ついに魔神王デミウルゴスと漆黒のモモンの戦いに決着が……
原作:丸山くがね
作画:深山フギン
オーバーロード第13巻です。
漫画版の最新巻ですね。
※2020年3月24日時点。
原作小説の第6巻までの内容が一応全て終了したことになります。
ちなみに、原作小説最新刊の第14巻ってフィギュア付き特捜版なんてものが発売されてたんですね。しまった……。熱心なファンじゃない僕は通常版を買っちゃいましたよ……。
さて、今回お勧めのBGMは……
相も変わらずメシュガーの「伏魔殿」ですね。
収録曲を見れば「ああ、なるほどね!」って思っていただけると思います。漫画版第13巻で大活躍のあのキャラクター名そのままの楽曲が収録されていますね。
デミウルゴスとモモンが戦う?
まさかデミウルゴスが裏切りか?
当初、原作小説の予告(?)を見た時はスッカリ騙されてしまったものです。いやぁ~人が悪いって言うか、煽り販売戦略に完全にはまってしまっちゃいましたね。
漫画版の第8巻から始まった「王国の漢たち」編が完結です。
web小説版とはかなり違う内容にアレンジされています。
web小説版は、八本指の娼館に乗り込んだセバスを援護(監視)するために控えていたデミウルゴスがイビルアイと遭遇しバトルの勃発。
※原作では最初の娼館襲撃エピソードですね。
「国堕としイビルアイ(人間社会では最強の部類)」と、web版では戦闘には向かないデミウルゴスの戦い……です。
まあ、結果は……あまりのレベルの違いにイビルアイが逃げ出してアッサリ戦闘終了です。
まあ、web版にはそもそも漆黒のモモンが登場しないので、この後の展開は書籍版(原作小説)で加筆された内容になりますね。
漫画版の第12巻は、僕的には原作小説の圧勝でした。
正直、原作小説の面白さがまったく再現されていない漫画だなって思ったくらいです。これは、原作の恋するイビルアイの心情が上手く描かれていなかったためですね。
漫画版の第13巻は、僕的には漫画版の圧勝です。
確かに、原作では丁寧に描かれていた説明がイマイチ抜けている部分はありますが、読んで思った感想は、「原作小説よりも事件の展開や内容や結末がスッキリ分かりやすくなっている」でした。
実は、お恥ずかしい話……
原作小説の第5巻~第6巻を読み終わった後
で? 結局、ナニだったの?
ってそんなふうに思っちゃったわけです。
デミウルゴスが何の為に八本指の拠点を襲撃し、なぜ王都で事件を起こし、モモンと戦った結果、最終的にどうなったのか?
小説を読んでも……「???」って感じでした。
いやまあ、前回、書籍版14巻を紹介した際にも書きましたが、熱量の違いがあると思います。
熱心なオーバーロード・ファンじゃない僕は、正直言うと、原作6巻の後半はもう読むのに疲れてて、かなり飛ばし読みしてた気がするもの。
音楽を聴く時に、BGMとしてサラッと聴くか、細部の音にまで意識を集中して聴くかの違いみたいなものです。
僕は、原作をサラッと流し読みしちゃってたんですね。
※現在、書籍版第1巻から再読してるので熱心なファンの皆さん、ゆるしてやって下さい。
ってことで、ここからは(やっと)ネタバレ全開でストーリー紹介です。
今回は、第8巻から始まった「王国の漢たち」編全体を紹介しようと思います。
【漫画】オーバーロード第8巻
第8巻前半(86ページまで)は、前エピソードのリザードマン編が描かれています。「王国の漢たち」編は中盤から開始です。
リ・エスティーゼ王国の王都
シャルティアとの戦いで絶望的なレベル差に心が折れたブレインが、王都でガゼフと再会するところから物語が始まります。
剣の天才と言われたブレインが廃人のように無気力になっている。
ガゼフはブレインを保護し、自分の家に連れていきます。
一方、王国の裏社会を牛耳る組織、「八本指」の壊滅のため暗躍する王女ラナーとその友人で貴族であり冒険者のラキュース※最高レベル冒険者「蒼の薔薇」のリーダーです、幼少期に貧民街で死にそうになっていたことろをラナーに救われ、ラナーに対し絶対の忠誠と恋心を抱く少年兵士クライム。
今回の「王国の漢たち」編は、登場人物の人間関係、地位的葛藤、政治問題などなど……バックグランドがグッと濃いお話になりますね。
