高齢者の増加や死亡人口の増加により年々終活という言葉が注目され、葬儀や供養に関する関心が高まっています。
その中で「東京23区の主な火葬場が2024年6月より値上げが行われ基本価格90,000円」という全国でも特に高額の火葬費用の高さが注目されています。
東京23区の火葬場値上げ：2024年6月より基本料金90,000円
東京23区の火葬場6ヶ所では2024年6月より火葬費用の基本料金が従来の75,000円より更に増加し「基本料金が90,000円」となります。
元々東京23区の火葬場料金は全国の中でも特に高い料金設定がされておりましたが、今回の料金改定で更に値上げが行われます。
対象となるのは東京23区内で運営する「民間火葬場：東京博善株式会社」が管理する
- 桐ケ谷斎場（品川区）
- 代々幡斎場（渋谷区）
- 落合斎場（新宿区）
- 堀ノ内斎場（杉並区）
- 町屋斎場（荒川区）
- 四ツ木斎場（葛飾区）
上記6ヶ所の火葬場となります。
これらの火葬場で東京23区の火葬の7割前後は行っていると言われているため、滅多に起こらないお葬式に関することになりますが、実質的な値上げとなり都民への影響が高いです。
なぜ東京23区の火葬場は値上げを行うのか？
東京23区の火葬場は全国でも珍しい「民間火葬場」が公営火葬場の利用者を超える地域です。
全国では市区町村などの自治体が管理する「公営火葬場」が主となり、民間火葬場は全国でも数える程度しか存在しません。
公営斎場の場合、市民の税金で運営費用を賄うため、市民を対象にには火葬料金をできる限り安価にすることができます。
しかし、火葬場の運営母体が民間斎場である以上「利益追求」を行い、また火葬炉などのメンテナンスも営業利益から行います。
利益追求を行うことは民間企業としては致し方ない部分ではありますが、ご遺族やご遺族に説明を行う葬儀社などからは反発の声もあるのも事実です。
また運営母体が異なりますが、板橋区内に位置する火葬場「戸田葬祭場」は2023年4月より「80,000円」と東京博善株式会社が管理する火葬場よりは費用は高くありませんが、それでも高額の火葬料金です。
全国各地の火葬場料金
全国各地の火葬場は基本的に「公営：自治体」が管理を行うため、市民サービス向上を目的とし対象市民には火葬場に必要な料金を抑えています。
これは主に市民からの税金を使用し火葬サービスを運営しているためとなります。
主な都市の火葬料金（2024年時点）
- 北海道札幌市：無料
- 宮城県仙台市：9,000円
- 新潟県新潟市：28,000円
- 埼玉県さいたま市：7,000円
- 千葉県千葉市：6,000円
- 神奈川県川崎市：6,750円
- 神奈川県横浜市：12,000円
- 静岡県静岡市：12,000円
- 静岡県浜松市：無料
- 愛知県名古屋市：5,000円
- 京都府京都市：20,000円
- 大阪府大阪市：10,000円
- 兵庫県神戸市：12,000円
- 岡山県岡山市：6,000円
- 広島県広島市：8,200円
- 福岡県北九州市：15,000円
- 福岡県福岡市：20,000円
- 熊本県熊本市：6,000円
- 沖縄県那覇市：25,000円
上記のように東京23区と全国各地の火葬費用を比べると「東京23区：東京博善の火葬費用の高さ」が目立ちます。
東京23区で行う葬儀で火葬料金を抑えることができるのか？
東京23区内には民間火葬場だけではなく、公営斎場も存在します。
東京23区内での公営斎場の場所は、
- 瑞江葬儀所（江戸川区）
- 臨海斎場（大田区）※港区・品川区・目黒区・世田谷区・大田区が管理
上記2ヶ所となり、この2ヶ所の火葬場では火葬料金を少し抑えて利用することができます。
- 瑞江葬儀所 火葬料金：59,600円
- 臨海斎場 火葬料金：44,000円
上記2ヶ所の火葬場はしばらくこの料金のままで運営を行います。
しかし、東京の「東の江戸川区」と「南の大田区」に位置する火葬場のため、お葬式式場からの移動距離が遠い場合は使用しにくいです。
また火葬場の火葬炉数も限られていますので、数万円を抑えるためだけに上記2ヶ所の火葬場を利用することは難しいのが現状です。
また埼玉県草加市と接する足立区では草加市内の民間火葬場「谷塚斎場」の利用料金が74,000円となり、若干ですが費用を抑えることが可能です。