インフレ時代の貯蓄戦略をどう考える?保険・NISAとの併用や相談先も紹介

 

財形貯蓄制度は、勤め先の福利厚生として利用できる手堅い貯蓄方法です。
主に大企業が導入している制度と言えるかも知れませんが、勤務先で財形貯蓄制度がある場合には利用を検討するのもいいかもしれません。

しかし、インフレや資産形成ニーズを踏まえると、NISAやiDeCoと併用したライフプランニングが欠かせません。制度の仕組みを理解し、自分に合った貯蓄・運用スタイルを見つけましょう。

 

財形貯蓄の特徴と種類

給与天引きで強制的に貯蓄

財形貯蓄は「給与天引き」で自動的に貯められる点が最大のメリットです。
自分の口座に支払われた後で振り分けることもありませんので、うっかりと使ってしまう前に貯蓄に回るというメリットがあります。

財形貯蓄は3種類

財形貯蓄は3種類あり、中でも一般財形貯蓄は非課税の恩恵はありません。

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※財形住宅+財形年金=非課税枠合計550万円まで

 

財形貯蓄のメリット・デメリット

メリット

  • 給与天引きで自動的(強制的)に貯めることができる

  • 住宅・年金目的で利用する場合には非課税メリットがある

  • 退職時に一括で受け取り可能な制度がある

デメリット

  • 現状の金利情勢は金利が低く、インフレに負ける可能性がある

  • 目的外で引き出すと非課税枠が使えなくなる

  • 運用商品ではないため、資産形成として利用するには注意が必要

どれくらい貯めるのが理想?

目安としては、毎月の可処分所得の10~20%を貯蓄に回すと堅実といえるでしょう。
たとえば、可処分所得が約20万円の場合、財形貯蓄で月2〜3万円を自動的に貯蓄していくと、年間で24〜36万円を貯めることができます。

ただし、インフレに備える観点から「現金+投資」のバランスが重要です。
さらに、家族がいる場合には、保険への備えや住宅ローンなどの支出も念頭に入れて、マネープラン、ライフプランを練ることが必須になります。

 

NISA・iDeCoとの併用もアリ

財形貯蓄は「元本確保型」の保守的手段です。
一方、以下のような制度と併用することで、リスク分散と資産形成が可能になります。

NISA

インフレヘッジ・長期資産形成向けの方法で運用益は非課税です。
生涯の投資枠として1800万円(つみたて投資枠・成長投資枠あわせて)もあるので、財形貯蓄とバランスを考えて利用するのも一案です。
ただし、元本保証がない投資商品であるので、許容できるリスクを理解した上での利用が必要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

老後資金準備の方法としての制度で、税制優遇があります(会社によって加入可否あり)。
NISAと同じような成長資産への投資も可能ですが、保守的な金融商品も用意されていることも多いため、財形貯蓄とのバランスを考えて利用しましょう。
原則として60歳まで引き出せないので、このあたりも注意が必要です。

 

ライフプランをどう立てる?

財形を利用しつつも、ライフステージに応じた設計が重要です。

20代~30代は、財形貯蓄+NISAなどで成長資産と使い道の決まっている貯蓄への準備。
保険はコスパ重視の掛け捨て保険が好ましいでしょう。

30代~40代は、所得が上がってくることも想定されますが、教育資金などの支出が増大していく世代でもあります。
財形にこだわらず、NISAやiDeCoなども併用して、税制優遇を賢く利用しながら、資産形成をしていくことが良いでしょう。

50代からは、財形年金やiDeCoで老後資金を本格的に確保していくことが必要になります。

ただし、これらはあくまでも一例であり、ライフプランをキチンと練って専門家に相談しながら資産形成に取り組むことをお勧めします。

 

誰に相談すればよい?

中立的なアドバイスを受けたい場合には、FPなどの専門家に相談するのが近道でしょう。

無料相談を受けられるFP相談窓口を活用するのも一案です。中立性と専門性のあるFPに相談することで、制度間の「重複」や「取りこぼし」も防げます。

 

まとめ ~無理に利用する必要はないかも?~

財形貯蓄は「堅実な自動貯蓄」として有効ですが、インフレや老後資金を意識した資産形成には、NISAやiDeCo、保険の併用が不可欠です。
所得状況をみて、無理に利用する必要もないかもしれません。

利用する際には制度の特性を理解し、ライフプランに合わせて活用していきましょう。
迷ったときは、中立的なFPの力を借りて、自分だけの「資産形成の方法」を探ってみてください。

 

FPドットコムでは、中立なアドバイスをしてくれるFPをご紹介しています。
資産形成や、リスクに備えた保険も交えたトータル・ファイナンシャル・プランニングを受けてみませんか?

