機関車牽引の風っこ
2023年3月5日。
旅行3日目の今日は山形から快速「風っこ仙山線ストーブ号」に乗車します!
この列車はびゅうコースター風っこというJR東日本仙台支社…じゃなかった東北本部のトロッコ気動車を使用し、山形→仙台間を仙山線経由で結ぶ列車です。
今まで何回か風っこ使用の列車に乗車してきましたが、この風っこ仙山線ストーブ号は他の風っことは大きく異なる点があります。
それは…電気機関車ED75に牽引されているということ!
仙山線には県境の面白山高原付近に最大33.0パーミルの急勾配が存在しており、風っこのキハ48では耐えられないために機関車に牽引されるのです。
気動車なのに機関車牽引の客車列車として運転される…そんな面白い列車、当然鉄道ファンが見逃すはずがなく…
1ヶ月前の発売と同時に売り切れ。
私も「10時打ち」してなんとか指定券を取ることができました!
特別な風っこに乗車
JREモール発売のイベントで使われていたらしく、私がホームに降り立った頃にはすでに風っこはホームに止まっていました。
風っこの先頭に立つのは真っ赤な機関車ED75 758号機!
昔は寝台特急を牽引していたED75ですが、近年は工事列車の牽引が中心で、こうして旅客運用に就くのは珍しくなっています。
そんな珍しい列車に乗れるなんて…わくわくがとまりません!
風っことED75との連結面。赤と緑の車両同士の連結、けっこう似合ってますね。
そしてこちらは当ブログでは3回目の登場となるびゅうコースター風っこ車両。
キハ48の改造車で、そろそろ引退説も囁かれています。
今年を逃したら来年走るかわからない…それも乗車を決めた理由の一つ。
ホームにはこの珍しい風っこの運行を記念してかスタンプが登場!
それに加えて駅員さんが風っこのマグネットを配布していました。
私ももらってみました!
マグネット、風っこの上にさくらんぼが乗っているのが可愛いですね~
大きな横断幕も登場し、山形駅のこの列車への力の入れようを感じます。
そろそろ発車時刻が近づいてきたので車内に入りましょう。
木製のボックスシートとテーブルが並ぶ車内。
トロッコ列車なので開口部は大きく取られていますが、まだ北国の3月は寒いので透明なパネルがはめ込まれていて寒さとは無縁です。
風っこ側からED75を見た様子。
なかなか違和感が…(笑)
発車を待っているとちょうど山形新幹線E3系がやってきました。
同じ目線で風っこから新幹線車両を見るなんてなんだか変な気分(笑)
9:07、先頭に立つED75 758が「ピィッ」と鋭い汽笛を鳴らしました。
定刻より2分遅れでの発車。
駅員さん、JREモールイベント参加の親子連れ、そしてファンに見送られて一路仙台へ向かいます。
ストーブ列車の醍醐味
山形駅のエスパルの中にあった「かまぼこの鐘崎」の笹かまと、
同じくエスパルにある「平田牧場」のサラミソーセージ。
仙山トンネルを越えて
山寺を過ぎるといよいよ県境越え区間。
車窓には段々と雪が目立つようになってきました。
雪に覆われた森と渓谷の中を行く列車。
一瞬だけ滝の姿が見えました。
乗っているとわかりませんが、きっとこの辺りの勾配がきついのでしょうね。
やがて「仙山」と書かれたプレートが現れると…
列車はトンネルに入りました。
仙山トンネル。山形県と宮城県とをつなぐ全長5361mの長いトンネルです。
あまりにも長いため、仙山線ではこのトンネルを含む作並〜山寺間のみ当初から電化(当時は直流)されていたこと、日本で初めてロングレールが敷設されたことなどが知られています。
トンネルの中を進んでいく列車。しばらくするとなぜか速度を落とし始め…
完全に停車してしまいました。
なんだろう?と思っていたら、横をE721系が山形方面へと駆け抜けていきました。
ここは仙山トンネル内にある面白山信号場。
行き違いのための停車だったのです。
E721系が去ってしばらく。先頭のED75が軽く警笛を鳴らし、信号場を発車。
次の停車駅、作並を目指します。
作並での歓迎
宮城県、そして仙台市に入った列車は作並に停車。
38分の長い停車ということで降りてみます。
地元の方が盛大に出迎えてくれました!
まずは反対ホームから乗ってきた風っこ仙山線ストーブ号を一枚。
天気がいいのできれいに写ります。
今日だけの珍しいこの列車を撮ろうと多くのファンが集まっていました!
駅舎の中にも入ってみます。
中は観光案内所になっていました!
作並温泉の温泉むすめ、「作並日果」ちゃんのパネルが展示されているようです。
この旅2人目の温泉むすめですね。
駅舎の外では地元の方による振る舞いがあるそうなのでそちらにも行ってみることに。
駅前には赤いテントが張ってあって、そこで乗客向けのお団子の振る舞いがありました!
いただいたのはずんだ餡がたっぷり載ったお団子とりんごジュース。
風っこの色にもよく映えるずんだ団子、美味しくいただきました!
しばらくするとテントのお隣で地元の「西部広陵太鼓」の演奏が始まりました。
勇壮な太鼓の音をしばらく楽しみました。
ホームに戻ります。
駅舎に一番近い1番線のホームには作並駅の歴史を語る碑が建っています。
それがこの「交流電化発祥地碑」。
1955年、仙山線北山形~作並間を試験的に交流電化し、各種試験を行ったことが日本の鉄道における交流電化の始まりとされています。
仙山トンネルの関係からすでに作並~山寺間が直流電化されていたことから作並駅は交直流の接続駅となり、地上切り替え方式の試験、交直流電車の試験などがこの駅で行われています。
ここで培った交流電化の技術はのちの新幹線にも応用されたということです。
なお1968年に作並~山寺~山形間が直流から交流に切り替えられ、地上切り替え設備は撤去されています。
そんな歴史を記念した碑。鉄道×百合4コマ漫画の「初恋*れ~るとりっぷ」でも紹介されています。
↓該当エピソード
ホームでもう一度風っこを撮ってから車内に戻ります。
列車は仙台へ
作並を発車してすぐ、列車右側に多数の撮り鉄がいる場所を通過!
その数、ざっと40~50人はいたでしょうか。
ここは仙山線でいちばん有名な撮影スポットで、鎌倉山(通称:ゴリラ山)をバックに撮影できることから珍しい列車が来るときの定番ポイントとされています。
この日は快晴ということで、みなさんいい写真が撮れたようでなにより。
列車はさらに有名スポットの第二広瀬川橋梁を通過!
車窓からは国道の橋がよく見えます。
列車は段々と市街地に入っていきます。
愛子に停車。すぐに発車です。
さらに進んで最後の停車駅、北仙台に停車。
北仙台を発車し、しばらくすると東北本線・東北新幹線の線路が近づいてきました。
アルプスの牧場チャイムが流れ、到着放送が流れます。
この車内放送、最初から最後までずっとこの列車のことを「団体専用列車」と呼んでいたのがちょっと残念でしたね…
11:36、横断幕に出迎えられ、風っこ仙山線ストーブ号は終点の仙台に到着しました。
機関車と気動車の切り離し
1回目の風っこ乗車記録です。珍しい北海道運行時!
2回目の風っこ乗車記録です。今は引退してしまった「みのり」との連結列車。