我らがナザリック軍営は……
周辺国家の情報収集の為、ナザリックの執事、セバス・チャンが戦闘メイドのひとりソリュシャンと共に王都に潜入……なのですが、第8巻では一切活躍しません。
第8巻で印象的なのは、少年兵士クライム(一応今回の主役?)の熱く純粋で真っ直ぐな正義感とラナー王女への忠誠と恋心。
王国戦士長ガゼフ(第1巻で登場)の正義漢っぷり。
そして、王国の宝と称される美貌の王女、ラナー王女の天才的頭脳とクライムへの愛。
……ですかね。
第8巻は、前半にリザードマン編があるため、「王国」編はサワリ程度の紹介的内容になってる気がします。
【漫画】オーバーロード第9巻
今回から、本格的に「王国」編の始まりです。
王都で情報収集をするダンディ紳士執事のセバス・チャンが目立ってます。ナザリック陣営において比較的正義感の強いキャラですね。
※この作品を知らない方のためにちょっと補足しておきますと、主人公のアインズはじめナザリック陣営は全員人外の魔物・悪魔なので、人間が生きようが死のうが我関せずって感じです。ナザリックに敵対する相手は基本的に惨殺惨殺惨殺です。
セバスが人間に対して…というか、弱者を守ろうとするのはセバスの制作者「たっち★みー」がそういう性格だったからですね。
セバスは八本指の娼館の前で、ボロボロに傷ついた女性ツアレを助け保護しちゃいます。そのことで八本指から狙われてしまうんですね。
※表向きは大貴族の執事ということになっているので、金をむしり取ろうと八本指がチョッカイを出してきた感じですね。
さらにツアレ(人間)を助けたことで、ナザリック陣営からも「裏切り?」と疑いの目を向けられちゃいます。
【漫画】オーバーロード第10巻
情報収集のため街へ出たセバスとクライムが出会いっちゃいます。
街で暴れる酔っ払いを倒したセバスの強さを見たクライムが、自分に稽古をつけてほしいとお願いしてくるんだね。
そしてもう一人、生きる気力を無くしていたブレインも、偶然、セバスの強さを目撃し、セバス、クライム、ブレインの3人が知り合いになっちゃいます。
ラナー王女直属の兵士であるクライムは、セバスが八本指の暗殺者に襲われたことで、ブレインと協力し、娼館の討伐に参加しちゃいます。
ちなみにセバスはナザリック陣営の中では最強レベル級のNPCなので、人間が太刀打ちできる強さじゃありません。
セバスと同じ最強レベルのシャルティアは、人間界最強の剣士と言われるブレインと戦った際、アクビしながら小指一本で戦ってましたね。
セバス、ブレインと共に、クライムが八本指の娼館を討伐したことで、ラナー王女の「八本指壊滅作戦」が大きく動き始めます。
それと同時に、王国の宝と呼ばれる心優しき美貌の姫、ラナー王女の歪みに歪みまくった裏の顔が露見しはじめますね。
【漫画】オーバーロード第11巻
セバスがお屋敷※王都での仮住まいに戻ると、そこには、アインズはじめナザリックの階層守護者が待ち構えてます。
セバスに裏切りの可能性がある。
無断で人間(ツアレ)を助け、そのことを報告しなかったことで、セバスは裏切り者としての疑いをかけられてます。
アインズはセバスに裏切りの意思がないことを確認し一安心。
これで、セバスの王国での情報収集任務は終了……のはずが、八本指がツアレを誘拐しちゃうんですね。
※この頃にはセバスとツアレの間に淡い恋心が生まれ始めてますね。
憤怒したのはアインズと階層守護者の面々です。
アインズ・ウール・ゴウンの名のもとに保護したツアレをさらうということはナザリックを侮っているということ。それは許されることではない。
ナザリックが八本指残滅に動き始めます。
一方で、ラナー王女による「八本指壊滅作戦」も進行中。
クライム、ブレイン、そしてラキュース率いる蒼の薔薇の面々が、八本指の本拠地に同時奇襲を仕掛ける計画ですね。
八本指の拠点の一つ(ツアレが監禁されてる)に出向いたセバスと、クライム&ブレインが再会。一緒に八本指の拠点を討伐することになります。
セバスの前に立ちはだかるのは、八本指最強の暗殺集団です。
結果は……瞬殺です。「本来なら5秒で終わっていたところ、警戒心を刺激されたため20秒もかかってしまった」そうです……。
