株式市場は急落することがまれにあります。
そんな時によく受けるご相談が、
「積立投資はこのままでいいのか?」
というものです。
心配なお気持ちもよくわかります。
ですが、今こそ落ち着いて、長期投資の原則に立ち返るタイミングでもあります。
今回は、株価下落時の基本的な考え方について説明します。
株価下落時の基本的な考え方
1. 積み立て投資の最大の強み:時間と分散
下落相場は、「安く買える」チャンスです。
投資を始める際に、長期間積立投資をすることを決めたのであれば、上がる時もあれば、下がる時もあります。
最近の急落が続けば不安になることはあると思いますが、今の下落はむしろ平均取得単価を下げられる機会でもあります。
これは、いわゆる「ドル・コスト平均法」により積立投資しているためで、このような状況でこそ真価を発揮します。
2. 過去の暴落と回復の事例
過去にも大きな株価の下落がありました。
1980年代後半の日本の不動産バブルの崩壊による日本株の暴落。
2000年初頭のインターネットバブル崩壊による、世界的な株価下落。
そして、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックなど、歴史的に見ても株式市場は大きく下落しても回復をして、さらに成長してきています。
積み立ては継続すべきか?やめた方がいいのか?
基本的には 「やめない方がよい」です。
理由としては、前述しましたが、「安く買えるチャンス」を逃すことになるからです。
しかし、
「このまま積立てても意味ないのでは?」
「戻ってからまた始めよう」
と考える人も出てくるのは確かです。
ドルコスト平均法は、高い時は少なく買い、安い時には多く買うという手法です。
そんな中、安い時だけやめてしまっては、たんに高値を追い続ける手法となってしまいます。
積立投資を継続する際の心構えとは?
当初の目的は?
当初の投資の目的を再確認することは非常に大事です。
いつまでに、どれくらいの金額を、どのように運用していくか?
これらを確認して資産形成をはじめた方がほとんどだと思います。
その際に、長期・分散・積立の原則も確認しているはずです。
長期で資産形成する際には、一時的な下落は「ノイズ」程度と考えるべきでしょう。
リスク耐性の確認
株価の下落に耐えられない…
このように日々思うようになったり、あまりに精神的に辛いということは、当初のリスク許容の確認が不十分だった可能性もあります。
その際には、見直しのタイミングなども再検討しないといけないかもしれません。
時にはハイリスク資産への投資の積立額を少し減らすのはいいかも知れません。
見直しのタイミング
株価の急落に関わらず、見直しと言うのは重要になります。
ただし、通常は年に1回程度で十分でしょう。頻繁に見直しをするということは、短期的な株価の変動に一喜一憂しているにすぎません。
あくまで、初志貫徹で、当初決めた目的や運用スタイルを維持していくことが重要です。
SNSなどの取り扱い
SNSやニュースは煽りがちに発信されています。さらに最近はフェイクニュースなども良く発信されているため、不安な時ほどSNSなどで自分にとって都合の悪いものを探さないようにしましょう。不安な気持ちが増すだけです。
最後に
株価の急落時こそ「積立投資家にとっては静かに仕込むとき」です。
評価損が出ていても、それは将来のリターンの「源泉」となるはずです。
長期投資の成功は、「続けること」「市場から降りないこと」「分散すること」にあります。
積立投資を決断した時の気持ちをあらためて思い出して、気長に待ちましょう。
著名なアメリカ人投資家である、ウォーレン・バフェット氏がこのような名言をくれています。
「The stock market is a device for transferring money from the impatient to the patient.」
~株式市場とは、短気な人から忍耐強い人へとお金を移す装置である~
せっかちに積立投資をやめるべきでないということがお分かりいただけると思います。
これから資産形成・積立投資をはじめようと思っている方、また今のアドバイザーが的確な助言をくれないとお考えの方は、FPドットコムまでお問い合わせください。
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