本題の前に。一昨日9日(金)の大野和士/都響のヤナーチェク/グラゴル・ミサ、昨日10日(土)のファビオ・ルイージ/N響のヴェルディ/レクイエムと、宗教曲の素晴らしいコンサートを立て続けに聴いて、大いに感動しました!

 

大野和士さんと都響は長年のコンビによる完璧な演奏で圧巻!サントリーホールで都響を聴く至福!ファビオ・ルイージさんはN響の首席指揮者の就任記念公演でしたが、リズムの切れ良く、繊細なニュアンスに溢れた、さすがの指揮!このコンビの明るい未来を大いに予感させる、最高のコンサートでした!

 

都響とN響のほかにも、読響、東響、日フィル、BCJと、今年もハイレベルなコンサートが続いていますが、毎回大いに感動&幸せな気持ちになり、聴きに行くのが本当に楽しみです。芸術の秋はこれからが本番。たっぷり堪能したいと思います!

 

 

 

 

 

さて本題ですが、今回の夏の旅行、最初の行き先はウィーンでした。ただし、そこはコロナ禍。すんなり行けた訳ではなく、そこまでに3つの困難が待っていました…。

 

 

 

 

 

(行きのフライトまでの困難その1)

 

 

当初は東京→ウィーンの直行便を予約していました。しかし、フライトの2ヶ月前に、航空会社から以下のメールが届きました。

 

 

「ご予約のフライトが運休またはアップグレードを申込みされたクラスの設定がなくなりましたことをご案内いたします。」

 

 

 

何と!出発の2ヶ月前にフライトが運休!ガーン!

 

しかし、こればかりは仕方ありません。コロナで旅客需要が戻らない中、航空会社が路線を絞ったり、曜日を限定したりするのは、十分あり得ます。夏はどの路線も予約でパンパン、そんな以前の状況に早く戻るといいですね。

 

 

とは言え、このままでは旅行に行けません。さっそく何らかの振り替えを航空会社にお願いしようと電話しましたが、他の人たちも一斉に掛けているためか全くつながらず…。結局、2時間後!にようやくつながりましたが、その場では振り替えの便は見つからず、預かっていただく形となりました。

 

一時は他の航空会社で取り直すことも考えました。2ヶ月前だとフライト代めっちゃ高そう…。しかし、2日後、幸運なことに、無事に振り替え便が取れたと連絡がありました!ヤッター!

 

ウィーン直行でなく、ロンドン経由という遠回りなフライトとなり、日時も希望通りではなく、旅程を1日分損してミュージカル1公演観れなくなってしまいました…泣。でも、その後の旅程のために、とにかくウィーンに辿り着けさえすれば御の字です!諦めずに2時間電話を掛け続けて本当に良かった!予約担当の方、本当にありがとう!

 

 

(しかし、このロンドン経由が、結果として感動的な出来事につながります。本記事の後半にて!)

 

 

 

 

 

(行きのフライトまでの困難その2)

 

 

ところが…、喜んだのもつかの間、今度はフライトの2週間前に以下のメールが届きました。

 

 

「急速な需要回復に伴うヨーロッパの航空各社およびその業務受託会社の空港の人員不足並びに業務処理力の低下・ウクライナ情勢に伴う航空路の混雑により、以下の影響が発生しております。

 

・乗継便がある場合は、お預け頂いた手荷物が最終目的地に届かない(後送になる)ことに備え、お仕事に必要なもの、服用中のお薬、欠かせない身の回り品など、旅行中および帰国後に不可欠なものは、飛行機に預けず、機内持込みをお勧めいたします。」

 

 

 

ガーン!何と、旅行客の回復に空港の処理能力が追いつかず、預けたスーツケースが出て来ない、つまりロスバゲがあるようなんです!

 

すると、ニュースでも、ロンドンのヒースロー空港で、処理能力が追いつかずに、行き場を失ったスーツケースが山積みになっている映像が…。まるで、私のスーツケースの未来の姿!泣

 

 

(写真)ヒースロー空港で処理し切れず山積みになったスーツケース

※ニュースのサイトより

 

 

やはり、コロナ禍からの回復期だといろいろありますね…。ロスバゲすると旅行がどうなってしまうのか?ブログで見たことがありますが、本当に悲惨なようです。必要なものがなくて困るのはもちろんですが、ホテルを転々とする中、スーツケースをどこで引き取るのか?楽しい旅行中に、そんなやりとりに時間を費やすことを考えただけでもテンションが下がります…。

 

私は過去に一度だけロスバゲしそうになったことがありましたが、お隣のレーンにスーツケースが出ていたという珍現象で、事なきを得ました。ああ~、今回ばかりは初めてロスバゲになってしまうのかも…。

 

(参考)2020.1.2 チューリッヒ観光(チューリッヒのまち歩き&教会巡り&ロスバゲ騒動)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12579541411.html

 

 

 

いや、待てよ?スーツケースって、絶対に必要なものなんだろうか?

