その1からのつづき。
英語圏や欧米人だけが海外じゃない。
【3】panko(パン粉)
パン粉は英語で「panko breadcrumbs」または「panko」。フィッシュ・パイや枝豆の上にトッピングとして振りかけられるなど、日本人も驚くような使われ方で食べられている。
パン粉はヨーロッパ発祥というが、それは範囲が広すぎる。
フランス料理が有名だから安易にフランスと思うが、正しいのかは分からない。
ヨーロッパのは、乾燥したパンを粉砕して作ったパン粉。
日本のは、やわらかいパンをほぐして作った生パン粉。
その生パン粉を乾燥させた目の粗いのが、ヨーロッパに逆輸入されているようだ。
さすが、アレンジャーとしての腕はピカイチの日本。
アメリカには逆輸入ではないが、どさくさにまぎれて伝わっているようだ。
今回はヨーロッパとのやり取りが分かったが、それでも海外ではなく欧米にすぎない。
【4】sukiyaki(すき焼き)
「sukiyaki」は海外でも人気の高い料理の一つであり、坂本九氏の「上を向いて歩こう」の英語版のタイトルにもなっている。さらに、タイには「タイスキ(Thai suki)」、ハワイには「ヘッカ(Hekka)」というすき焼きに似た料理もある。
肉料理ならそれこそ日本以外の国の方が伝統があるだろう。
日本は獣肉を禁忌にしている時代が結構あったんで、近代以降ようやくなんで。
すき焼き人気は、照り焼きと一緒で醤油が普及したということだろうか。
もちろん九ちゃん効果もあるんだろうけど。
ロラン・バルトが「中心のない食べ物」と評しているらしい。なんのこっちゃ。
『表徴の帝国、記号の国』は1970年刊行。「上を向いて歩こう」1961年より後。
ということで、まあ欧米で知られている食べ物と言っていいかもしれない。
しかし、やはり海外というのは言い過ぎである。
10選が終わるまで続ける。
今月の日曜はこれが続く。
※東日本大震災の時の応援歌。
今回はどこが何を作ってくれるんだろう。