(GWの旅行記の続き)旅行9日目。この日も夜にオストラヴァでスメタナのオペラを観ますが、日中は久しぶりにブルノに行くことにしました。

 

ブルノは2009年にウィーンからのエクスカーションで行ったことがあり、まちの見どころは概ね見て周わりました。特に、理系の私は「メンデルの法則」のグレゴール・ヨハン・メンデルの業績が展示されている、メンデル博物館に大いに魅了された思い出があります。

 

しかし、ブルノの世界遺産であるトゥーゲントハート邸は少し離れた場所にあったため、その時には周れませんでした。今回はそのリベンジとなります。

 

 

 

(写真)朝食。昨日今回の旅行で初めてホテルで朝食を食べましたが、また列車の中での朝食に戻りました。朝ゆっくり起きて、ラグジュアリーなホテルでゆっくり朝食を楽しんで。そんな優雅な旅行とは無縁な私の旅!笑

 

(写真)オストラヴァから2時間20分かけてブルノ中央駅に到着。ここからトゥーゲントハート邸まで行きはブルノの見どころを周わりながら歩いて行きました。

 

(写真)ブルノの旧市街。落ち着いたまちなみですが、プラハに次ぐチェコ第2の都市、とあって活気があります。

 

(写真)ファサードに小鳥に説教する聖フランチェスコのモザイクがある素敵な教会がありました!このモザイクを見ると思い出すのが、2017年にシルヴァン・カンブルラン/読響で2回聴いた、メシアン/アッシジの聖フランチェスコの最高の演奏!

 

(参考)2017.11.19 カンブルラン/読響のメシアン/アッシジの聖フランチェスコ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12329807449.html

 

 

(写真)2つの巨大な尖塔が非常に印象的な聖ペテロ聖パウロ大聖堂。祭壇の後ろのステンドグラスが美しく、横の8つの小祭壇と宗教画も雰囲気ありました。

 

(写真)青果市場。いろいろな野菜や花を売っていて見て回るのが楽しいですが、シュパーゲル(白アスパラ)は見かけませんでした。この時期、ウィーンはシュパーゲルだらけとなるので、オーストリアとチェコとの違いが興味深いです。

 

 

(写真)旧市庁舎。ヤナーチェク/シンフォニエッタにも出てくるブルノの名所です!中に入ると、ブルノのシンボルのドラゴンがいて、観光客に人気でした。ドラゴン?私にはワニにしか見えません、笑。退治したワニをドラゴンと勘違いした逸話があるそうです。

 

 

(写真)ブルノの中心の自由広場と初期バロック様式のペスト柱

 

 

(写真)聖トマーシュ教会。周りにはユニークな像があって、お子さんたちに人気。

 

 

(写真)ヤナーチェク劇場。そう、ブルノはヤナーチェクの本拠地で、オペラハウスにヤナーチェクの名前が付いているのです!ヤナーチェクの像がとても立派!いつかこの劇場でヤナーチェクのオペラを観てみたいものです。

 

(写真)今回の旅ではいろいろなチェコビールを楽しんでいますが、スタロブルノは残念ながら飲む機会がありませんでした…。せめてということで、看板の写真を。

 

 

 

 

 

ということで、道中、ブルノの見どころを周わってきましたが、これからがこの日の本番です。1時間くらいかけて歩いて、いよいよトゥーゲントハート邸に到着しました。ブルノの旧市街もとても雰囲気がありますが、ブルノの世界遺産はこのトゥーゲントハート邸なのです。とても楽しみです!

 

 

 

(写真)トゥーゲントハート邸の入口(最上階)。ここだけを見ると、これが世界遺産???という印象を持ちますが、この邸宅の凄いのはこれからです。

 

 

(写真)トゥーゲントハート邸の庭園には入ることができるので、ガイドツアーの始まる時間まで、しばし庭園を散策。庭園もとても素敵でした。

 

 

 

(写真)そして庭園から見たトゥーゲントハート邸!この一面大きなガラス張りの居間がトゥーゲントハート邸の大きな魅力となっています。モダンで機能的な建築が緑の木々に溶け込んでいて、本当に美しい!

 

 

 

そしていよいよトゥーゲントハート邸を90分のガイドツアーで周わりました。特に印象に残った説明は以下の通りです。(観光名所で室内の写真は撮らないマイルールのため写真はありませんが、パンフレットを購入したのでそこから1枚だけ。)

 

 

◯裕福なユダヤ人の家系のグレーテは実業家のフリッツ・トゥーゲントハートと再婚。建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエに邸宅の設計を依頼して、1930年にトゥーゲントハート邸が竣工。

 

※ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエは、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトとともに、近代建築の三大巨匠と言われています。

 

◯グレーテとフリッツと最初の結婚での娘と2人の男の子の5人で住んでいた。

 

◯玄関からさっそくモダンな空間で、木の壁、イタリアの大理石の床、象徴的な照明。ドアもとても大きい。

 

◯子供部屋は当時では珍しく別々だった。子供部屋に洗面台がある!と思ったら、ゲストルームがなくて、ゲストが来た場合には子供たちが同じ部屋で寝たということ。

 

◯モダンで機能的な部屋。シンプルだけど魅了されるデザイン。特にデザイン面では風呂場と洗面台が素晴らしい!しかも風呂場は2つもありました!

