敗血症の質問に答えてみた。
今日の話はクソ難しい。
敗血症をわかりやすく説明
するのはかなり大変。
そもそも単語の説明をしてると
終わらない。
それでもなんとなくでも
わかってもらえるように
努力はしてみるで。笑
敗血症は、感染によって起こった
全身の炎症反応なのさ。
一般的には細菌などが感染して
血液中に細菌などがいる状態。
組織に細菌が感染した場合は
その細菌を食べてやってつけて
くれるのが白血球なのさ。
白血球は血管の中で血液と
一緒にパトロールしていて
組織に感染が起こると
炎症性サイトカインが出て
血管から白血球が出やすくなって
白血球が血管の外に出て
細菌を食べてくれるんだけど
それが全身で起きると
炎症性サイトカインがいっぱい出て
血管から体液が一緒に漏れ出て
全身に回る血液量が減って
血圧がどんどん下がるのさ。
血圧が下がるとそれを心拍数を
増やして血圧を上げようと
するんだけど
炎症性サイトカインが心臓の筋肉の
収縮力を弱くしてしまって心拍数が
増えなくて血圧が上がらなくなる。
血圧が上がらないと臓器に
血液が行き届かなくなって
臓器が酸素不足になったり
栄養不足になると
細胞が死んで臓器の損傷が起こり
多臓器不全症候群になるのさ。
この一連の流れが一気に起こる。
今の新型コロナでサイトカインストーム
が起きて急に亡くなってしまうのも
同じようなメカニズムになるのさ。
これがホントに一気にくる。
あっという間になってしまう
ことがある。
何をやってもどうにもならなくて
手の施しようがないことがある。
質問の方のように麻酔をかけた時や
手術をした時になることがある。
ぼくらも麻酔前から麻酔前
検査をして、手術、処置に向けて
敗血症にならないように処置をして
手術、処置中も注意して
手術、処置後も細心の注意を
払って管理して
夜も寝ないでつきっきりで
状態診ていくんだけど
急にサイトカインが悪るさを
し始めてあっという間に
どうにもならなくなることがある。
言い訳をするつもりはないし
責任転換するつもりもないけど
なってしまうことはある。
ぼくも経験したことある。
なってしまった飼主さんからしたら
納得できなかったり、悔しかったり
ムカついたり、悲しかったり
後悔したりすると思う。
獣医も看護師も動物に元気に帰って
ほしいと願って精一杯努力してる。
死なないでほしいし、自分が処置して
死んでしまったら「なんでだ！」と
一生答えの出ない問かけをし続け
懺悔をしながら生きて次に繋げていく。
動物を助けたいと思って獣医に
なって動物が死んでもいいなんて
決して思っていない。
それでもどうにもならない
ことはある。
動物を失った飼主さんからしたら
納得できないだろうけどね。
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男
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