めっちゃ楽しいミュージカルMEAN GIRLSを観た後は、ホテルに戻ってしばし休憩、そして再びミュージカルを観に行きました。2011年のトニー賞9部門受賞作品、THE BOOK OF MORMONです!


 

THE BOOK OF MORMON

Eugene O'Neill Theater

 

Cast

Mormon: Charlie Franklin

Moroni: Stephen Ashfield

Elder Price: Bud Weber

Elder Cunningham: Cody Jamison Strand

Nabulungi: Kim Exum

Elder McKinley: Stephen Ashfield

Mafala Hatimbi: Sterling Jarvis

 

Creative

Book, Music and Lyrics: Trey Parker, Robert Lopez and Matt Stone

Directors: Casey Nicholaw and Trey Parker

Choreographer: Casey Nicholaw

Set Designer: Scott Pask

Costume Designer: Ann Roth

Lighting Designer: Brian MacDevitt

Sound Designer: Brian Ronan

Orchestrations: Larry Hochman and Stephen Oremus

Musical Director: Stephen Oremus

 

 

 

(写真)THE BOOK OF MORMONのプログラム

 

 

(写真)Eugene O'Neill Theater。タイムズスクエアのやや北、49th St.にあります。

 

 

 

ニューヨークのお楽しみ、ブロードウェイのミュージカルは基本的に20:00の公演ですが、日によってはマチネで14:00の公演もあります。しかも公演時間は長くても2:30。つまりダブルヘッダーが組みやすいんです。この日は夜にコンサートやオペラの予定がなかったので、それでは!とミュージカルのダブルヘッダーにしました。
 

 

あらすじを、ごく簡単に。モルモン教の若き伝道師、ハンサムで有能なプライスと、ぽっちゃりでさえないカニングハムは、布教のためにコンビでウガンダに派遣されます。戦争や飢饉、貧しさで宗教どころではないウガンダの人々に対して、2人がモルモン教の布教に奔走する姿を面白おかしく扱った、抱腹絶倒のミュージカルです。

 

ドタバタ、ナンセンス、パロディ、ブラックユーモアなどなど、モルモン教の布教を思いっきりコメディにしてしまった、最初から最後まで笑いの絶えない、面白過ぎるミュージカルでした!こんなにも宗教をいじったミュージカルを本当に作っていいの?笑ってもいいの?とドキドキもので観ましたが、何のことはない、周りのアメリカのお客さんはガンガン笑って、ドッカンドッカン受けていました(笑)。特に印象に残ったシーンは以下の通りです。

 

 

◯まず、モルモン教の布教に行く行き先の国を告げられる歌。白い制服、黒いネクタイの若い宣教師たちが歌って踊ります。ノルウェー、ポーランド、日本(告げられた2人はしょうゆとキャリパミュが楽しめる!と喜びのリアクション、笑)に次いで、主人公の2人が言い渡されたのはウガンダ。音楽が素っ頓狂な音となり、行く先での出来事を思わせます…。

 

◯You and me (But mostly me)の歌。プライスとカニングハムの凸凹コンビは布教を頑張ろうと励まし合いますが、キリッとしたプライスは、ほとんどは自分がやるから、と自信満々。何か閃いた時に満面の笑顔で客席を振り向くプライスが面白い!さて、ウガンダではそう簡単にいくのでしょうか?

 

また、きみには出る幕がないよと、背景がワイプアウトしてカニングハムが消えてしまう演出が見もの。これは過去にバルセロナのリセウ歌劇場で観たヴェルディ/シモン・ボッカネグラで、パオロが呪われる場面で同じようにワイプアウトしていたのを思い出しました。
 

◯ウガンダで先に赴任していた先輩たちが新着の2人にtuen it off(切り替えろ)と勧めて、ユーモラスにタップダンスで歌って踊るシーンが面白い。今までの考え方では、やっていけないのでしょう。案の定、爽やかハンサムな笑顔のプライスもウガンダの想像を超えた中で生活する人々には全く歯が立たず…。
 

◯ところが、さえないカニングハムの方は、聖書がつまらない、と言う住民たちに、口から出まかせに教義を楽しく伝えると、住民は引き込まれていき、何と10人がモルモン教に入信します!立場が逆転するプライスとカニングハム。カニングハムはウガンダの女性に洗礼の儀式も施しますが、これ本当に洗礼しているの?という感じのスクリーンの奥の影の怪しい動き(笑)。

 

◯カニングハムは一躍ヒーローになり、視察に来たモルモン教のお偉方にも褒められます。ところが、住民たちがモルモン教を教えていただいたお礼にと、カニングハムから教えてもらったデタラメの教えを宗教劇で演じたために、お偉方が怒り出して大混乱に(笑)。

 

え?どんな教えかって?そんなそんな、とてもここで言えるようなシロモノではありません。だって、◯◯◯◯(キリスト教の偉人)がカエルと◯◯◯◯する物語なんですよ!(笑)

 

◯必ずしも正しい布教ではなかったものの、何事にも諦めがちだった住民の心に、前向きな変化が見られるようになりました!宗教の教義はともかく、生きて行く上で大切な教えを得た、ということですね。一時険悪になっていたプライスとカニングハムも友情を確認し合ってメデタシメデタシ。という、終り良ければ全て良し的な展開がまた可笑しい(笑)。

 

 

 

とにかく宗教を思いっきりパロディにしてしまって抱腹絶倒の面白さ、もう度肝を抜かれましたが、こんなトンデモないミュージカルを作って、さらにはトニー賞の多くの部門を与えてしまうアメリカって本当に凄い!アメリカの奥深い一面を体感できた貴重なミュージカルでした!

 

 

(参考)THE BOOK OF MORMONを紹介する動画

https://www.youtube.com/watch?v=hlHvCzDCuSg (1分)

※Broadwaycomの公式動画より

 

 

(参考:今回のNY旅行で観劇したミュージカル)

 

2018.12.27 ブロードウェイ・ミュージカル/ONCE ON THIS ISLAND

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12431135627.html

 

2018.12.28 ブロードウェイ・ミュージカル/DEAR EVAN HANSEN

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12432551018.html

 

2018.12.29 ブロードウェイ・ミュージカル/COME FROM AWAY

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12435064310.html

 

2018.12.30 ブロードウェイ・ミュージカル/MEAN GIRLS

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12437385388.html