チーム力
本屋さんに行くと、今 何を求められているのか、何が流行っているのかが解ると言われています。私は、3日に1度は本屋さんを覗くのですが、並んでいる本を見ると、確かに今の流行が解るのです。大雑把に分類すると、 ・お金の増やし方 ・田舎暮らし、アウトドア関連の2種に関連する書籍が多く並んでいます。 勿論、自己啓発本やファッション雑誌などは以前から沢山並んでいるのですが、最近の傾向といった意味では、前述の2種のような気がします。どうしてこのような本が流行るのかというのを個人的に推察してみると、世界情勢の悪化、平均所得の低下、年金問題、GDPの伸び悩みなどなど、暗いニュースばかりが飛び交い、それに対処するHow to本が出てくるのは当然だと思います。全ては、お金に対する不安が関係しており、それに対処しようとする人と、そういった喧噪や不安感から逃れてアウトドアでのんびり暮らすのを望む人達が居るように思うのです。誰でもそうですが、将来の事は分からず不安になるものです。 分からないとは言っても、マイナス要因が多く揃うと、お先真っ暗状態だと思ってしまいます。そういった事に嘆き・悲しんでばかりいても、何も解決はしないので、地道に成果を出していくしかありません。ということで、まずは身近な所で成果を出していく工夫をしましょう。会社の中で成果を増加させるには、個人の能力をアップさせる事を考えなければなりませんが、それよりもチームで成果を出す事がはるかに重要で、成果の量も多いのです。個人の能力は、自宅でこっそりと啓発しましょう。 会社に居る時は、チーム力を最大にすることを考えて下さい。トヨタでは、チームを構成する際の人数を5~7人にしています。 組織を構成する場合にも、5~7人の面倒をリーダーが見るようにしています。 理由は、それ以上の人数になると面倒を見切れないという、過去の実績があるからです。5人の担当者を係長が面倒を見て、5人の係長を課長が面倒を見るといった感じです。現場で言うと、5人の作業者を班長が面倒を見て、5人の班長を職長が面倒を見るというものです。人数の例外はあるものの、この5~7人のチームがベストだと考えられています。このチームで、テーマを決めて問題解決をしていくイベントを全社的にやります。 年2回イベントをやりますので、半年に1テーマの問題解決をしていくことになります。 これは、日常の改善とは別にやります。一般的にはQCサークルと呼びます。 あるいは、小集団活動と呼びます。QCと言うと、品質管理のイメージが強いと思いますが、広義にとらえて“業務品質”とし、業務そのものの改善と思って下さい。このQCサークルでは、リーダーを決めます。 リーダーは、若手から選出します。 若手に、チームをまとめる経験をさせるのです。 ベテランのおじさん達も、若手の言う事をきかなければなりません。そして、全員が他者への尊重、共感、許容を大事にします。 これは、サークルの教育でも実施します。これが一番大事なのです。この3つの大事な事は、トヨタだけで実施しているものではありません。Googleでも、この3つが重要だと言っています。 Googleの社内調査で、アウトプットを多く出しているチームの共通点を調査したところ、この3つがあったのです。 一人一人の能力が高いとか、スーパースターがリーダーシップをとったとかは関係なかった(アウトプット量は高くない)そうです。Googleでは、この3つの精神を保有している人達を「メンタルの要素が高い人達」と呼んでいます。そういったチームでは、・心理的な安心感(安全職場)・受け入れられている信頼感があり、活動がし易いのです。そういったチームをうまく運営する方法も、リーダー教育で実施しています。運営方法や、ファシリテーションについて、会社が教えているのです。世間で流行している「論破」などは、論外です。 相手のミスした言葉尻を指摘して、勝った負けたをするのは、全く生産性がありません。ただ、勘違いしてはならないのは、平和的協調をするために意見をしないという事ではないのです。反対意見を出しても良いのです。 ただ、言い方には気を付けましょうという事です。あくまでもニュートラルを意識して、相手に「教えてもらう」ような態度で質問形式で聞いてみたりします。チーム内では、そういった点に十分な配慮が必要です。日頃から、こういった小集団活動をして、ファシリテーションやチーム活動を学んでいると、成果が出易くなります。私も、多くの仕入先を訪問してチーム活動を指導してきましたが、小集団活動を取り入れている会社と、そうでない会社では、改善力において圧倒的な差がありました。部長や課長がリーダーシップをとって、「あれやれ。これやれ。」と指示ばかりしている所では、あまり成果は出ていませんでした。 また、人間関係も良好とは言えない状態でした。先にも述べましたが、「受け入れられている信頼感」が無いのです。 若手の意見を尊重して採用していく雰囲気など、微塵も無いからです。QCサークルについては、アジア圏で盛んに実施され、世界大会などが毎年開催されております。私が面倒を見たチームも、世界大会で2度 金賞を受賞しております。面白いのが、アジアでは盛んにサークル活動をしているのですが、欧米ではあまりやられていないのです。その原因は、人の入れ替わり(離職など)が多く、チームを結成してもどんどん人が入れ替わるので、活動が継続し難いからです。ということで、チームで成果を出すのはアジア圏が得意で、特に日本は世界トップレベルなのです。暗いニュースばかりで、気が落ち込んでおられる方も多い中、我々には世界トップレベルの能力がある事を思い出して欲しいのです。一人一人の能力アップを図るよりも、成果が出るチーム活動をしてみませんか?トヨタ式小集団活動について学べば、更に成果はアップすると思いますよ。