会員制の文章執筆サロンに入会しています。
課題図書をもとに書くリブリオエッセイ。
7月の課題図書は「文豪たちの悪口本」
今月も合評会に参加できず(泣)
参加出来なかった時は後から動画視聴ができます。
合評会におやすみしても、提出した作品に対する講評ももらえる。
そこがほんとにありがたい。
今回提出したエッセイは↓
【親がなきゃ、子どもはもっと……】
親がなきゃ、子供は、もっと、立派に育つよ。
うんうん。どれだけの親が、子どもの人生の足を引っ張っているのだろう。
そんなことをカウンセラーになってこの10年……いや、13歳のあの日から?考えなかった時はない。
親がなくとも、子が育つ。ウソです。
親があっても、子が育つんだ。
ああ、ホントに。親があっても、子が育つ。
親なんて、バカな奴が、人間づらして、親づらして、……
親がいなければ、親からヘンな呪いの言葉をかけられることもなく。親の顔色をうかがって、親の期待に応えようと健気な努力をしながら自分の本音を押し殺して、押し殺しているうちに自分の本心がわからなくなる。そんな悲しい元子どもだった、生きづらさを抱えた大人が減るかもしれない。
小学2年生の頃、『家なき子』という本を読んだ。
なんで自分は、もらわれっ子でも拾われた子でもないはずなのに、こんなに親からつらくあたられるのだろう?いっそ拾われた子だったらよかったのに。そうしたら私も少年レミのように本当の親を探す旅に出られるのに。どこか別のところに実の親が生きていると思って生きられたら、どんなに幸せだろうと思った。
それでも親が絶対だった。親は間違えていない。いつだって間違えて迷惑かけているバカは私。そう信じてた。親は、子どもの私にとって神のようなものだった。
13歳の誕生日を過ぎた頃、
親だって人間じゃないか、
ただの人間、ただの生き物。
神でも何でもない。
なんであんなにえらそうなんだ。
なんであんなにいばっているんだ。
突然、私の目の前にかかっていたベールがめくれた。
だからといって、急に何かが変わったわけではない。
でも「親なんて、バカな奴が、人間づらして、親づらして」だ。ホントに!彼らは親づらしてるだけなのか、そう思った。いや、そう気づいた。その瞬間から私の心は救われる方向に動き出したのだ。
完全に親の呪いが解かれるまでには、その後ずいぶんと時間はかかったけど。
沢山の人の相談に乗っていて思う。
親がなきゃ、子どもはもっと立派に育つかも、と。
【補足】
*下線箇所 『文豪たちの悪口本』P.93より
*『家なき子』(フランスの作家エクトール・アンリ・マロ著)児童文学。
自分が捨て子だったことを知った少年レミが本当の親を探す旅に出る物語。
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