「両立支援等助成金マネジメント」の必要性 | 新労社 おりおりの記

「両立支援等助成金マネジメント」の必要性

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助成金受給環境整備アドバイザー協会

 
今回は「両立支援等助成金マネジメント」です。前回やった時には「異次元の少子化対策」の発表前でしたが、発表して施策をいろいろ始めて1年した今年度はどうなるか?2年目を経て世の中少しは変わったのか?助成金はどうなのか?どう関係し、どういう意義を持つのか調べ、それに関連して提案しています。

 

 

一番の特徴は「助成金の立ち位置がハッキリした」ということでしょうね。両立支援等助成金は4つが6つに増えましたが、これは「異次元の少子化対策」が個人への給付中心であるのに対し、助成金は組織への育児理解のための制度中心であることをハッキリさせたものです。個別の助成金については以下の通りです。

 

育児休業等支援コース : 会社と対象者のコミュニケーションをみんなに知ってもらう。 

出生時両立支援コース : 男性育休は誰でもイケるよ、ということをみんなに知ってもらう。  

介護離職防止支援コース : 介護離職なんかすることはないんだよ、とみんなに知ってもらう。  

不妊治療両立支援コース  : 不妊治療は後ろめたいことじゃないんだよ、とみんなに知ってもらう。   

育休中等業務代替支援コース : 育休中の業務代替は生産性向上につながるとみんなに知ってもらう。

柔軟な働き方選択制度等支援コ-ス :育休の福利制度増設は会社のブランドにつながるとみんなに知ってもらう。

 

この「みんなに知ってもらう」ツールがミソです。育休復帰支援プランや介護支援プラン、柔軟な働き方選択制度等支援プランの他に、周知に必要な貼り紙まで当局は用意してくれています。それらを使って育休で周囲から白い目で見られたりする雰囲気を消し、男性が育休を当たり前のように取る“空気”を創っていこうというのです。そのためには経営者はじめ、会社全体の意識を変えることが必要です。

 

 

東京都はそういう“空気”を創るには質もさることながら量が大事と、助成金に「NEXT」と付けてますね。もう育休取るのは当たり前、2人3人と取って、プラスアルファの制度も入れて、共働きの夫婦(お互い他社でいい)ともに協力する前提の助成金まで造っています。額も増えて厚労省の“強敵”助成金になりました。

 

そうやって育休が当たり前の社会を創るには、まず会社から、そのためには育休中のヒトの空けた仕事の分担と明確化を、そして誰もが育休を取れるようにするには、あらゆる仕事内容の職務の明確化とその職務を引き継ぐには教育訓練から、という論法です。

 

 

職務給を当局が推奨しているのは、なんとなくやらされている訳わからない仕事が長時間労働と生産性の低下の原因だからです。なぜ育休が白い目で見られるのか?残った人が余計な仕事を抱え込まされて、しかも賃金が上がらないからです。それを解決するのは仕事のたな卸しからです。難しくなくてもいいんです。簡単な仕事とムツカシイ仕事と中くらいの仕事、それに新入社員と中堅社員とベテラン社員、この仕事の違いを明らかにできればいいのです。

 

先日各種ハラスメントで辞職した町長は「男性が育休1年取ったら〇すぞ」といったのが原因でしたが、世の中は変わった、コロナ外圧その他で変わらされたのです。少子化克服にあらゆる手を尽くすことは、個人から国家まであらゆる組織の義務になりつつあります。

 

ハラスメント列伝
 

それやるのに手っ取り早いのは「事業内職業能力開発計画」だろ?そして会社がそのために何をするかはっきりさせるのは「一般事業主行動計画」だろ?ということをマネジメントの本質として申し上げました。

 

中企団 「助成金人事制度」セミナー
 

 

4月はもちろん令和6年度の法改正の話題が主なのですが、細かい改正などパンフレットを見るだけで分かるようになったのはこれも進歩です。また電子申請の進化で、より整理しやすくなりました。しかし不正のやり口だけは30年間変わりません。2重帳簿や書類の偽造です。3月末は「トピック的事件」の結末がドッと来ました。センセイがたが助成金やらないのはこういうことが怖くてやらないのですね。細かい落とし穴改正と、不正に落とし込まれることです。

 

なぜ助成金の不正をやるのか?
 

社労士など専門家の役割は、助成金について細かい改正情報の伝達もさることながら、おカネの手続きでどうしてよりよい組織・会社・社会を創るか?というコンセプト作りのために経営者や従業員とともに一緒に考えることだと思います。当局の施策に乗るも乗らないもよし。ただ国や自治体の助成金を受けるなら、乗ってみるばかりでなく、都合よく活かす手立てが必要じゃないの?と考えるところから専門家のコロンブスの卵的な知恵が発揮される時代になったかと思います。