7月も中旬に入りました。
梅雨も明け、夏本番間近ですね!
今回は貧血のお話です。
夏は汗をかくことで鉄分が流れ出し、
貧血になりやすい季節です。
女性の方だけでなく、
男性の方にも気をつけていただきたいです。
意外と知らない貧血のおはなし
血液は
私たちの生命活動を維持していく上で
欠かせない働きをしています。
- 血液には全身に酸素を運ぶ赤血球
- ウイルスなどの異物と戦う自血球
- 出血を止めたり血管を修復する血小板
- その他の液体成分(血漿)
によって構成されています。
ヘモグロビンという
たんぱく質と鉄が結びついたものが存在します。
ヘモグロビンには酸素と結合する性質があって、
肺で酸素と結びついて、その酸素を全身に運びます。
ヒトの細胞の数は37兆個といわれますが、
その中で赤血球の数(赤血球も細胞です)は
25兆とも28兆ともいわれています。
このことからも私たちが生きてゆくために
どれだけ酸素を必要としているかが分かります。
医学的には、
このヘモグロビンが減少した状態のことを
貧血といいます。
酸素が十分に運ばれないことで、
- めまい
- 立ちくらみ
- 動悸
- 息切れ
などの症状があらわれます。
貧血の原因は様々
貧血には色々な原因がありますが、
大きく分けると次の3つになります。
- ①赤血球の作られる量が少ない
(鉄欠乏性貧血など)
- ②赤血球が失われている
(溶血性貧血など)
- ③病気など、他に原因がある
(二次性貧血など)
年代別にみると
男性は60歳以上で貧血の増加傾向があり、
女性は全年齢で貧血がみられますが、
やはり70歳以上で急激な増加がみられます。
高齢者の貧血が続くことで、
食欲不振や活動量の低下
→サルコペニア(筋肉量の減少)
→フレイル (心身の活力低下)につながり、
健康寿命を短縮させる要因ともなります。
フレイルについての記事
原因①赤血球の作られる量が少なくなる
【鉄欠乏性貧血】
赤血球の作られる量が少なくなる原因として
まず考えられるのは材料の不足によるものです。
ヘモグロビンに必要な
鉄が不足して赤血球が作られない。
これが貧血の中で一番多い鉄欠乏性貧血です。
この場合、
赤血球の大きさは小さくなります。
【巨赤芽球性貧血】
ビタミンB12や葉酸は
DNAの合成に必要な栄養素です。
これが欠乏するとDNAの合成が妨げられて
赤血球が大きくなる巨赤芽球性貧血になります。
ビタミンB12の吸収には
胃液から分泌される内因子が必要です。
胃を全摘したり、
胃壁が障害を受ける病気になることによって
ビタミンB12が不足してしまいます。
葉酸は妊娠中に特に多く消費されます。
【腎不全】
栄養不足以外では腎不全があります。
腎臓では
赤血球の産生に必要な
エリスロポエチンというホルモンが
作られているからです。
②赤血球が失われている
赤血球は
骨髄の造血細胞で作られています。
産生された赤血球は
約120日の周期で脾臓や肝臓で壊されますので、
通常はそれに合わせて新しい赤血球が作られ補充されます。
しかし、慢性的な出血や
若い赤血球が破壊されてしまうような状態があると
作られる数では追いつかず、
赤血球の数が不足してしまいます。
原因③病気など、他に原因がある
- 長期の感染症
- リウマチなどの膠原病
- がん など
体内に慢性的な炎症が起こる病気によって
貧血が起こります。
炎症によって、
赤血球を作る働きが障害を受けるためです。
また炎症が起こると、
肝臓でヘプシジンというホルモンの合成が増えます。
ヘプシジンには
赤血球の材料である
鉄の吸収や利用を抑制する作用があるため、
赤血球の産生が阻害されて
貧血になってしまいます。
まとめ:貧血への対策として
まず必要なのは、
血液の材料になるものを
食事などからしっかりと摂ることです。
次に材料が摂れていても、
それがしっかりと吸収されなければ
血液は作られません。
胃腸の調子を整えることが大切です。
貧血にはたくさんの原因や種類がありますが、
血液検査の数値から状態を知ることができます。
病院の治療を受けている方でも
生活習慣を整えることが基本となります。
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