そして、ここからはデミウルゴスによる計画第2段階の始動です。
【漫画】オーバーロード第12巻
ラナー王女による「八本指壊滅作戦」と同じタイミングで、デミウルゴスによる「八本指残滅作戦」が動いているため、八本指の拠点のひとつで戦闘メイドのエントマと、蒼の薔薇が鉢合わせしちゃいます。
当然、戦闘開始です。
最強の冒険者チーム「蒼の薔薇」のガガーラン、ティアを手玉にとるエントマ。そこへ、国堕としイビルアイが登場します。
実はイビルアイ、吸血鬼です。人間ではなく不死者なんですね。
エントマの使う蟲を見たイビルアイは、200年前に戦った「魔神」の中に同じ技を使う者がいたと、その時に編み出した「殺虫」魔法を使用。
見事にエントマを撃破します。
そしてエントマにトドメを刺そうとしたところへ、仮面をかぶったデミウルゴスこと、ヤルダバオトが登場です。
ヤルダバオトはガガーランとティアを瞬殺です。
絶体絶命のイビルアイを救ったのは、そこへ駆けつけた漆黒のモモンでした。
モモンの強さを目の当たりにしたイビルアイは、200年ぶりに乙女のようなトキメキを感じてしまいます。※このエピソードは原作小説の方が声を出して笑いたくなるくらい徹底的に面白く描かれてますね。
モモンの強さを知ったヤルダバオトは一時撤退です。
困惑するのはモモンこと、我らがアインズ様。
なぜ、自分の部下が自分の敵として目の前にいるのか?
どうやら、ヤルダバオトは八本指が王都へ持ち込んだマジック・アイテムを回収する為にやってきた……という茶番劇。
これにより、ラナー王女が指揮する「討伐隊」……モモン、蒼の薔薇、クライム、ブレイン、その他冒険者と、ヤルダバオト率いる悪魔軍が王都の中で攻防戦を繰り広げることになっちゃいます。
【漫画】オーバーロード第13巻
ラナー王女の「討伐隊」はヤルダバオト率いる悪魔軍の強さの前に防戦一方です。頼みの綱は、ヤルダバオトと互角の強さを持つ漆黒のモモンのみ。
モモンがヤルダバオトを倒してくれればこの戦いが終わる。
ヤルダバオト討伐に向かったモモン、ナーベ、イビルアイの前に立ちはだかるのは、仮面をつけた戦闘メイドの皆さま……。
※ちなみにモモンの相棒ナーベも戦闘メイドの一員ですね。
この熾烈なバトル……
マジメに戦っているのはイビルアイだけです。
ナーベは他の戦闘メイドとじゃれ合いながら戦い、物陰に隠れて「いや~ん久しぶり~」ってキャピキャピ・モードです。モモンと一緒に外へ出てるナーベは、久しぶりの仲間との再会みたい。
一方のモモンは、ヤルダバオトことデミウルゴスと戦闘……のふりをして、テーブルを挟んで首脳会談中です。
「お前の計画の全てを話してもらおうか」
デミウルゴスの考えた計画はこうでした。
計画その1
王都の倉庫区を占拠し、そこにある物資を根こそぎナザリックへ持ち帰り運営資金とする。
計画その2
倉庫区から物資を奪うことで、八本指の拠点を襲撃したことを誤魔化すことができる。
計画その3
王都の人間をさらい、ナザリックで様々な実験や用途に使用する。
そしてこれらの事件は全てヤルダバオトの悪評となる。
計画その4
ヤルダバオトの悪評は、この後、聖王国で起こす事件の実験台にできる。
ということで、モモンとヤルダバオトの壮絶な茶番劇バトルの再開です。
「わたしの防具に傷をつけてくれないか」
「では、鎧を脱いでいただけますか、そのまま攻撃を仕掛けるのは…」
……と、まあ、相変わらず、絶対の忠誠を誓うデミウルゴスと支配者アインズのやり取りです。
そしてこの壮絶な戦いの結末は……
八本指が持ち去ったマジック・アイテムを回収できないのは残念ですが、撤収させていただきます……
ヤルダバオトはモモンの強さに敬意を表し、王都から立ち去るのでした。
その後は、2エピソードでナザリックのほのぼの(?)とした日常が描かれてますね。
原作では……第8巻辺りのエピソードだったでしょうか?
うろ覚えでごめんなさい。
アルベド様ご乱心や、サキュバスなのに清らかな乙女(処女)のアルベド様や、男性陣が一緒に温泉エピソードなどなど……
一先ず、「王国の漢たち」編は終幕ですね。