ライバルを明確にする
皆さんにはライバルは居ますか? 個人のライバルでなくとも、会社のライバルは明確になっていますか?私が仕入先の指導で33社を回っている時に、必ず聞いていました。多くの会社がライバルを明確にしていません。 聞かれて、「えーと、えーと」と考えているのです。そして、適当に「A社です」と答えます。「A社の凄いところを数字で教えて下さい」と、続けて質問をすると、たちまち困った顔をします。適当に答えただけなので、数字でなんて聞かれても、そもそも知らないのです。といった具合に、ライバルがどこか? あるいは誰か? なんて、決めていないのです。決めていないので、ライバルの強み、自分達の強みについて調査をしていないのです。ライバルを明確にするというのは、極めて重要な事なのです。明確な目標を定める事と同じだからです。日頃、皆さんの職場でも目標を定めて努力されていると思います。しかしながら、その目標の妥当性を確認しなければいけません。目標を達成しても、ライバルには追い付かないのであれば、目標が低いからです。井の中の蛙では困るのです。「あの会社には勝ちたい」、「あの工場には勝ちたい」、「あいつには、勝ちたい」など、明確なターゲットを定めて下さい。ターゲットを定めたら、次は比較です。 自分達と相手を比較します。比較するのは、必ず数値にして下さい。 感覚で比較してはいけません。比較する例として、第三者評価(アンケート調査会社発表)を大いに参考にすると良いと思います。“顧客満足度”を調査・比較している会社も沢山あります。 私達は、永年 アメリカの調査会社 ジェイ・ディー・パワー社の発表する調査結果を元に、様々な比較をしていました。あるいは、工場間で競い合っている時は、不良率などの比較も出来るでしょう。製造業以外でも、サービス業などは様々な評価が出ていると思います。単にその評価数値を比較するだけではなく、スタッフの数などの比較も必要です。「我々よりスタッフは少ないのに、顧客満足度評価は我が社よりいいのは何故か?」など、あらゆる点で比較してみて下さい。 特にサービス業の方は、サービス過剰になっていて、顧客満足度はそれ程高くなっていないといったチグハグな結果が出ることもあります。信じてやっている事は正しいのか?というのを、必ず検証しなければなりません。そして、結果の数値を軽く扱わないで下さい。よくあるのが、結果が悪い評価が出ても、「調査方法がおかしい」や、「何かの間違いだろう」と、結果を受け入れようとしない人が多いのです。例えば、2021年のアメリカ JDパワー社の自動車初期品質調査結果で、アメリカのトラックブランドが上位に2つ入った時、「トラックは装備が少ないから壊れないんだよ。高級車は装備が多くて、壊れる確率も高くなるから、仕方ないよね」などという声が出ていました。 レクサスは3位でした。 トラックに負けた言い訳にしか聞こえません。このように、自分で都合の良い解釈をして結果を軽く見たり、あるいは今後扱わないようにしてみたりすると、どんどんライバル達に差をつけられるのです。 結果は真摯に受け止めるべきです。ライバルが個人の場合でも、数値指標で比較してみて下さい。数値にし難い内容でも、5段階評価で比較するなど、必ず数値にして下さい。例えば、A君がライバルの場合。 ・プレゼン力・文書作成能力(アピール力) ・論理展開力(受け答えの論理性) ・明るさ・ポジティブさ ・忍耐力・業務完遂力 ・仕事のスピード・納期遵守率などを5段階で、冷静な目で、あなたと比較してみて下さい。何がどのくらい負けていて、何がどのくらい勝っているのか?比較が済んだら、作戦です。 弱みを強くするのか? 強みを更に伸ばすのか?ライバルに勝つためには、どちらを選択するのか?両方やっても良いのですが、そんなに沢山一度には出来ません。欲張らずに、一つ一つやるべきです。ライバルがおらず独走状態であっても、何もしなければ、やがて追いつかれます。追いつかれないように強みを更に伸ばすのか? それとも、別の分野へ進出して、経営を強固なものにするか? など、油断禁物です。また、ライバルの対象となる企業や人物が居なくても、記録に拘ってやっていく事も同じです。トップにいる人は、自分の記録をライバルとして設定できると思います。 大谷翔平選手は、明確なライバルが居なくとも、様々な記録の塗り替えに挑戦していると思います。ライバルという明確な目標を定めるのは、成長を早めるのに役立ちます。皆さんも、ライバルについて考えてみて下さい。個人のライバル、会社のライバル。 居ますか?