CD売れてしまって良かった! | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

滅多に行かない中古CD店へ行った。
滅多に行かないのは、
ほとんど商品が回転しないからだ。
行ってもあるものは、何時も同じ…。
行く価値が無いからである。

それでも、ダメ元でたまに行く。
商品を見るだけならタダだ。
でも、変化のない陳列棚を見るのは、
精神的には苦痛である。
修行の気持ちで店へ行った…。

しかし、その日は違っていた。
大量に買取りをしたらしく、
在庫がかなり違っていた。
嬉しい誤算だ!
そして、かなりの枚数、
欲しいと感じるCDが見つかった。

全部買いたいと思ったが、
予算には限りがあり、
優先順位を付けて選別し、
上位のものを購入することにした。

「購入するか?それとも見送るか?」
迷う線上にあるCDも存在する…。
でも、決断しなくてはならない。
そんな線上のCDから2枚を決めて、
購入を見送ったのだが…。

帰りしな、後悔が残った。
「やっぱり買っとけばよかった…。」
家に帰っても、そのこととだけが頭を過り、
他のことが手につかない状態だった。

よし、明日買いに行こう!
翌日の予定を一部返上して、
店へ行ったのだが…。

何処を探しても無かった。
「そんな筈はない!」
私は、根拠のない確信を持っていた。
人気がある品ではなかったので、
売れてしまうとは思えなかったのだ。

そして、回転しない店だから、
マニアは頻繁にはいかない。
そのことは我が身で認識している。
でも、かなり時間をかけて探しても、
とうとう見つからなかった…。

「やっぱり買っておけばよかった…」
ぐじぐじと後悔の念だけが残ったが…。
ところが、状況は一変する!
天は我を味方した。
2枚とも、既に所有していたのだ。
隠れた奥の棚から見つかった。

もし、売れ残っていたら、
ダブって購入していたはずだ。
それが売れてしまっていたから、
無駄遣いを防ぐことが出来たのである。
正に天佑神助だった…。

珍しい品は、価格もそれなりに高い。
目新しいものが、このCDしか無かったら
恐らく購入してしまっていただろう。
それを防ぐことが出来たのは幸いだ。

悲しいコレクターの性(さが)。
それにしても、いつまで
こんな愚かなことを繰り返すのか?
余りにも情けなくて呆れてしまう。