『石田三成 -関ヶ原へ-』
夜が明け始める。
朝焼けの空に伏見城が見える。
病床の秀吉に付き添う三成。
息も絶え絶え語りかける秀吉。
秀吉 「三成・・・最後の頼みじゃ・・・
わしが死んだら・・・天下は乱れる・・・
だが・・・再び戦国の世に戻ってはならぬ・・・」
三成 「・・・・・」
秀吉 「そのために・・・この国の復興のため・・・
三成・・・力の限り尽くすのじゃ・・・
それは・・・お前にしか出来ぬ・・・」
三成 「・・・・・」
秀吉 「天下は・・・ひとつ・・・泰平な世を・・・」
ゆっくりと眼を閉じる豊臣秀吉。
永久の眠りにつく。
三成、唇の震えがが止まらず、涙が溢れ出す。
抑えきれない感情が嗚咽に変わる。
秀吉のそばで泣き崩れる三成の姿。
雲が流れていく。
大坂城に慌しく入城して行く西軍諸将たち。
伏見徳川屋敷に続々集まる東軍諸将たち。
天下が真っ二つに分かれていく・・・
徳川屋敷の一室で対峙している家康と三成。
家康 「このままでは最大の戦となるのは必至・・・」
三成 「・・・皆、戦国の世を生き抜いて来た者たちばかり・・・
致し方なかろうかと・・・」
家康 「多くの犠牲を伴っても・・・と申されるか。」
三成 「左様。・・・ようやく終止符を打った戦乱の世。
それを今更『豊臣』 だ 『徳川』 だと争うことこそ愚の骨頂。
なれば、真の天下人を力尽くでも定めるまで。」
家康 「・・・・・」
三成 「その先に、未来永劫泰平の世が訪れるのであれば
わが身は捨石になる覚悟。」
家康 「・・・なるほど・・・承知仕った・・・お受け致す。」
三成 「・・・天下はひとつ・・・一枚岩でなくてはならぬ。」
三成と家康、互いにじっと見つめ合う。
二人の間に切なく熱い空気が流れる。
この時代に生きる男たちの宿命。
大坂城に続々と集結する西軍諸将。
一室で策を練る三成たち。
三成 「・・・最後は諸将各々が豊臣か徳川のどちらに付くかで決まる。
・・・この戦の全ての責任は、この三成が負う!」
三成、覚悟の形相。
東へ向って進軍する西軍。
西へ向って進軍する東軍。
深夜、激しい雨。
関ヶ原に向う両軍。
激しい雨が徐々に小降りになっていく。
夜明け。
雨は止み、濃い霧が一面に立ちこめる。
じっと時を待つ西軍本陣の三成。
空が明るくなる。
霧が晴れてくる。
立ち上がり関ヶ原一帯を見渡す三成。
東西両軍17万が陣を形成している。
壮大な光景。
三成、大きく一歩前に踏み出し、叫ぶ。
三成 「これは天下分け目の戦いである!
皆の者、心してかかれ!」
両軍の雄叫びが天地に響き渡る。
ここに伝説の 『関ヶ原の戦い』 の幕が切って落とされた。
『新呼吸』
平和の静けさが広がる深い夜
夜空がゆっくりと白んで来る
さわやかな鳥のさえずり
一日が始まる
さあ今日を生きよう
昨日までを糧にして
新しい時間に呼吸する
地球に生きる人として
爽快な青空から差込む朝陽
鏡の前で今日も生きていると
毎朝繰返し確認し
一歩を踏み出す
さあ今日を生きよう
前に向って歩むため
新しい未来に呼吸する
地球に生きる人として
嬉しいことばかりじゃない
楽しいことばかりじゃない
悲しいこともたくさんある
辛いこともたくさんある
だけど頑張って生きていこう
だけど踏ん張って生きていこう
そして乗り越えていこう
生きているかぎり
朝は必ず来るのだから
明日は必ず来るのだから
さあ今日を生きよう
新しい時間に呼吸しよう
新しい未来に呼吸しよう
地球に生きる人として
『ニチジョウ』
朝焼け空のすがすがしさ
太陽の光が地球を照らす
鮮やかになるいつもの景色
そして人々が動き出す
何気ない いつもの日常
当たり前に迎え入れる
今だから感じるその幸せ
感謝して一日を始めよう
白い雲が青空に映える
樹々や花々が息づいている
川の水面がキラキラ輝く
そして子供達の声が響く
何気ない いつもの日常
当たり前に流れていく
今だから感じるその幸せ
感謝して一日を過ごそう
夕焼け空に心打たれる
日暮れに想うそれぞれ
いつもの景色をつつむ夜
そして人々は帰っていく
何気ない いつもの日常
当たり前に暮れていく
今だから感じるその幸せ
感謝して一日を終えよう
いつもの日常が消える
それは考えられないこと
だからこそ大切に生きよう
何気ない いつもに感謝
夜空に輝く無数の星たち
月の明かりが地球を照らす
やさしい静けさがつぶやく
「だいじょうぶだよ」と・・・