相続時には相続登記に関する様々な手続きを行う必要があり、相続税が掛かる人だけが行わなければならないわけではありません。
- 故人様に関する出生から死亡までの戸籍収集
- 相続人の印鑑証明書・住民票
- 相続人全員同意による遺産分割協議書の作成
- 不動産保有者が亡くなった際の名義変更
- 車所有者が亡くなった際の車の名義変更
これらは相続税申告を行う人だけではなく通常の相続を行う方でも必要な項目です。
また最近増えている副収入がある方が亡くなった場合、故人の所得が20万円を超える場合、準確定申告が必要です。
この手続きも亡くなった方は当然準確定申告ができませんので、代わりに相続人が行う必要があります。
準確定申告とは?
準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)の収入に対する確定申告のことを言います。
生前に収入があった人が亡くなった場合に行う必要があり、本来は本人が行う確定申告を、相続人が本人に代わって行います。
相続時の税金に関しては「相続税」が先にイメージされますが、近年本業以外の副業などを行っている人も増え、高齢社会の影響により死亡者数が増加しているため、今後も準確定申告の件数は増加する見込みです。
亡くなった本人の代わりに子どもなどの相続人が代わりに行う手続きとなるため、本人しか理解していないことも多く、書類も集めなければならないため、相続人の負担になっている現状があります。
準確定申告が必要な人
準確定申告が必要な場合は一般的に下記の該当者となります。
- 事業所得がある方
- 不動産による所得がある方
- 給与以外で年間20万円以上の収入がある方
- 公的年金が年間400万円以上ある方
- 複数の企業から収入がある場合
- 年収2,000万円以上の給与の方
本人が死亡時は「相続人」が代わりに行う必要がある
相続発生時には亡くなった本人が準確定申告を行うことができませんので、相続人となる方が代わりに準確定申告を行う必要があります。
亡くなった故人の副収入が年間20万円以上ある場合、相続手続きを行うと同時に準確定申告も行います。
- 土地を人に貸している方
- 株取引やFX取引などで利益確定をを行っている方
- 副業で別収入がある方
これらに該当する人が働き方の変化で増えており、準確定申告を行う人が増えています。
故人の収入状況を相続人である遺族が理解をしていないとこの作業もかなりの時間が掛かります。
原則「故人が亡くなってから4ヶ月以内」で準確定申告は行わなければならないため、相続人は相続手続きだけではなく、準確定申告にも注意を払う必要があります。
準確定申告を行える税理士が相続税申告もできるわけではない
準確定申告も相続税申告も「税理士が行う仕事」ではありますが「準確定申告ができる税理士が相続税申告を得意としているわけではありません」
理由として準確定申告と相続税申告は「必要な分野が異なるため、全く知識と作業内容が異なります」
そのため、税理士の資格を持っている方でも「専門分野」が異なるため、「税理士の使い分け」「長けている税理士を見つけ出す」ことが必要となります。
同じ士業と言っても専門性や得意としている実務が大きく異なるため、注意が必要です。