 

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FPドットコムにご相談いただくケースで、海外の生命保険や金融商品に関する質問が多くなっています。

最初に申し上げますと、日本で認可を受けていない事業者が保険や金融商品を勧誘することは違法です。

この問題は、非常に重要な法的・消費者保護上の問題を含んでいます。
なぜだめなのか?
どういう場合が違法になるのかについて、日本国内での法制度を前提に、簡潔かつポイントを押さえて説明します。

 

日本の法制度における問題点

問題の構造

海外の生命保険商品を「資産形成」の名目で紹介・販売し、エージェントが報酬を得ているという構図です。
日本国内においての問題点から説明します。

保険業法違反の可能性(無登録営業)

日本で保険を販売・媒介・募集するには、金融庁の登録が必要になります。
登録なしで「勧誘」「説明」「書類の手配」「報酬受領」などを行っていれば、保険業法違反(第275条)となります。

登録を受けている保険会社等の職員や、委託契約を結んでいる事業者以外は上記の営業活動をしてはならないということになります。

よくあるケースが、エージェント自身が「紹介」と言って勧誘のサポートをするケースです。
「紹介」と言っても、実質的に販売や斡旋と同等であれば違法と判断されます。

金融商品取引法違反の可能性(みなし有価証券販売)

海外保険商品や金融商品が、投資性(貯蓄性・運用性)を持つ場合、みなし有価証券と見なされることがあります。
無登録で勧誘すると、金融商品取引法違反になります。

エージェント側はこれらを熟知していないにしても、「紹介」と言う言葉にこだわるということは、法律違反を犯している可能性があることを認識しているということでしょう。

 

エージェント(紹介者)の責任

紹介だけであっても、継続報酬・手数料の受領があれば、実質的な媒介行為と見なされるリスクが高いです。

この場合は、保険業法違反(無登録募集)、金融商品取引法違反(無登録販売勧誘)などに問われる可能性あり、 刑事罰の対象にもなりえます(罰金・懲役)。

驚くことに、国内の保険会社や金融機関に所属しながら、海外の保険商品や金融商品を「紹介」と称して提案しているエージェントも多数います。

 

加入者(顧客)の責任

通常は、違法性の認識がなければ罰せられないとされています。

ただし、警告・行政指導対象になることはあるようです。
そして、運用などで得た利益を適切に申告していない場合の税務リスク(無申告・申告漏れ)もあるので注意が必要です。

さらに、トラブルが発生した際には日本の消費者保護制度が適用されないリスクが高いとされています。

 

よくある誤解

「紹介だから違法ではない」

これは間違いです。
保険業法や金融商品取引法では、「紹介」という形式ではなく、実質的な行為内容で判断されます。

海外の保険商品に加入した場合、「紹介」と言っているにも関わらず、エージェントには持続的な報酬が支払われているケースがほとんどです。
この行為は実質的は「紹介」の範疇を超えていると考えられます。

海外の富裕層のための商品

これも誤解しやすい勧誘の言葉でしょう。
実際に、富裕層・超富裕層向けの金融商品は存在します。その商品を購入するには最低金額が1億円以上など、かなり高額なお金を必要とします。

その方が資金を集めて運用する側も効率がいいからであり、わざわざ日本の小口投資家のお金を集めて運用する必要がありません。

つまり、この勧誘のワードを鵜呑みにすることは賢明ではありません。

 

まとめ

責任の所在

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金融庁は、無登録での保険募集行為に対して厳格な姿勢を示しており、実際に行政処分が行われた事例も存在します。形式的に「紹介」と称していても、報酬の受領や具体的な商品の推奨・説明を行っている場合は、保険募集と見なされる可能性が高く、法令違反となるリスクがあります。

無駄なトラブルを避けるためにも、このような勧誘に耳を傾けることは得策ではありませんので、注意するようにしましょう。

ただし、海外に拠点がある金融機関の日本人向けのサイトなどを見て、自分自身で申込をする行為に関しては違法性が問われることはないと言われていますので、この限りではないようです。

保険への加入や、資産運用・資産形成を検討する際は、正規の登録を受けた保険募集人や証券外務員などを通じて行うことが重要です。


不明な点や不安がある場合は、FPドットコムにご相談ください。

 

