星取表は、ご存知でしょうか?
リーグ戦などで、勝敗を記して、ひと目でわかるようにした表です。
大相撲などでも用いておりまして、下のような勝ち負けを記したものを見た事があると思います。
〇〇●〇〇〇●●●〇●〇やや
〇が勝ち、●が負けです。 “や”は休み。
仕事でも、この星取表を良く使います。
例えば、私の居ました工場では、車の評価検査の実施有無について、星取表を用いていました。
車両毎に評価を5種しなければならない時、上図のような表を作成して壁に貼り、評価が済んだものに赤くて丸いシールを貼り付けます。
こうすることで、進捗がひと目で分かるのです。
このシールは、リアルタイムで貼り付けます。
このような進捗が把握できるものがあれば、作戦を立てることが出来ます。
進捗が遅ければ、更に人を増員して早く進めることも出来るのです。
デジタルで管理する場合もありますが、ほとんどが紙に表を書いて壁に貼ります。
現場では、人が大勢集まって議論する場が多く、小さな画面では見えないのです。
大きなディスプレイで表示させても、様々な表を一度に見ることが出来ず、画面を切り替える操作をしなければなりません。
勿論、大きなディスプレイを幾つも用意すれば良いのでしょうが、コストが見合いません。
デジタルとアナログは、どちらかにするのではなく、最適だと思う方にすれば良いのです。
ですから、このような星取表なんかは、A0サイズの紙に書いて掲示します。
視える化は、このように
・ 仕事の遅れ進み
・ モノの良し悪し
などを、表やグラフでリアルタイムで表示します。
その状況を把握して、都度作戦を立てるのです。 遅れていれば、挽回の策を考えるし、悪くなっていれば、是正処置を取らなければなりません。
このように、リアルタイムで処置が出来るように、表示するのもリアルタイムに近くなければなりません。
取り返しのつかない状況になる前に、処置を施すためのツールです。
視える化は、あまり多くてもいけません。 何でもかんでも貼ってしまうと、何が重要なのかすら分からなくなります。 多ければ良いという考えは捨てて下さい。
また、グラフや表を更新するのを目的としてはいけません。
続けていると、更新するのが目的になってしまうこともあります。
目的は、“是正処置を取る”です。 忘れないように。
是正処置を、グラフや表に手書きで書き込むことをお勧めします。
そうすると、誰が見ても、何時どんな処置を施したかが分かります。
処置を怠っているのか、処置をして効果を見ている最中なのかも分かるのです。
私が仕入先の現場に行ってよく質問するのは、「今、うまくいっていますか?」と聞きます。
質問の意図が分かっていない人は、「ええ、うまくいっていると思います。」と、適当なことを言います。
素晴らしい仕入先では、表やグラフの貼っている場所に案内し、遅れ進み、良し悪しを見せてくれます。
そして、作業者の慌て具合や工程の流れ具合から、「問題ありません」と答えてくれます。
その他に、“見せる化”をしている仕入先もいました。
トヨタが来るというので、あらゆるグラフや表を作成して、壁一面に貼り付けているのです。
どう見ても、にわか仕込みなのです。 必要のないグラフが沢山あります。
自分達のための視える化ではなく、得意先にその場で良い恰好をしたい“見せる化”なのです。
得意先が来た時だけ体裁を整えて、ちゃんとやっているかの如く見せているのです。
私は、粗探しに行っているのではありません。 ありのままを見せて、ちゃんと指導を受けた方が得だと考えて欲しいのです。 一時的に誤魔化しても、得することなどありません。
今回は、遅れ進みを把握するための“星取表”を紹介しました。
皆さんも、仕事の遅れ進み、良し悪しがひと目で分かる表やグラフを掲示してみて下さい。
早め早めの処置で、失敗することが無くなり、結果的に仕事が楽になってきますよ。