 

(写真)その魅了されるデザインの風呂場と洗面台

※購入したトゥーゲントハート邸のパンフレットより

 

 

◯居間がとにかく素晴らしい!全面ガラス張りの20m×15mくらいの空間!そのガラス張りの見通しの良い窓からのブルノ市街の素晴らしい風景!応接セットやピアノ、本棚(10段×4列)、観葉植物ゾーン(水耕栽培用のスペースまで)など調度品や飾りも素晴らしかったです!

 

◯特別に調達した大理石の壁は日の出と日の入りで色が変わって美しいそうです。ちなみに、この大理石の壁は建築家に内緒で調達したとのことで、建築家が来た時に隠れる部屋までありました!笑

 

 

◯スタッフルームも立派!スタッフルームにもブルノの景観を楽しめるガラス窓がありました。しかし、プライバシーのため、家族の居間はくもりガラスで覗けないようになっています。

 

◯邸宅の管理機構がまた凄くて、下層部にフレッシュエアー、サーキュレーション、クーリングの3つのコントロールパネルや大きなフィルターの機械(木の皮のようなフィルターと集塵装置)がありました。

 

◯第二次世界大戦でナチス・ドイツの迫害を恐れて、一家は亡命。戦後はバレエスクールとして使われましたが、その後は子供の病院として使われたそうです。

 

 

 

トゥーゲントハート邸、めちゃめちゃ素晴らしかったです!当時のとてもモダンで斬新な建築が修復もしっかりされていて良く残されています。

 

同じくモダンで世界遺産となっているドイツのデッサウのバウハウス(本校舎)とはまた違った魅力があり、美しいブルノの風景と相まって、とても豊かな体験でした!

 

 

 

 

(写真)ガイドツアーが終わって、トゥーゲントハート邸の屋上からのブルノのまちの眺め。ブルノのアイコンのシュピルベルク城もよく見えました。

 

 

 

 

 

さて、ブルノの世界遺産のトゥーゲントハート邸を見学する、という目的を無事達成できました!ということで、オストラヴァに戻ります。

 

 

(写真)列車の時間の関係で、ランチも帰りの列車の中で。

 

 

 

オストラヴァ中央駅に着いて、列車を降りようとしたら、ドアのところで私の前に並んでいた若い小柄な女性から「荷物(スーツケース)を持っていただけませんか?」とお願いされました?もちろん「喜んで!」と。騎士道精神を発揮する機会きた~!笑

 

 

 

そして、駅を出ると、どうやらこの日の夜にサッカーの試合があるのか、黄色のユニフォームを着た人たちがオストラヴァ中央駅や一番賑わうストドルニ通りで大いに盛り上がり、お酒もガッツリ入っていました!笑

 

そして、ホテルに戻って仮眠を取った後、夜にオペラに行く途中、先ほど通ったストドルニ通りを再度通ったら、さっきお酒を飲んでいた黄色のユニフォームの人たちがまだお酒を飲んでいて、さらに人数が増えていました!爆

 

 

(写真)さらに、道行くトラムを見たら、トラムの中が黄色のユニフォームのみなさまでぎっしり!(先頭車両)

 

実はサッカーでなく、アイスホッケーの世界選手権で、この日はその開幕戦、スウェーデン対アメリカ戦がオストラヴァであったんです。

 

ちなみに、世界選手権は5月26日まで開催されて、地元のチェコが2010年以来の優勝を飾ったそうです。チェコのみなさま、本当におめでとうございます!!!

 

 

 

 

 

 

 

(追伸)ブルノの記事に合わせて、最近、ブルノ出身の指揮者ヤクブ・フルシャさんが都響に客演した2つのコンサートを聴いたので簡単にご紹介します。

 

どちらのコンサートもとても素晴らしかった!

 

 

まずは6月29日(土)に聴いたチェコ・プログラム。特にスメタナ/リブシェ序曲を聴けたのが嬉しい!しかも、この日にヴィシェフラドを旅した記事をアップしたのでとても奇遇でした。ヤナーチェクとドヴォルザークも本当に良かったです。

 

 

(写真)素晴らしいチェコの音楽を聴いた後は、お約束で都内でチェコ料理とビール!ベーコン入りのブランボラーク(じゃがいものパンケーキ)がめちゃめちゃ美味かった!ピルスナー・ウルケルも最高!(実は2杯目笑)

 

 

そして7月4日(木)はブルックナー4番がメインのコンサートを聴きました。私、ブルックナーの中で4番が一番苦手ですが、フルシャ/都響の4番には大いに惹き込まれました!特に都響の味わい深い音色の弦楽と弱音で攻めていたホルンが良かったです。

 

長大な交響曲を聴きながら、私は都響の音自体が好きなんだな~ということを改めて実感。フルシャさんの持ち味も十分に出ていたとも思いました。フルシャさん、ぜひまた都響に客演されることを楽しみにしています!