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個人事業主やフリーランスの人は、会社員の人とは違い、自分のコトは自分で守らないといけません。

さらに、自分の家族についても自分自身で責任を負うことになります。

そんな個人事業主やフリーランスの人たちが、「もしも」のことに備えながら将来の資産形成をしていくにあたり、押さえておくべきポイントや制度の活用について説明して行きます。

社会保険のカバー不足にどう備えるか

民間の保険でカバー

個人事業主やフリーランスの人は会社員と異なり、労災・雇用保険の対象外であるため、自ら保険の備えを整える必要があります。

つまり、病気やケガで働けなくなったときの収入減、老後の年金不足など、リスクは会社員以上に高くなります。

どんな保険でカバーする?

「所得補償保険」や「就業不能保険」で働けない間の生活費をカバーすることも検討すべきでしょう。
これらは、ケガや病気で働けなくなった際に、一定の要件を満たせば収入の一部を保証してくれる頼もしい保険です。

自分自身の年金を作る

個人事業主やフリーランスの人は、厚生年金の対象外です。
会社員や公務員の人が受けられる社会保険制度の多くの恩恵を受けることができないため、「国民年金基金」や「iDeCo:個人型確定拠出年金」で老後資金を自助努力で積み立てる必要があります。

これらは、自分や家族を守るだけでなく、事業を継続するための備えでもあるので早めの対策をおすすめします。

 

事業と家計の「財布」を分ける

事業用と生活用のお金はしっかり分けて管理するのが基本です。
収支の把握をはっきりすることにより、「どんぶり勘定」になることを防げます。
こうしたことは、節税や資金繰りの判断もスムーズになります。

例としては、以下のサービスなどを利用するのも一案です。


・事業用の口座・クレカを分けて使用
・家計簿アプリ+確定申告ソフトで簡単に連携・管理

 

「お金の流れ」が「見える化」されると、資産形成や保障(補償)の準備の判断力も格段に上がります。

 

収入に波がある人こそ、資産形成がカギ

企業規模の大小にかかわらず、収入にばらつきがあるのは事業をしていく上では避けられないことです。
だからこそ、「貯める力」「増やす力」が重要になってきます。

とくに事業規模の小さい個人事業主やフリーランスの人は、好調な月もあれば、赤字スレスレの月もあるのが現実でしょう。ムリのない積立投資で長期的に資産を作る必要があります。

有利な制度を利用する
資産形成を後押ししてくれる代表格としては、NISAとiDeCoがあります。
NISAはすべての人に恩恵がありますが、iDeCoは個人事業主の人には大きなメリットがあります。

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2025年5月5日現在

このように、会社員や公務員の人と比較して拠出できる金額が多いのが特徴です。
しかも、この掛け金は所得から控除できるという、「節税」効果もあるため、使わない手はありません。

個人事業主やフリーランスの人は、収入の波があるのは確かですが、その波をならすために、「資産運用×生活防衛費の確保」の両輪が不可欠です。

 

税制優遇制度は使い倒す

先ほど説明したiDeCoをはじめ、個人事業主には税金対策になる制度がいくつも用意されています。

自分で申告・納税するからこそ、控除や節税制度を知って活用するだけで可処分所得は大きく変わります。

小規模企業共済:退職金代わり+全額所得控除
経営セーフティ共済:取引先倒産時の備え+掛金全額経費
青色申告特別控除(65万円):帳簿管理で節税

これらの制度を既に活用されている事業主の人も多いかも知れませんが、まだ活用していない人は「自分のための制度」は知ったもん勝ちなので、是非活用することを検討してみてください。
税金も味方にできます。

 

将来のビジョンから逆算する

ゴールを持つことで、判断がぶれにくくなります。
資産形成も保険も「何のために、いつまでに、いくら必要か」が見えると選択肢が明確になります。

事業拡大や引退の時期を見据えて準備を始める。

家計面では、子どもの教育費や住宅購入など、ライフイベントの策定

公私の将来を描くことで、今すべき「守り」と「攻め」のバランスが見えてきます。

 

まとめ

個人事業主やフリーランスの人は、「自分自身=会社」だからこそ、守ること・増やすことの両方が必要です。
保険で土台を固め、制度を活用しながら、事業と生活の未来をデザインしていきましょう。

FPドットコムでは、自営業者の方向けのライフプランや資産形成などのアドバイスができる専門家をご紹介しています。

相談は無料でできますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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