春は別れと出会いの季節だ


パートの先輩との別れ


春は関係ないけど
警察官だった彼との別れ


またまた春は関係ないけど
兄のように慕った優しさと笑顔が忘れられないNさんとの永遠の別れ



そしてどうしても忘れられない出会いと別れがある


私が20才の頃、居酒屋でバイトをしていたYちゃんと出会う


見た目はボーイッシュで声変わりしたのか?つうくらい太い声だった女の子


当時、私は定期代を稼ぐため2トン車の配送のバイトをしていた

(現在は道路交通法の改正で普通免許での2トン車の運転に条件があると思う)


そこで運転ミスをして2トン車の帆を配送先のトタン屋根にぶつけてしまい、その場に居合わせた無愛想な男に言われた言葉


『これだから女は使えない』


この言葉は悔しく悩んでいた私と自身の性に悩んでたYちゃんとは意気投合した


一緒に同じ時間を過ごす中でYちゃんの悩みに寄り添い、心の強さや弱さとも向き合い、自分の悩みも癒されていった


当時は手術で性別は変えられても戸籍を変える法律は無かった


お金を貯めて手術して男になりたい!と語っていたYちゃん


私『男になったら夢は?』


Yちゃんは『自分の店を出したい』と言った


私『じゃあ子供の頃の夢は何だったの?』


Yちゃん『教師になりたかった、でも今の性では叶わない』


私『戸籍変更の法改正が進み、将来は男として堂々と生きていく日は必ず来るよ』


Yちゃんは『そんな日は来ないよ、自分のバーを開いて夜の世界で生きる』と強く語っていた


LGBTQという表現は昔は無かった


あったとしても知ってる人は居なかった


偏見が多かった時代、でも堂々と自信を持って生きて欲しいと強く願っていた


でもYちゃんは私に何も言わず姿を消してしまった


やっぱり偏見の時代、田舎で生きていくのが辛かったんだと思う


私は男に立ち向かうには資格を取って鎧のようにそれを武器にして生きる選択をした


前回のテレビで見たイントロクイズ


出題されてた『アンジェラ・アキさんの手紙、拝啓十五の君へ』


これを聴くとYちゃんを思い出す


戸籍は正真正銘の男性として日向を堂々と力強く生きていてくれたらいいな


昨日は唐揚げを作った



居酒屋で食べた唐揚げが懐かしい