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料理の記憶 17 「大手スーパー鮮魚部」 前編

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大手スーパーと名前を伏せても今更という感じで、以前の私の記ブログを見るとちゃっかり名前が載っていたりします。

私のブログぐらいでどうにかなると思ってもいませんが、万が一関係者が見た場合を考えますと・・・という内容になっていますのであしからず。

 

 

実家から歩いて10分程度

ついに初日を迎える。

お寿司屋さんで魚の事はだいたい覚えた。と自分を称えながらなぜか自信ありげに初仕事を迎える。

 

スーパーの仕事として主にレジ担当やサービスカウンターは表の仕事で直接お客さんと接する。

しかしそれ以上に裏方が大半を占めているのがスーパーの特徴だ。

 

部門別に言うと私が働く鮮魚部門のほか精肉部門、野菜部門、惣菜部門、お菓子や飲料を扱う部門などそれぞれのエリアに分かれていてエリアごとに班長のような人がいる。

仕入れや品だしなどは全て班長の指示に従いその日の仕事内容が紙面に書いてある。

その紙面を出勤したパートやアルバイトなどが仕事を分担して商品をパックなどに詰める。

 

パックづめされた商品に社員が値札をはり、店頭に並べられる。

これが一連の流れである。

 

どの食材をどのように並べるかで売上が大きく変わってくる。

1コーナーの大きさは決まっているのでその中で試行錯誤を繰り返す。

その日の特売などは大きく幅をとったり、今日中に売りたいものなどはよく見える場所などに置かれる。

 

当時はよくわかっていなかったがそうだったらしい。

 

 

私の担当は鮮魚部門。

生魚や加工食品、魚卵、お刺身など全ての鮮魚を扱う。

私の仕事は主にパック詰め。

 

決められたグラム数を決められたパックに入れラップをする。

 

パックには全て番号が付いていてABCと数字で分けられている。

例えばA-30 B-27 C-10など鮮魚部門で扱うパックだけでも30種類ぐらいのパックが並んでいる。

 

 

 

はっきり言ってお寿司屋さんとはまったく違った。

 

 

支店長が私の面接官だったが物珍しそうに聞いてきた。

 

「パートでいいの?」

「おばちゃんばっかりだよ。」

 

「この歳でなかなか職が見つかりません。パートでも働けるのなら是非。」

 

とは言ったものの、おばちゃんばっかりの職場とはいったいどんなものなのか想像もついていなかった。

 

鮮魚部門で働くパートの人数はだいたい6~7人程度

ほとんどが40代~50代の主婦で成り立っている。

たまに30代を見かけるとやたら若く見えるのは気のせいだろうか?

とは言うもののこの時私は16歳。

 

主婦達にとっては自分の子供と似たり寄ったりの年齢だ。

実際同じ中学校の後輩のお母さんも働いていた。

 

パートさんの子供は高校生。

私も学校に行っていれば高校生な歳である。

 

しかもちょうど反抗期世代で自分の子供に頭を悩ませている人が多かったし

 

私は相談相手としてちょうどよかったらしく、普段家では直接聞けない色んな相談を私にしてきた。

おかげですぐ職場に溶け込んだ。

 

要領さえわかってしまえば単純作業だ。

手さえ動いていれば終わってしまうような仕事。

慣れているパートさんたちはめちゃくちゃおしゃべりだった。

 

時には子供の話

学校の話

先生の話

近所の話

たまに夫の話

 

聞き役は私。

私にとっては仕事よりも大変な仕事だった。

 

一週間もしないうちに仕事終わりにマックでランチなどもお手の物だ。

昼下がりのマックで主婦たちと私。周りから見るとどんな光景に見えただろうか?

もうすぐ17歳になろうとしている私はその中にいた。