グルジアの女流ピアニスト、
エリザーベト・レオンスカヤの弾いた、
ショパンのスケルツォを聴いた。
MDGレーベルから出されたSACDで、
スケルツォの他に夜想曲(抜粋)、
幻想即興曲等も収録されている。
収録の順番に規則性はない…。
MDG 943 1558-6
このSACDは、CD売れてしまって良かった!
で書いた売れてしまったCDの代わりに、
手ぶらで帰るのも悔しいので、
とりあえず購入したものだ。
ゆえ、あまり期待していなかった。
ところが聴いてびっくり!
とても優れたものだった。
発売されて約10年が経過しているが、
何故、話題にはならなかったのか?
このCDを知らないことは大きな損失だ…。
どの曲も遅いテンポで、
しっとりと抒情的に演奏しているが、
特に12分48秒(表記)で奏でられた、
スケルツォの第4番は、
大好きなリヒテルの演奏に匹敵する、
いや部分的に凌駕する名演だ!
出だしから遅いが、
決してダレる訳ではなく、
技巧的なピアノは繊細でとても美しく、
リヒテルのように惹き込まれる…。
また、中間部は止まりそうになるが、
リズムは正確に刻まれ、
下手な奏者では決して真似のできない、
妙技の為せる業であろう…。
レオンスカヤはリヒテルと親交があり、
グリーグ編曲のモーツァルトのソナタでは、
リヒテルと共演している。
そのようなピアニストだけに、
リヒテルの魂を感じるスケルツォだ。
CDを買えなかったことにより、
こんな演奏に出会えたことは、
更に嬉しい誤算となった…。
正に天祐だ!!
なお、2番を最後に演奏しているが、
本人の意向なのだろうか?
流石にミケランジェリには敵わないが、
これまた秀演といえよう。