 

 

私は以前に小型のリュック1つで海外旅行をしたことがあります。それはシベリウス没後50年の2007年に、フィンランドのラハティのシベリウス音楽祭を3泊5日の弾丸旅行で聴きに行った時のことでした。その時は3泊5日でしたが、今回のおよそ10日間の旅も工夫をすれば、スーツケースなしでももしかしたら何とかなるかも?ピピン!と閃いて、出発2週間前ですが、その可能性を追い求め、検討を始めました。

 

すると、機内持ち込みのできる大きさのリュックで、大容量で軽量で丈夫なものがあることが分りました。ざっとスーツケースの容量の半分くらいは入りそうです!値段も1万円くらいなので、例え今回の旅のためだけに購入しても全く惜しくありません。

 

そして、今回の旅程を勘案して、持っていくべきもの、持っていかなくても何とかなるもの、その選別を厳格にしました。特に、着るものは厳選して、例えば下着類は最小セットでローテーション、頑張って洗濯して乾かすことにして切り詰めると、かなり嵩(かさ)が減ります。オペラの公演も沢山ありますが、この際ワイシャツは2枚で勝負することにしました!

 

オペラの歌詞の本(CD付属)も、できれば公演直前に歌詞を再確認したいところですが、行く前に全部覚えてしまって、持っていかないことにしました。その他この他、かなりギリギリの選別をしたところ、大型のリュックに荷物が入り切って、重さもクリアしました!ヤッター!

 

これで機内持ち込みにしてしまえば、ヒースローでのロスバゲは100%回避できます。道中、大型のリュックを背負うのが重かったり、洗濯&乾燥がかなり忙しいですが、荷物とともにウィーンにさえ入ってしまえばこっちのものです!

 

 

 

 

 

(行きのフライトまでの困難その3)

 

 

そして、いよいよフライトの週となりました。今年は2022年。2ヶ月前、2週間前に焦る出来事があったので、もしかして2日前にも何か起こるかも?と心配していましたが…、案の定、今度は何と!フライトの2日前に小笠原で急に台風が発生したというニュースが!台風に当たってフライトが飛ばなくなるリスクが発生!

 

最初はかなり焦りましたが、そんなに足の速い台風ではなかったので、台風が来る前に無事に飛び立ちました!いや~、危ない、危ない!危機を回避して、プラスマイナスゼロですが、却って何だか得した気分に!笑

 

 

 

 

 

ということで、フライトまでにいろいろなことがありましたが、無事、離陸し、旅行がスタートしました!バンザーイ!

 

フライトの中は1列3座席に1人くらい。さらに全員マスク着用。空いていて快適、久しぶりの機内食もめっちゃ美味しかったです!

 

 

航路ですが、ロシアのウクライナ侵攻により、ロシア上空を飛べなくなる、と聞いていました。何となく、ロシアの南を飛ぶのかな?と想像していましたが、機内のフライトの地図を見ると、最初、東京から北東方面、カムチャッカ半島の南の方に飛んで行きます?

 

そして、今後の経路示す補助線は北西方面(ロシア方面)に引かれていたので、これはロシアを避けつつ、ロシアの北の北極圏を飛ぶのかな?と思っていたら、何と!そのまま北東方面に飛んでいって、アラスカのアンカレッジをかすめて、北米大陸の北を飛んでロンドンへ向かいました!

 

 

何と何と!つまり、ヨーロッパに行くのに地球を西周りでなく、東周り!いつもの反対方向です!これは初めての経験!

※なお、正式には「北周り」と言うそうです。

 

 

にも関わらず、かかった時間は13時間30分でした。通常の西周りよりは少し時間がかかりますが、そこまでではありません。偏西風の力って、本当に凄い!そして、以前のヨーロッパ便はアンカレッジで給油したと聞くので、航空機の航続距離や燃費の向上にも感動!

 

 

そして、東周りだと、いつもと全く違うルートとなります。北米の北を飛んだ後は、何とグリーンランドの上、続いてアイスランドの上を通ります!それだけで、めっちゃ興奮!雲の上なので地上が見えないのは残念ですが、アイスランド上空では、フライト内の地図で南部の大きなヴァトナヨークトル氷河を確認できて感動!

