毎週一度は日本語講師、みきゆきです。
きのうの日本語の授業で、とてもとても重要なことを話したよ。
→語尾「ね」の効用
使用教材はコレ。
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ここのところ、第5課「同僚とランチに行く」を進めてて…
本文会話の中に、こんなやりとりがあるんです。
アナン=タイ人男性、ニール=イギリス人男性、朱=中国人女性
ニール:ランチに行きませんか。
アナン:ええ。朱さん、行けますか。
朱:はい。大丈夫です。
ニール:外に行きましょう。人気のラーメン店があるんですよ。
アナン:いいですね。
赤字にした「ね」は、ここではすごく重要なはたらきをしてます。
「ね」が無いと、アナンさんの発話が誤解される可能性があるんです。
日本語ネイティブの皆さんならわかりますよね~?
でも、たぶん学生はこの「ね」の重要さを知らないんじゃないかと踏んだわたしは、こう問いかけてみました。
ねえねえ、アナンさんがこの「ね」を言わなかったら、ニールさんはどう思うかなぁ~?
アナンさんが、「いいです。」って言ったら、ニールさんはどう思うかなぁ~?
※大事な問いは言い方を変えて2度問いかける!わたしの中の鉄則。小さい字で書いてるけど企業秘密!受講生さん達に「問いの真意の理解を促す効果」があるのでやってみてね。反応の返りも違ってくると思うよ~
学生さんたちがどう答えたかはさて置き、ここで「ね」が無いと、
「いいです。」
…っと「NO」に聞こえてしまい、えっアナンさんはラーメンが嫌いなの?ってなる可能性があるんですね、と話しました。
「ね」の有無で真逆に。
たった一文字のことなのに真逆に。
そこから、日本語会話では「ね」が本当によく使われる。
どんな時によく使われるかというと~という話へと進むことができました。
うんうん
なかなかいい授業だった。楽しかった~
実は1か月前、このクラスでちょっとした授業崩壊みたいなことがあったのです。
暴力沙汰ではないんだけど、自分の講師としての資質を激しく問われたように感じて、激しく凹んだんだわ…。(おひめ、あの時は慰めてくれてありがとう♥)
その時に、学生のひとりから言われて大層凹んだのが、
この授業を受けて日本語のレベルが上がると思わない
時間のムダ
くぅ・・・(大涙)
これ「クソバイス」だとは到底思えなかった~
愛のムチじゃな~と飲み込むのに結構時間かかった~
なんだよ~じゃあ上のクラスへ行けよ~っても思った!笑!
ただ。
方向性を見失ってたことと、資格や実績がないので遠慮ぎみだったのは事実。
こういう時って、相手にすり寄っていくような、好かれようとがんばる授業をしてしまうもの。わたしはね…。
で、なんっか違和感があるんだよなぁ…。
授業にハリが無いっつーか。
流してる感じというか。
うん、やっぱり○○さんの言うことはクソバイスじゃないな。アドバイスじゃな。
そう思って「先生からもっとたくさん教えてもらいたい」「だから変な授業は時間のムダ」と捉え直してみた。
そこから、そもそも彼らはどんな日本語力を求めているのか?って考えることができたんだ。
彼らの目標は日本での就職なので、日本人と日本語で円滑なコミュニケーションを取れるような日本語力を得ることが目的のひとつ。だと思う。
※(また小さい文字で余談)
巷では「偽装留学生」なるものが謳われてるけど、わたしの見解だとアレは少数派で…しかも、バックに日本人がいることが多い印象。
ほとんどの留学生は日本で就職するのが目標。これ、ものすごくありがたい話。
自分の国より給料が相対的に高い、貨幣価値が高いからというのもあるけど、文化的な暮らしがしたいと思ってるんじゃないかな~
円滑なコミュニケーション…日本語で仕事…って考えてたら、ふと、
わたしも彼らもおんなじだ。って思った。
わたしも第2言語学習者(英語)だけど、わたしも彼らも「中の上」なんよね。
読める・聞けるけど「話せない(というか自信がない)」。
紙のテストは得意だけど、面接とか電話とかはちょっと…。
ネイティブなら感覚で無意識に使う、「ね」のような言葉が出てこない。
教科書から抜き出したような完成された文しか言えない。
となったら、彼らのお悩みはわたしの悩みでもあったわけ。
それなら、ネイティブの感覚を話せばいい。
資格はないけど、実績なら日本語話して43年の実績があるじゃん?笑
そうか、それ、やってみよう!
で、何をやればいいか見つかって浮上したってわけ。(単純。笑)
ちょいちょい会話Tips、岡山弁Tips入れながら授業を進めてて、これはイケるな、っていう感触があって…「ね」の授業はその過程でできたもの。
新出単語「イケる」の説明で使った画像…笑
(おわり)
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