前回は酸化の話から炎症の話になったので、炎症って何なのかを飛ばしてしまいましたね。

なので今回はこの「炎症」というのは何なのかをお話しようと思います。

 

そもそも「炎症」って何でしょうー?
「炎症」と聞いてパッと思い浮かぶイメージっていうと?

赤み(発赤)、発熱、腫れ(腫脹)、疼痛(とうつう)
この4つが、炎症の「4主徴(しゅちょう)」と呼ばれるものです。

 (*疼痛とは、「実際の組織損傷や潜在的な組織損傷に関連し、またはそのような損傷に関連する言葉で表される不快な感覚や情動の体験」)

 

例えば、蚊に刺されるとすぐに赤く腫れますね。

触るとあたたかく感じます。この場合、痛みというよりもかゆみですが、これも典型的な炎症です。
蚊の唾液に入っている物質(体にとっての異物)に反応して、排除しようとした結果、「炎症」という反応が起こります。
 

本来、「炎症」は有害なものではありません。
私たちの身を守り癒やすための「治療プロセス」「免疫システム」です。
体は外部からの有害な“侵入者”を排除したり、組織が傷つくとその傷を修復しようとしたりします。その過程に起こるのが「炎症反応」です。
これらは医学的には「急性炎症」と呼ばれています。
しかし、炎症が「慢性的」になるとき、深刻な問題を引き起こします。これを「慢性炎症」と言います。
 

急性炎症の原因となったものをずっと排除できなかったり、免疫系のアンバランス、加齢などの理由で、炎症を長期間に渡って「消火」できなくなったとき(=慢性炎症)、免疫系の暴走が始まり、体を攻撃し始めます。
 

慢性炎症によって、本来は攻撃対象ではない「健康な組織」も攻撃され、臓器が破壊され、やがてさまざまな生活習慣病が発症したり、老化が恐ろしいほど加速したりするのです。
「慢性炎症」のいちばん恐ろしいところは、自覚症状がほとんどないところです。
さらに、自覚症状はないのに、慢性炎症を起こして深刻な損傷を受けた部位は「元には戻らない」という非常に厄介な性質を持っていることなんです。


心臓病や脳卒中は、動脈硬化が原因で起こる血管の病気。
がんは、遺伝子の傷が原因で生まれる病気。
アルツハイマー型認知症は、脳が製縮する病気。
糖尿病は、インスリンの働きが不足して高血糖が続く病気。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の病気。

という感じに、それぞれの病気は一見まったく別の原因で生じるまったく別の病気だと思いますよね?

ところが、最近になって、
この別々の病気に、「慢性炎症」という共通項があることがわかってきたそうです。

 

次回は「慢性炎症」という厄介な炎症についてもっと調べていこうと思います。

 

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