犬の蛋白が漏れちゃう腸の炎症の蛋白漏出性腸症 | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店

こんにちは。
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男です。
 
 
Instagramから質問をいただいた
ので、犬の蛋白漏出性腸症の
話をするね。
 
 

 

 
まず、蛋白漏出性腸症の説明を
するね。
 
 
下痢をして治療しても3週間以上
治らない下痢で
 
 
寄生虫や腫瘍などの他の
下痢をする原因がなくて
 
 
病理検査で腸炎が明らかで
腸炎を起こす原因がわからない
病気を
 
 
慢性腸症って言うんだ。
 
 
で慢性腸症の中で血液検査で
アルブミンっていう蛋白質の
1つの値が低くなる病気を
 
 
蛋白漏出性腸症っていうだ。
 
 
ここまではいいかな。
慢性腸症の中に蛋白漏出性腸症が
あるよ。
 
 
ほんでもって
蛋白漏出性腸症になる原因は
 
 
慢性腸炎
リンパ管拡張症と慢性腸炎
小細胞性リンパ腫
大細胞性リンパ腫
 
 
の4つの原因があると
言われている。
 
 
この4つの原因は
内視鏡検査をして腸の組織を
病理検査で調べるよ。
 
 
この中の大細胞性リンパ腫は
リンパ腫という腸管の腫瘍なので、
 
 
大細胞性リンパ腫になって
いないかを確認することが
とっても大事。
 
 
もしこれだったら抗癌治療を
しなきゃけないから薬がイヤ
なんて言ってられない。
 
 
手遅れになる前に治療を
始めないといけない。
 
 
小細胞性リンパ腫はなかなか
評価が難しい。
 
 
小細胞性リンパ腫から
大細胞性リンパ腫に
なるかもしれないし、
ならないかもしれないし
 
 
まだよくわかっていないので
小細胞性リンパ腫の場合は
経過をみて再度内視鏡検査をして
 
 
病理検査の確認をすることに
なるね。
 
 
慢性腸炎とリンパ管拡張症は
腸の炎症が続いちゃってる状態
 
 
炎症の原因はまだ解明されてない
けど、免疫の暴走じゃないかと
言われてる。
 
 
慢性腸炎とリンパ管拡張、
小細胞性リンパ腫の治療は
 
 
現代医療では炎症が起こってるから
炎症を抑えるために消炎剤として
ステロイドや免疫抑制剤を使う。
 
 
腸に炎症が起きると腸内細菌が
腸の粘膜に感染しちゃうので、
抗菌薬を使う。
 
 
食物が炎症を起こす場合もあるので
食事療法をするね。
 
 
統合医療では現代医療の代替療法
として、食事療法や手作り食、漢方薬
ホモトキシコロジー、乳酸菌、
L-グルタミンなどのサプリメントなどを
 
 
使ってこのぐらいの症状で病理検査
が腸炎ならこれとこれを使うとか
 
 
リンパ管拡張症になってると腸に
腸内細菌が感染しやすくなってる
からこれを使うとか
 
 
犬の状態と血液検査、病理検査の
状況を踏まえて治療の選択を
してる。
 
 
治るのは難しいのでなるべく
いい状態をコントロールする
のが目標になるね。
 
 
特にアルブミンの値が低くなってる
時は、命の優先があるので、
 
 
まず、ステロイドを使って治療を
初めて
 
 
アルブミンが下がらないこと
アルブミンが一定量ちゃんと
キープできるようにしてから
 
 
代替医療を併用してステロイドを
止めるよう努力していくことが
多いね。
 
 
まとめると
 
 
治療しても治らない3週間以上
続く下痢をしている場合は
 
 
超音波検査、糞便検査、血液検査
レントゲン検査、尿検査などをして
何か原因がないか調べる
 
 
何も原因がない場合は、
内視鏡検査をして腸の組織を
確認する
 
 
そこから薬を使わない治療をする
ことができるのか
それとも薬を使わなくちゃ
いけないのかを判断する


ということになるね。
 
 
薬を使いたくない気持ちもわかる
けれども薬を使わないで治療できる
時とできない時がある。
 
 
なんでもかんでも薬を使わない
というわけにはいかない病気もある
 
 
今回、ご相談いただいている
慢性の軟便でアルブミンが
下がってるって言うのは
 
 
この子のアルブミンの値が
いくつなのかがわからないが
心配だ。
 
 
アルブミンの値が2.7未満で
低アルブミン血症というんだ。
 
 
もし、2.7未満になってるなら
内視鏡検査をして治療を
始めた方がいいと思う。



当院でもアメリカンコッカースパニエル
の子で慢性胃腸炎とリンパ管拡張症
による蛋白漏出性腸症の子がいる
 
 
この子は現代医療をしているけど
コントロールして3年になる。
 
 
同じ飼主さんが飼っていた
アメリカンコッカースパニエルの
子も同じ病気で旅立って行った。
 
 
アメリカンコッカースパニエルは
慢性腸症による蛋白漏出性腸症が
多いね。
 
 

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