴いてみてくださいね。

 

ちなみに、ストーンズのアメリカ盤2ndアルバムは「12×5」というタイトルで、こちらはイギリスでは未発表と、さらにカオスな状況になっているのですが……これについてはまた次回ということで。