ハラスメント列伝
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ハラスメントとは、さまざまな場面についての嫌がらせ、いじめといった人間のマイナーな心理の発現を言いますが、これだけ「被害」を訴える用語が出たというのは、誰もが被害者になりたい時代かと思いますねえ。保守が強くなり、進取や革新は弱くなる、成熟社会の特徴です。何でもかんでもハラスメントをまとめてみました。
アカハラ : アカデミック。教育機関で、研究上の権力を持って、押さえつけること。
アルハラ : アルコール。酒を強要すること。
慰留ハラ : 退職の慰留。「無責任だ」「常識がない」と、退職が悪であるかのように退職者を責めること。
エイハラ : エイジ。年取っているから、若いからと、年齢で差別すること。
エアハラ : エアー。クーラーの温度、もしくはそれ以外のその場の雰囲気を悪くする、もしくは違い。
オワハラ : 終わる。就活で「早くウチに決めてしまえ」と迫る雇用者側の態度。
カスハラ : カスタマー。お客の立場を利用して、サービス提供側に理不尽な要求をする。
カジハラ : 家事。性に限らず家事を押し付けること。
カラハラ : カラオケ。カラオケを歌いたくないのに強制すること。
ケアハラ : 職場介護のケア。働きながら介護をするヒトに嫌がらせをすること。
ジェンハラ: ジェンダー。男のくせに、女のくせにと、性別にかこつけて非難すること。
シルハラ : シルバー世代。介護を受ける高齢者に対する嫌がらせ。
スクハラ : 学校の人間関係。学校で起こる嫌がらせ。セクハラっぽい。
スメハラ : 匂い。嫌な匂いを及ぼされることに対する嫌悪感。
スモハラ : スモーク。たばこの煙で非喫煙者に害を与えること。
セカハラ : セカンド。上司などにハラスメントを相談したことによって、かえってそれを責められること。
セクハラ : セクシャル。性的な嫌がらせ。
ゼクハラ : ゼクシィ。結婚情報誌「ゼクシィ」を交際相手の見えるところにわざと置く。
ソーハラ : ソーシャルメディア。SNSに職場の上下関係を持ち込んで、ストレスの原因になる。
ソジハラ : SOGI。好きになるヒトの性別、自分の性別に関する認識で、いじめや暴力を受けること。
ソロハラ : ソロ(独身者)。結婚して子を生み育ててこそ一人前という価値観でそれらを急かせること。
テクハラ : テクニカル。ハイテク機器を使えないことに対する嫌がらせ。差別。
ドクハラ : ドクター。医師による患者への嫌がらせ。おごってしまう、特権意識などが原因。
ヌーハラ : ヌードル(麺類)。そばやラーメンなど、ズルズルと音を立ててすすることに対する不快感。
パーハラ : パーソナル。個人の属性をいじること。特に言われる方が気にすることをいじること。
パタハラ : パタニティ(父性)。男性が育休をとったり、短時間やフレックス勤務の活用等への妨害。
ハラハラ : ハラスメントのハラスメント。「何でもハラスメントだ!」という批判が逆にハラスメントになること。
パワハラ : パワー。権力を持って、暴言や暴力をほしいままにすること。
票ハラ : 選挙に入れるべき“票”。候補者に入れるから何をしてもいい、とイヤな要求をすること。
ブラハラ : ブラッド(血)。血液型判定でその人格を定義し、特に少数派を仲間はずれにすること。
ペイハラ : ペイシェント(患者)。患者が医者の言うことを聞かずに、医療の提供を妨害すること。
ペットハラ: ペット。ペットに対する虐待、あるいはペットを用いた迷惑行為。
マタハラ : マタニティー。働く女性が妊娠・出産・育児を機に職場で嫌がらせを受けること。
マリハラ : マリッジ(結婚)。まだ結婚しないの?と、未婚女性に尋ねること。
モラハラ : モラル。「モラルを守ってないよ!」と責めつけ、それで加害者が安寧を得る行為。
ラブハラ : ラブ(恋愛)。恋愛に関する話題を振って、相手に不快な思いをさせること。
リスハラ : リストラ。対象者に嫌がらせ行為を行ったり、不当な配転を行うこと。
レイハラ : レイシスト(人種差別者)。〇〇人は出ていけ!などと、特定の人種や国を非難すること。
レリハラ : レリジョン(宗教)。〇〇教お断り、と、特定の宗教を信じるヒトを非難すること。
いやもうここまでよく集まったものだと思います。要は〇〇ハラ=〇〇で不快な思いをさせること、ということです。不快というのは千差万別ですが、不快に思わせるように仕向ける、嫌がらせの心理のことを言うかと思います。心なしか人事労務関係が多いような気がしますが、それは人間のこころの一面だからでしょう。
ネット時代は人間のこころの、明るい面や創造力が増す面もありますが、反面、イヤなところも容赦なくさらけ出し、マイナーな心理を増幅させる面もあります。これだけ増えたハラスメントの群れは、ネットの助けで顕在化した「人間のこころの恥部」集大成でしょう。
恥部はだれでもあることで、まっとうなところも含め、それで人間というものができています。しかしそういう恥部を陽の当たるところに出して、世に問うことこそ、世の中が良くなるモトだと思うのです。たとえそれでまたがんじがらめな法律ができるとしても、人間はそれを乗り越えて今日の社会を作ってきました。ことさらなマイナス面の告発も、世の中をよくすることにつながると、信じたいものです。