資産運用を検討されている相談者の方に、一括投資と積立投資のどちらが良いのかという質問をよくいただきます。
まとまった資金を一度に投資する一括投資
少額の資金を定期的に分けて投資する積立投資
各々メリット・デメリットがありますので、今回はその点について説明して行きます。
一括投資のメリット・デメリット
一括投資のメリットとは?
複利効果を最大化できる
手持ちの資金を 早く市場に資金を入れることで「複利効果」を最大化することができます。つまり、長期投資においてリターンの最大化をはかれるということになります。積立投資でも複利効果は得られますが、一括投資の方が最初の投資元本が大きい分、大きな複利効果が得られることは間違いありません。
市場が上昇局面なら高いパフォーマンス
上昇相場に対しては、初期に大きな資金投入は全体の利益が大きくなります。
アセットアロケーション(資産配分)を一括で構築できる
リスク許容度に応じたポートフォリオを一度で作れます。あとは定期的にチェックすることにより、リバランス(資産の再配分)をする程度で済みます。
一括投資のデメリットとは?
タイミングによっては大きな損失を被ることがある
投資直後に急落・暴落すると資産へのダメージが非常に大きくなることがあります。過去にはリーマンショックやコロナショック、直近では、アメリカのトランプ大統領の関税ショックなど、投資直後に大きな下落があると、積立投資とは異なり大きな損失を抱えます。
心理的負担が重い
今がベストタイミングかどうか?などと悩みやすく、投資経験が少ない場合には怖くて投資に踏み切れないことも多い。
資金拘束が大きい
一度に多額の資金を投資に回すため、急な出費に対応しにくくなる。これは無理な投資ともいえるかも知れませんが、教育資金に充てる予定のお金などを短期的な利益を見越して投資してしまい、予想に反して損失を被ったまま現金化してしまうことになった例も聞きます。
下落局面では積立投資よりもパフォーマンスが落ちることも
長期的に右肩上がりの市場環境でも、短期的・中期的には下落局面を迎えることが必ずあります。そんな市場環境で一括投資をしてしまった場合にはマイナス圏に沈み込んでいる期間が長くなり、結果的に積立投資よりもパフォーマンスが劣ることもあります。
積立投資のメリットとは?
価格変動リスクを平準化できる(ドルコスト平均法)
ドルコスト平均法は、価格が高いときは少なく買い、安いときは多く買う仕組みなので、平均購入単価が安定しやすい。
心理的負担が少ない
タイミングを気にせず自動積立することにより、「今が買い時か?」などと迷う必要がなく、コツコツと投資することができる。
資金が少なくても始められる
毎月数百円から始められることもあり、手元に資金がなくても資産運用を開始できます。投資初心者にも向いている手法と言えます。
習慣化しやすい
自動引き落としなどを利用すれば、投資の習慣が身につくことが期待できます。
積立投資のデメリットとは?
短期間で結果が出にくい
長期間積み立てて投資することが前提となるため、短期的に大きな利益を求める投資家には不向きな手法と言えます。
つまり、 複利効果を感じるまでに年数が必要になるということです。
上昇局面ではリターンが抑えられる
毎月投資していく手法なので、その都度投資される金額が小さいため、上昇局面では長期的に買いあがっていく形になります。
手数料が高くなる場合もある
積立投資は一括投資と比べると、選択肢が少なることも事実です。NISAを利用する場合には関係ないかもしれませんが、投資信託を活用した場合、購入回数や投資金額によっては買い付け時の手数料が割高になることもあります。
結論:どちらが良いか?
正解は「人によって異なる」ということになります。
投資する人の資金の状況、リスク許容度、目的に合わせてどちらか合わせて選ぶことをお勧めします。
一部を一括投資に回して、残りを積立投資に回すという、言わば「ハイブリッド型」の投資手法も有効でしょう。
現時点で資金が潤沢ではなくても、これから資産形成をはじめて行こうという人は、NISAなどの制度を活用して資産運用に取り組むことも可能です。
まとめ
一括投資:リターン大きいがリスクも大
積立投資:安定性が高くなるため投資初心者向き
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