 

アイスランドの後、グラスゴー(スコットランド)、マンチェスター(イングランド)、最後はウィンザーをかすめて、ロンドンに到着しました。ウィンザーは着陸直前となるので、ウィンザー城が上空からよく見えて、また感動!ウィンザーと言えば、シェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」ですね。ファルスタッフ!笑

 

 

ロンドンに無事に到着した後、フライト・アテンダントさんに、久しぶりに乗りましたがとっても快適でした!、と感謝したら、大いに喜んでいただきました!コロナの間はフライトがないので、他のお仕事に就いて凌がれた方も多いと聞きます。もっと乗客が増えるといいですね!素晴らしいサービスを本当にありがとう!

 

 

 

 

 

さて、乗り継ぎのヒースロー空港もどうなるのか?少しドキドキ。ただし、手荷物チェック、パスポートコントロールと極めてスムーズ。コロナでの特別なチェックはありませんでした。

 

ヒースロー空港の利用者でマスクをしているのは5%くらいでした、笑。ほぼ100%の人がマスクをしている東京から来ると、正直、恐怖心を感じますが、こればかりは仕方ない。慣れるしかないですね。

 

 

(写真)フィッシュ&チップスとロンドンプライド(ビール)。実はフライトがロンドン経由になった瞬間から、ヒースローでこれを食べるのが、めっちゃ楽しみで!笑 東京のフィッシュ&チップスも衣がふかふかで美味しいですが、ロンドンで食べるフィッシュ&チップスはまた格別!

 

 

(写真)ヒースロー空港の床にあったソーシャル・ディスタンスの掲示

 

 

 

 

 

フィッシュ&チップスとビールを存分に楽しんだ後は、乗り継ぎのロンドン→ウィーンのフライトに乗ります。これが見事に満席、そしてマスクしている人はほとんどいません!

 

しかも、後から搭乗した方々の手荷物が、なかなか上の荷物スペースに収まらず、乗務員の指示で、先に入っていたリュックサックなど小さな荷物がバンバン持ち主の足元へ移されていきます。その作業が終わるのを待っているため、後ろはかなりの渋滞。ディレイしているので、速くして!のアナウンスが度々流されていました。

 

私はヨーロッパの都市の間のフライトには何度となく乗っていますが、通常よりも、小さなスーツケースの持ち込みがとても多い印象です。つまり、ヒースロー空港の混乱がニュースに流れて、あるいは航空会社から注意喚起があって、みんなスーツケースの預け入れを控えた結果、このような状況になったと推察しました。

 

ヒースロー空港が混乱しているので、乗り継ぎのフライトがちゃんと飛んでいるのか、毎日ウェブサイトで確認していましたが、飛んではいたものの、毎日30分くらい遅れていました。その理由はこれか!と大いに納得した瞬間でした。

 

 

結局30分遅れで出発して、ウィーンのシュヴェヒャート空港に着いたのも30分遅れ。ホテルに着いたら日付が12日に変わっていました。本当に長~いフライトで、結構疲れましたが…、とにかくロスバゲなしにウィーンにちゃんと辿り着けて本当に良かった!

 

 

 

 

 

全体的にはスムーズに進んだ今回の旅でしたが、最初と最後に難関がありました。まずその最初の難関を「スーツケースを持っていかない」という思い切った策が功を奏して、無事にクリアできました!(12日の旅行に続く)

 

 

 

 

 

(追伸)既に大きなニュースになっていますが、エリザベス女王陛下が崩御されました。エリザベス女王はお酒にまつわるエピソードが多いこともあり、個人的にとても親しみを持っていました。

 

特にクリュギスト(シャンパンのクリュッグのファン)として知られていて、以前に入院していた時に、お酒はドクター・ストップがかかったにも関わらず、こっそりクリュッグのボトルを持ち込んだ、という微笑ましいエピソードが最高!笑

 

行きのフライトがウィーン直行からロンドン経由に変わったため、エリザベス女王のいらっしゃるウィンザー城を見ることができ、ヒースローではイギリスの国民食フィッシュ&チップスを食べることができました。全くの偶然ですが、何かご縁を感じる良き思い出となりました。

 

世界中の人たちを魅了したエリザベス女王陛下。どうか安らかに!(天国ではお付きの医師もいないので、大好きなクリュッグやマティーニをたっぷり楽しめますね!笑)

 

 

 

(写真)たまたま手元に残っていた5ポンド札。使わないで、ずっと持っていよう。